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2026年1月6日火曜日

narco-terrorism

世界に衝撃が走ったアメリカによるベネズエラへの軍事侵攻と大統領夫妻の拘束。拘束された大統領夫妻はニューヨークでの裁判にかけられ、最新の報道によれば、ニューヨークの裁判所に到着し、罪状認否が行われ、マドゥロ氏は無罪を主張したと報じられています。

その罪状とは、


narco-terrorism


であるとのことです。


Venezuela's Nicolás Maduro and his wife, politician and attorney Cilia Flores, made their first court appearance at a federal court in New York City Monday afternoon, when they both pleaded not guilty to all charges.

Maduro is facing charges of narco-terrorism conspiracy, cocaine-importation conspiracy and weapons charges. Flores and other senior Venezuelan officials, including Maduro's son, are also facing charges.
(Maduro and wife plead not guilty to narco-terrorism charges. NPR. January 5, 2026.)


"narco-terrorism"という単語が、麻薬(narcotics)とテロリズム(terrorism)のかばん語になっているというのはスペルからも分かりやすいと思います。

しかし、具体的に、"narco-terrorism"とは何を指すのでしょうか?

American Heritage Dictionaryでは、ハイフン無しの"narcoterrorism"というエントリで、


Terrorism carried out to prevent interference with or to divert attention from illegal narcotics trafficking.


と定義しています。麻薬取り締まりを妨げる目的で行われるテロ行為という意味と解釈されます。

一方、Merriam-Webmaster Dictionaryでは、"narco-terrorism"(ハイフン有り)というエントリで、


terrorism financed by profits from illegal drug trafficking


と定義しています。こちらは、麻薬密売で得た収益を資金源として行われるテロ行為となりますが、意味合いがちょっと異なるように思われます。

トランプ政権によるマドゥロ大統領の拘束の背景には、ベネズエラ国内の麻薬組織を放置し、それがアメリカ国内へのコカイン密輸、流通になっているということがありました。してみると、今回の罪状である"narco-terrorism"は、違法薬物を蔓延させることによって他国を害しようとするテロ行為を指すようにも考えられ、上記のいずれの定義にも当てはまらないのではないかとも思われました。あるいは、マドゥロ政権自体、反米政権と見做されており、ベネズエラ国内の麻薬組織を野放しにしているという状況を米国に対する行為と断じたとの見方もされているようです。

"narco-terrorism"は日本語では麻薬テロと訳されるそうですが、その意味するところは今ひとつ曖昧にも思われます。




2026年1月5日月曜日

boots on the ground

米国がベネズエラを軍事攻撃、マドゥロ大統領を拘束したという衝撃的なニュースが世界を駆け巡りました。

違法薬物や不法移民などの諸悪を断罪するという大義ですが、強国が軍事介入によって他国の体制を変更することの是非が当然ながら問われています。

トランプ大統領は会見を開き、米国がベネズエラを今後「運営」すると明言しました。「運営」という言葉の意味するところが各メディアで取り上げられています。

「運営」に関連して、トランプ氏は、


boots on the ground


の可能性も除外しないとコメントしました。


The president brushed off questions about concerns about the length and logistics of the U.S. operation.

Trump was asked about whether U.S. troops would be on the ground in order to "run" Venezuela and indicated he could use the military to make sure it's run "properly."

"Well, you know, they always say, 'boots on the ground, oh.' So, we're not afraid of boots on the ground," he said. "We had boots on the ground last night at a very high level. Actually, we're not afraid of it. We don't mind saying it, but we're going to make sure that that country is run properly."
(Trump's vow to 'run' Venezuela, sell oil, part of plan to dominate Western Hemisphere. ABC News. January 4, 2026.)


この"boots on the ground"という言葉が報道でフォーカスされているのですが、この表現はイディオムで、


Soldiers actively serving in a conflict zone
(American Heritage Dictionary)


と定義されており、戦地に兵隊、軍を展開するという意味です。"boots"とは兵士のブーツ(軍靴)であり、軍隊のメタファーであると分かります。

トランプ氏はかつて、米国のイラク戦争参戦を大きなミステイクであると批判したことがありますが、今般ベネズエラに米軍展開となればイラクやアフガニスタンにおけるそれと同じ轍を踏むのではないかとの見方があります。


2026年1月2日金曜日

side eye

飛行機の乗客マナーについての記事から引用です。


While many flyers blatantly ignore airplane etiquette — like eating a smelly snack or elbowing a seatmate — one traveler took things a little too far with her bizarre stretching method that had many fellow passengers giving her the side eye.

Stuck on a 12-hour economy flight from Paris, France to California and thankfully in a window seat next to her husband, McKailey Fast, a 29-year-old content creator and Pilates instructor, recently went viral for posting a TikTok video, with over 1 million views, that featured her stretching her legs on the wall of the plane.
(Allison Lax. Pilates instructor’s insane hack to survive 12-hour flight – experts weigh in: ‘Get your feet off the wall’. New York Post. January 1, 2026.)


