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2024年12月3日火曜日

soft-pedal

ハリーポッターの著者として知られるJ.K.Rowlingさんが、トランスジェンダーに対して批判的な見解をお持ちであるということはよく知られています。

当ブログでも関連記事を過去に取り上げたことがありますが、性的マイノリティの権利を主張、擁護する立場の人たちからすると煙たい存在な訳で、Rowlingさんに対するボイコットなどが行われてきました。

そのRowlingさんに関する記事から引用します。


Author J. K. Rowling decried the "rewriting of history" soft-pedaling the extreme hostility she faced for her views on transgender ideology.

Last week, The New York Times published a piece on transgender activists rethinking their "all-or-nothing" approach and referenced the backlash against critics like Rowling as "unsparing criticism."

"When J.K. Rowling said that denying any relationship between sex and biology was ‘deeply misogynistic and regressive,’ a prominent LGBTQ group accused her of betraying ‘real feminism.’ A few angry critics posted videos of themselves burning her books," the article said.

On Monday, the "Harry Potter" author attacked this mild description of the backlash, reminding her X followers that she and others have received death threats and more.
(Lindsay Kornick. JK Rowling derides NY Times piece downplaying transgender backlash against her: 'Rewriting of history'. Fox News. December 2, 2024.)


Rowlingさんは、トランスジェンダーについての自身の主張を曲げるつもりは無いと明言していますが、それに対する批判は単なるボイコットや著作の焚書という抗議活動に留まらず、殺害予告や家族への脅迫にまでエスカレートしているといいます。

こうした過激な抗議活動が明るみになるのは今回が初めてなのかどうか分かりませんが、Rowlingさんによる赤裸々な告白のきっかけはニューヨークタイムズ紙の報道のようです。

曰く、


NY Times piece downplaying transgender backlash against her


ということなのですが、タイムズ紙の記事はRowlingさんに対する過激な抗議活動をありのままに伝えず、"downplay"、すなわち控えめに報じているというのです。

そして、記事本文では、


the "rewriting of history" soft-pedaling the extreme hostility she faced


とあるのですが、こちらも意味するところは同じで、"soft-pedal"とは表現の調子を和らげる、弱める、という意味です。

この"soft-pedal"というのは、ピアノの弱音ペダルのことを指します。

ピアノを演奏する方はお分かりと思いますが、弱音ペダルを踏むことで、楽器の発する音がくぐもったような音に変化するものです。

2024年12月2日月曜日

ワイン - whine

アメリカにTrader Joe'sというちょっと変わったスーパーマーケットのチェーンがあります。宣伝広告や店内のPOPがユニークで、品揃えも他店とはちょっと違っています。昔、米滞在時にはよく利用しました。

そのTrader Joe'sのワイン専門店というのがあるそうなのですが、同店が閉店した後、すぐそばにJoe's Wineという、全く別の店がオープンし、商標を巡る争いとなっているという話です。

"Joe's"という名前の一部のみならす、看板の店舗名の字面なども似通っており、本家であるTrader Joe'sは商標権の侵害で訴えている模様です。


They’re wining about Joe!

A New York City liquor store that recently opened just blocks away from the now-shuttered Trader Joe’s Wine Shop is cashing in on the intellectual property of the grocery chain and confusing customers, the retail behemoth claimed in a new lawsuit.

Trader Joe’s blasted Joe’s Wine Co. for not only sharing a similar name but copying the aesthetic of the beloved former wine store in Union Square, which closed two years ago after workers tried to unionize, according to court papers.
(Anna Young. Trader Joe’s in legal tiff with NYC wine shop over the name ‘Joe’. December 1, 2024.)


Trader Joe's側の主張は、Joe's Wineという店舗名がブランドにタダ乗りしているということなのですが、Joe's Wine側は"Joe"というありふれた名前の使用で訴えられるのは心外だと反発しているようです。

さて、引用記事はNew York Post紙からです。同紙の記事はシャレが効かせてあるものが多く、この記事も例に漏れず、冒頭部分、


They’re wining about Joe!


は何かのシャレと思われました。

が、直ぐには分からなかったというのが正直なところで、"wine"(ワイン)という単語に動詞の意味なんかあったっけ、と疑問でした。

確かに動詞の意味はあるのですが、それでこの冒頭部分が何かシャレを効かせたようにも解釈出来ず・・・。

しばらく考えていて、ようやく思い当たったのが、"wine"とは、


whine


に掛けたもの、ということでした。

つまり、不平を言うという意味の"whine"と、問題になっているワイン専門店の"wine"を掛けた、という訳です。

発音はどちらも「ワイン」、つまり同音異義語です。