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2025年4月3日木曜日

gloat

米ウイスコンシン州の最高裁判事の選挙が行われ、トランプ政権が支持する保守派候補者がリベラル派の候補に敗れたと報じられています。

トランプ政権にとっては手痛い敗北となり、野党民主党は一矢報いた、というところでしょうか。

この選挙ではトランプ政権下で政府効率化省(DOGE)のブレーンでもあるマスク氏が選挙資金を注ぎ込むなどして保守派候補に肩入れしていたこともあり、マスク氏の敗北でもあると言われています。


Democrats were tasting unfamiliar triumphalism on Wednesday after the election for a vacant Wisconsin supreme court seat turned into an emphatic repudiation of Elon Musk, Donald Trump’s richest supporter and key ally.

Musk endured a wave of gloating on Twitter/X, his own social media platform, after Brad Schimel, a Trump-endorsed judge that he spent $25m supporting lost by 10 percentage points to Susan Crawford, whose victory sustained a 4-3 liberal majority on the court.
(Robert Tait. ‘Loser’: Musk endures wave of gloating on X after liberal judge wins Wisconsin race. The Guardian. April 2, 2025.)


ここ数ヶ月報道されているように、選挙で選ばれた訳でもないマスク氏が政府の歳出削減の大ナタを振るうことに対して批判が高まっていました。

ウイスコンシン州最高裁判事の選挙は、ある意味マスク氏に対する国民投票のような側面があったとされています。

結果、マスク氏が支持する候補は敗れた訳ですが、これはトランプ政権を、またマスク氏のDOGEにおける活動を支持しないという意思表示とも捉えられるということになります。

記事で、


Musk endured a wave of gloating on Twitter/X


とある部分ですが、ここで使われている"gloat"という単語を知りませんでした。

Merriam-Webster Dictionaryでは、


to observe or think about something with triumphant and often malicious satisfaction, gratification, or delight
gloat over an enemy's misfortune


定義されています。物事を満足そうに眺める、ということですが、ここでポイントなのは"often malicious satisfaction"(しばしば悪意を持って)という部分です。

例文にも見られるように、人の不幸を嘲笑うごとく、意地悪さが含まれる感情を指します。

マスク氏の活躍を忌々しく思っている人たちが今回の選挙戦の敗北をそれみたことかとほくそ笑んでいるといったところでしょうか。

2025年4月2日水曜日

エイプリルフールとfish

時間が経つのは早いもので、もう4月です。

昨日4月1日、東京は冷たい雨が降りましたが、ニュースは新社会人の入社式や入学式の話題でしたね。

もう一つ、4月1日はエイプリル・フールでもあります。昨日はそんなこと気にもとめなかったのですが、どこやらの企業がSNSでつまらない投稿をしたために炎上しているというような話を翌日のニュースで見て思い出したような次第です。

エイプリル・フールの起源は諸説あるらしいのですが、数百年前に遡るとも言われるそうです。

ところで、海外ではエイプリル・フールと魚(fish)がセットにされるようなのですが、これはどうしてでしょうか?


The jokesters’ custom has been around for hundreds of years, although its exact birth is difficult to pinpoint. These days, depending on your location, it could be marked with a fish secretly pinned to someone’s back or a whoopee cushion or even news reports of flying penguins (yes, that actually happened ).

(中略)

In France, the day is known as poisson d’avril, or “April Fish,” and has long had a fish-themed pranking tradition. In modern times, it’s become more of a day for children to relish in attaching paper fish to their friends’ backs, Atlas Obscura says.
(How April Fools’ Day is celebrated around the world. New York Post. April 1, 2025.)


