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2017年5月30日火曜日

lido

"lido"という見慣れない(聞きなれない)単語に出くわしました。


Samantha Martin, a publicist, wraps up her workday by sending one last e-mail, shutting her laptop — and heading up to the lido deck, where she’ll recharge, poolside, while her co-workers finish up in their Midtown office.

The 46-year-old is one of many New Yorkers who’ve discovered the joys of living and working on a cruise ship, for weeks or months at a time. Contrary to the stereotype of cruise aficionados being retirees, people in their 20s, 30s and 40s have embraced this lifestyle as a way to see the world and take a break from NYC’s crushing cost of living.
(Anna Davies. Why these couples are leaving NYC to live on cruise ships. New York Post. May 27, 2017.)


引用したのはNew York Post紙の記事で、ニューヨークシティを脱出してクルーズ船での海上生活する人たちが増えているという話です。どうやらセレブの人たちだけというわけではなく、一般人のようです。(とはいっても、NYCに住むことができるという点では一般人とはちょっと違うかもしれませんが。)

"lido"という単語ですが、


lido deck, poolside


と出てきます。つまり、"poolside"と同じ意味です。

"lido"を辞書で引くと、イタリアの保養地であることが分かります。ヴェネチアの近い海辺のリゾート地なのだそうです。

"lido"という単語自体、イタリア語で海辺、海岸を意味するlidoに由来しており、語源を辿るとラテン語litus(こちらも海辺の意)から来ているそうです。

リゾート地の固有名詞がプールを意味するようになったのは、別荘地でのラグジュアリーなプールとの関連からでしょう。

学校や市中の遊泳施設であるプールを指して"lido"とは言わないとは思いますが、これから夏本番、「プールに出かける」と言う時は、"go to the swimming pool"と言う代わりに"go to lido"と言ってみてはどうでしょうか(笑)?


2017年5月11日木曜日

maelstrom

トランプ米大統領が中東シリアにおけるクルド人勢力に武器を供与する決定をした、というニュースが国際面でトップになっています。

Time誌からの記事を引用します。


President Donald Trump’s decision this week to directly arm Syrian Kurdish militias in the battle against ISIS is expected to complicate his relationship with Turkey’s President Recep Tayyip Erdogan, a key ally who has been unusually friendly to the American leader since his election in November.
Jj
(中略)

As many as 1,000 U.S. troops are on the ground in eastern Syria fighting alongside pro-Kurdish forces, placing American forces at the center of a geopolitical maelstrom, with Turkey, Russia, the Syrian government, and Syrian rebels all involved in Syria’s increasingly regionalized conflict.
(Jared Malsin. U.S. Arming of Syrian Kurdish Militias Could Complicate Relations With Turkey. Time. May 10, 2017.)


このニュースの登場人物として、


トランプ大統領
クルド人
トルコのエルドアン大統領
シリア
ロシア
ISIS


と、まあ沢山の国や人が絡んでいるわけですが、トランプ大統領による武器供与の決定はこれらの関係者の関わり合いを一層複雑にしているということです。

ところで、後段に、


placing American forces at the center of a geopolitical maelstrom


とありますが、この"maelstrom"という単語に注目したいと思います。

ちょっと変わったスペルですが、辞書を引くと「大渦巻き」という日本語が載っています。ある意味、混乱状態、安定していない状況、という意味ですね。

この単語のスペルが変わっているのは、語源がオランダ語にあることによるようです。また、興味深いことには、"maelstrom"はノルウェーの北西岸の海峡に見られる危険な渦巻きを指す固有名詞だったということなのです。


2012年5月29日火曜日

ジャグジー ― Jacuzzi

アメリカの大金持ち会社経営者がニューヨークに隣接するHobokenに所有する不動産を売りに出したという、日本の小市民である私にとっては甚だどうでもよいようなニュースに何故かアクセスしてしまいました(笑)

Hobokenという地名がちょっと懐かしかったというのもありますが、その会社経営者のことを知っているでも無し、不動産に興味があった訳でもありません。


Former MF Global CEO Jon Corzine has finally unloaded roughly $3 million worth of assets — a two-bedroom penthouse apartment in Hoboken that went on sale in January and was sold to an unknown buyer earlier this month, according to a report.

(中略)


The apartment is located in Toll Brothers’ Maxwell Place complex and features floor-to-ceiling windows with views of the Hudson River and the Manhattan skyline as well as Viking kitchen appliances and a Jacuzzi in the master bathroom.
(Hilary Lewis. Jon Corzine sells Hoboken penthouse: report. The New York Post. May 27, 2012.)


