昨日10月30日は「食品ロス削減の日」だったそうです。
SNSなどを見ていますと、政府広報を始め、自治体などが食品ロスの削減を呼び掛ける投稿が目につきました。
まだ食べられるものを捨ててしまう、過剰な在庫を腐らせてしまって結局廃棄になる、等、「食品ロス」は消費者である個人が意識することで減らせる、というのは分かっていてもなかなか実現できていないもの、かもしれません。
さて、「食品ロス」の英訳は"food loss"とは敢えて取り上げることもないような話と思いましたが、ことはそう単純ではなさそうです。
「食品ロス」の取り組みは日本に限らず、取り組みの内容の差こそあれ、世界各国で行われており、国連のウェブサイトにも特設ページが見られます。
そのページ内には「食品ロス」に関する知識クイズのコーナーがあるのですが、その質問の中に以下のようなものがあります。
Is there a difference between food loss and food waste?
You’re right! Food loss happens when food gets lost or spoiled before it reaches the store, like on the farm or in a factory. Food waste happens when good food gets thrown away at the store, at a restaurant or at home.
(The Food Loss and Waste Challenge - 国連のウェブサイトから)
一般に「食品ロス」と呼ばれる概念は、英語では"food loss and waste"となり、"food loss"と"food waste"は異なる概念なんですね。
日本での「食品ロス」はこの辺りをあまり厳密には区別していないようです。
食べ残し、売れ残りや期限が近いなど様々な理由で、食べられる食品が捨てられてしまう「食品ロス」。 日本の食品ロス量は、約600 万トンです。
(消費者庁)
国連のクイズの解答説明によれば、"food loss"とは食品が消費者に届く前に廃棄などされてしまうことを指し、"food waste"はレストランやスーパーマーケット、また購入後に家庭において食材や食品が廃棄されてしまうことを指すのだそうです。
我々が「食品ロス」、「フードロス」と呼んでいるのは、英語では"food waste"に当たる、と考えられますね。