英語の"fish"には、


騙されやすい人、まぬけ、カモ


という口語の意味があります。

引用した記事で、フランスにおいてエイプリル・フールは"poisson d’avril"と呼ばれ、魚(fish)を描いた紙を人の背中に張り付けるいたずらをするのが慣例になっているとあります。(ちなみにイタリアにおいても、"pesce d’Aprile"という表現があるそうです。)

興味深いことに、キリスト教文化における四旬節(Lent)には魚を贈る習慣があるところ、偽物の魚を贈るいたずらが流行り、これが四旬節の終わりに当たる4月1日と魚を結びつけることになったという記事を見かけました。

このような背景が、騙されやすい人を意味する英単語の"fish"と関連しているのかは資料等無く、判然としません。


2025年4月1日火曜日

end run

ここ数日、トランプ大統領が3期目を画策しているという報道を目にします。

ご存知の通り、トランプ氏は昨年の大統領選でバイデン氏に勝利しました。今年1月からの任期は2期目であり、任期は2029年1月までとなりますが、もう3期目の野望とは気が早いというか・・・。


President Trump has once again floated the idea of testing the Constitution's presidential term limits by seeking a third term, as his administration continues to challenge constitutional provisions and push an expansive view of executive power.
(Hansi Lo Wang. Presidents can be elected twice. Trump could try end runs around that, experts say. NPR. March 31, 2025.)


実のところ、アメリカ合衆国大統領の任期は2期までというルールがあるそうで(合衆国憲法修正第22条)、このルールの下ではトランプ氏の3期目というのは無いことになります。

唯一の例外がルーズベルト大統領で、1933年〜1945年に渡り4期に渡り大統領職にありました。(ルーズベルト大統領は1945年、4期目就任の数ヶ月後に病没。)

その後、1947年に大統領任期を2期までに制限するルールが出来たということです。

従って、トランプ氏が3期目も大統領を務めるためには、ルールを変えるか何かしない限り無理な訳ですが、記事は以下のように続きます。


Changing presidential term limits with a new constitutional amendment would need support from three-fourths of the states.

But some legal experts point to plausible strategies for attempting end runs around the 22nd Amendment under unusual scenarios.
(ibid.)


ルール変更となると憲法改正となり、これには米国の全州の3/4以上の同意が必要となるということで、かなりハードルが高そうです。

そこで考えられるのが、ルール回避という手段なのですが、


attempting end runs around the 22nd Amendment under unusual scenarios


とありますね。

ここで"end run"とは、アメフトのプレー用語エンドランのことで、


ボールを持った選手が防御陣のエンドを回避して駆け抜けるプレー
(ランダムハウス英和辞書)


を言うそうです。

アメフトのことをほとんど知らない私でも、ボールを脇に抱えて疾走し、敵をかわしてトライを決めるプレーのイメージが浮かびます。

そして、"end run"は口語表現として、巧みな身のかわし、回避策という意味合いで使われると辞書にあります。

トランプ氏の3期目の可能性に関しては、様々なトリックが想定されており、例えば2029年1月に大統領任期が切れた後、一旦副大統領に就任して、その後大統領の辞任に伴い、副大統領から大統領に就任するなどのシナリオが挙げられています。

Merriam-Webster Dictionaryでは、


an evasive trick or maneuver


と定義されています。日本語で、姑息な手段、という表現がありますが、近いものがあるかと。


2025年3月31日月曜日

stall

英単語の動詞"stall"には、立往生させる、動けなくする、という意味があります。

クルマを運転する方は、「エンジンストール」と言えば、エンジンが不具合を起こして停止し、クルマが動けなくなることであると理解していると思いますが、この「ストール」がそうです。止める、止まる、という意味です。

"stall"という単語についてそういう程度の理解だったのですが、以下に引用する記事を読み、多少の違和感を覚えました。皆さんはいかがでしょうか?


President Trump said he is “very angry” and “pissed off” at remarks Russian President Vladimir Putin made Friday about Ukraine President Volodymyr Zelensky, suggesting he is not a legitimate leader.

The president threatened to slap a new tariff on Russia if it is at fault for stalling an end “to bloodshed.”

(中略)

The Russian president said Friday that his Ukrainian counterpart does not have the legitimacy required for a peace deal signature and suggested an interim government is needed, The Associated Press reported. Ukraine’s 2024 presidential elections were postponed due to martial law amid the war with Russia.
(Tara Suter. Trump ‘very angry’ at Putin’s remarks on Zelensky. The Hill. March 30, 2025.)