狭い座席でストレッチをするというのはそれがエコノミークラス症候群のリスク軽減のためとはあっても、他の乗客の迷惑になりかねません。

記事の乗客は窓側の席で両脚を壁に跳ね上げてストレッチする様子をSNSで公開したもののようですが、これが批判を呼びました。

記事で、


give someone the side eye


という慣用表現が使われていますが、


a sidelong glance or gaze (as of scorn, suspicion, disapproval, or veiled curiosity)
(Merriam-Webster Dictionary)


という意味です。

横目で、流し目で見るというのは顔を直接向けず、目だけを横に向けるということですが、直接に見ないのは見たくないからで、対象に不快感を覚えたり、批判的である場合です。

この"give someone the side eye"という表現を手元の英和辞典で引いてみたのですが、"side-glance"という表現は載っていたのですが、"side eye"は見当たりませんでした。

また、"side eye(s)"なのか、"the side eye"なのかは違うと思われますが、表現としてはどちらもあるようです。Merriam-Webster Dictionaryでは(ハイフンで繋げ、さらに定冠詞theを冠した)"the side-eye"と表現することがしばしばある、と載せています。

同じような意味の表現として、以前取り上げた、




もご覧ください。


2026年1月1日木曜日

outback

新年おめでとうございます。本年もブログ「えいご1日1語」をよろしくお願い致します。

さて、ニュース記事を斜め読みしておりますと、ヘッドラインには"NYE" (New Year’s Eve) の文字が目立ち、各国での年越しの様子を伝える記事を多く目にします。

オーストラリアの奥地に、年越しを3回(!?)迎える場所があるという記事に目を引かれました。


Can you imagine marking New Year's Eve three times in one night?

An outback community located at the junctions of the Queensland, South Australia and New South Wales borders will do just that tonight, each time the clock strikes midnight in the three states.

Cameron Corner local Kate Osman has been part of the triple New Year's Eve shindig since 2000.

She hosts revellers at her corner-store-come-pub, before the party moves down the road to the state marker, known as the "corner post", at 11pm.
(Nakita Jager. Cameron Corner celebrates New Year's Eve three times in one night, on three state borders. ABC News. December 31, 2025.)


シドニーから1647キロ、ブリスベンから1342キロ、アデレードからは1051キロという内奥にあるCameron Cornerという町はクイーンズランド州、サウスオーストラリア州、ニューサウスウェールズ州の3州の州界に位置するそうですが、3州が異なる等時帯にあるため、それぞれ日付の変わるタイミングが異なるということなのです。地図帳を引っ張り出して確認してみますと、広大な国土を誇るオーストラリアの等時帯は少しややこしいのですが、現在オーストラリアは夏時間で、3州の間に30分ずつの時差があります。町中には3州の州界を示すプレートがあり、この場所では年越しを3度祝おうという人々で毎年賑わうとのことです。

さて、今日の1語、"outback"は内陸の土地、奥地を指す単語ですが、特にオーストラリアの内陸地を意味するとの説明が辞書に載っています。

はて、"outback"はオーストラリア英語なのかな、と思ったのですが、そうではなく裏庭、バックヤードを意味するアメリカ英語をオーストラリア人が借用したものだそうです。その後、裏庭、バックヤードの意味は廃れ、もっぱらオーストラリアにおける奥地を指す意味合いに特化したということです。(Merriam-Webster Dictionaryによる。)

なお、Outback Steakhouseという有名なレストランチェーンがありますが、そちらもオーストラリア由来でも何でもなく、アメリカ・フロリダ州発のブランドです。


2025年12月31日水曜日

letter

デンマークで郵便が終了、というショッキングなニュース記事を読みました。

2025年12月30日の郵便配達を以て、サービスを終了する、というのです。(これを書いている時点では既に終了した、ということになります。)


Denmark’s state-run postal service, PostNord, will deliver its last ever letter on Tuesday, as the digital age brings its 400-year-run to an end. This makes Denmark the first country in the world to decide that physical mail is no longer either essential or economically viable.
(Issy Ronald. Digital age brings Denmark’s postal service to a historic end. CNN. December 30, 2025.)


記事によると、デンマークという国は世界の中でもデジタル化が進んだ国であり、国民の大部分はデジタルデバイスやネット接続の恩恵を受けることができているのだそうです。そうした環境下におおて、もはや紙媒体による郵便サービスは必要が無い、ということだというのですが、とてもショッキングな話です。

今日の1語に、


letter


を選びました。実のところ、2025年最後の投稿に際し、その1語を選ぶのに難儀したのです。(ネタが見つかりませんでした・・・。)

「手紙」(letter)とは何でしょうか?

American Heritage Dictionaryでは、


A written or printed communication directed to a person or organization.


と定義しており、手書きされた、もしくは印刷されたコミュニケーション(通信文)としています。

興味深いことに語源欄を見ると"letter"という単語は多くの英単語と同じく、ラテン語(littera)からフランス語(littre)を経由しているのですが、遡るとギリシャ語diphterāから来ているとの説があるそうで、このギリシャ語は昔の人が文字を書き付けた羊皮紙、タブレット(デジタル端末ではありません、古代人が文字を刻んだ粘土板などを指す言葉です)を意味したそうです。

記事中、"letter"はその形式を時代と共に、パピルス、粘土板、紙、羊皮紙、などと変遷させてきたもので、デジタル化もその変遷過程の一つに過ぎない、という専門家の見解が紹介されています。妙に納得というか、納得行かないというか。

日本では年賀状の発行数も減少の一途を辿り、多くの人が「年賀状仕舞い」と言い、葉書、手紙文化は風前の燈とも言われます。明日朝届く年賀状は何枚かな?