違和感を覚えたのは、中段に出てくる、


if it is at fault for stalling an end “to bloodshed.”


という部分です。

ここで"it"が指すのはロシアです。ウクライナとロシアの停戦を仲介するトランプ大統領が、停戦にあたって何かと難癖をつけて合意しようとしないロシアに対し怒り心頭、という話ですが、停戦(an end “to bloodshed.”)を"stall"という文に引っかかったのです。「停戦」も"stall"も、どちらも「止める」ということで頭がバグってしまったのかも(!?)

ここで記事の言わんとするところは、停戦「交渉」を停止させるような、あるいは立往生("stall")させるようなロシア側の態度、その愚(過ち)、ということだと思われます。

"stall"とは馬や家畜を一頭ずつ入れる囲いの一区画を指すのが原義のようです。動かないように留め置くということから、止める、止まる、また立往生する(させる)という意味合いになったのだろうと思われます。去勢していない種馬のことを"stallion"と言いますが、この"stall"と関連があります。

エンジンのストールや航空機の失速という"stall"の意味の拡張は当然エンジンや航空機が発明された以降のことですが、どういう背景なのか、説明は見当たりません。


2025年3月28日金曜日

shooting from the hip

トランプ政権でリストラを断行し政府のスリム化を図ると謳う政府効率化省(DOGE)。

同省を実質的に率いると目される実業家のイーロン・マスク氏と関係者らがFox Newsの直接のインタビューに応じ、その取り組みについて説明したそうです。


Department of Government Efficiency (DOGE) head Elon Musk and seven members of the team shed light on the department's cost-cutting mission in an exclusive sit-down interview with "Special Report" Thursday.

"We want to reduce spending by eliminating waste and fraud and reduce the spending by 15%, which seems really quite achievable," Musk told "Special Report" executive editor Bret Baier.
(Madeline Coggins. Elon Musk, DOGE team offer unprecedented peek behind the curtain of Trump's cost-cutting department. Fox News. March 27, 2025.)


これまでもDOGEに関する記事を取り上げましたが、マスク氏によれば連邦政府にはムダが山積しており、15パーセントの歳出削減が可能であると試算されているそうです。

DOGEによる歳出削減の取り組みはセンセーショナルに報道されることが多く、同省とマスク氏に多くの批判が寄せられていることはご存知の通りです。

記事に以下のようなくだりがあります。


Musk and DOGE have been a lightning rod for criticism due to the department's commitment to slashing waste, fraud and abuse in the federal government. Critics contend the organization has too much access to federal systems and should not be permitted to cancel federal contracts or make cuts to various agencies.

"They may characterize it as shooting from the hip, but it is anything but that," Musk said, noting the agency's approach to cuts is to "measure twice, if not thrice and cut once."
(ibid.)


批判に対するマスク氏の主張が引用されているものですが、


shooting from the hip


という表現に着目しましょう。

"hip"(腰)から撃つ(shoot)ということですが、どういう意味なのでしょうか?

"shooting from the hip"は衝動的な言動を取ることを意味する慣用表現です。

何故そのような意味になるのか?

銃器は通常腰に巻いたベルトにセットしておくもので、使う時にはベルトから外し、対象に向けて構え、照準を合わせて発射するものですが、そうしたステップを踏まないで、ほとんどベルトに付けたまま発砲するという行為(すなわち、shooting from the hip)になぞらえたものです。

銃器を目にしたり、触れたりすることのない我々日本人にはすんなり入って来ない表現ですが、日常に拳銃やライフルが溶け込んでいる米国人ならではの表現とも思われます。

この部分、"They may characterize it as shooting from the hip, but…"の主語である"they"はDOGEに対して批判的な人達(critics)を指します。

DOGEを批判する人達は同省が"shooting from the hip"と考えている、すなわち手当たり次第、思い付きや衝動でコストカットに動いている、と考えているようだけれども、実はそうではない、というのがマスク氏の主張です。

つまり、政府の支出やらをちゃんと分析した上で、ムダ削減に取り組んでいるのだ、と言いたいようです。