後段、その建物の豪華さが説明されています。"Jacuzzi"という単語に注目です。お風呂は1つではなく、たくさんあるのでしょう、"in the master bathroom"の"Jacuzzi"ということですから、これはいわゆる”ジャグジー”のことだと分かりましたが、私としては初めて見る単語でした。

"Jacuzzi"をどう発音したら、”ジャグジー”になるのでしょう?

さらに、"Jacuzzi"は大文字で始まっていることに注意する必要があります。そうです、"Jacuzzi"は商標名(固有名詞)でした。

”ジャグジー”というものを知っているつもりでしたが、商標名だとは知りませんでした。多くの辞書で"Jacuzzi"のエントリが確認できます。ランダムハウス英和辞書では、


ジャクージ、泡風呂


とあります。”ジャグジー”ではなく、”ジャクージ”です。

色々調べてみると、"Jacuzzi"というのは、今日我が国でもよく知られている”ジャグジー”を開発した会社の名前が由来でした。さらにその会社名というのは、ヨーロッパからアメリカに来て最初に会社を興した、"Jacuzzi brothers"という一家の名前に由来しているということも分かりました。

当初は飛行機の開発などを行っていたということですが、その後ポンプシステムの開発などに方向転換し、”ジャグジー”が誕生するのは1960年代になってからのようです。Jacuzzi社の歴史についてはこちらのウェブサイトに詳しく書かれています。

しかし、なぜ"Jacuzzi"が”ジャグジー”ということになったのでしょうか?一説によると、蛇口(じゃぐち)という日本語との連想から訛ったということらしいですが、真偽の程は!?


2012年5月18日金曜日

ビートルズ ― Beatle

ビートルズファンの方には申し訳ない話ですが、ビートルズのバンド名である、"The Beatles"についてちゃんと考えたのは今日が初めてです。

"beatles"は、カブトムシを意味していると思っていましたが、カブトムシは"beetle(s)"であり、"beatle(s)"というスペルの単語は元々はなかったんですね。

"beatle(s)"という単語は、"The Beatles"という固有名詞を除いては、存在しないということになります。

どうしてこんなことを確認するに至ったかと言いますと、ビートルズのメンバーであったジョン・レノンを殺害した容疑者が別の刑務所に移送されたという記事に出くわしたからなのです。


BUFFALO — John Lennon's killer has been transferred to another maximum-security state prison in western New York after spending more than 30 years in Attica Correctional Facility.

The Buffalo News reports that 57-year-old Mark David Chapman was transferred Tuesday from Attica to the nearby Wende Correctional Facility in Alden, 20 miles east of Buffalo.

(中略)

Chapman fatally shot Lennon in December 1980 outside the Manhattan apartment building where the former Beatle lived. Chapman pleaded guilty to second-degree murder and was sentenced in 1981 to 20 years to life in prison.
(John Lennon's killer Mark David Chapman transferred to another NY prison. New York Post. May 16, 2012.)


この記事で、ジョン・レノンのことを、


the former Beatle


と表現しています。"Beatles"ではなく、"Beatle"であることに注目です。複数形ではなく、敢えて単数形で表記しているのです。

ビートルズのメンバーは4人でした。ランダムハウス英和辞書では"Beatles"のエントリがありますが、それが4名からなる英国のロックグループであるということを説明したうえで、


その一人は a Beatle


という補足をしています。これはある意味発見でした。American Heritageでも、Merriam Websterでもそのような補足説明はありませんでしたので。(5月14日の記事、"getting hoed into"に引き続き、ランダムハウスの情報量に今更ながら感心しています。)

元々は、"Silver Beetles"と名乗っていたのが、その後"The Beatles"になったようですが、"beet-"から"beat-"へのスペルの変遷には、カブトムシの"beetles"と、音楽のビートである"beat"の両方の意味をかけたもの、ということのようです。これもファンの方には常識かもしれませんが、知りませんでしたねぇ。


2012年5月17日木曜日

フリスク? ― frisk

卑近な話題から。”フリスク”というお菓子がありますが、会社での会議でうたた寝してしまわないよう眠気覚ましに使った経験のある方もいると思います。

”フリスク”は、"FRISK"とスペルされているかと思いますがこれが英単語の"frisk"なのかどうか知りませんが(調べても分かりませんでした)、今日はこの"frisk"という単語を取り上げます。


A lawsuit alleging racial bias in the New York Police Department's so-called stop-and-frisk tactics will proceed under class-action status, clearing the way for thousands of plaintiffs to be added to the legal challenge and potentially widening the scope of court-ordered changes if the lawsuit is successful.
(Judge Clears Stop-Frisk Class Action. The Wall Street Journal. May 16, 2012.)


"stop-and-frisk tactics"という表現の中で、"frisk"が出てきます。一体何のことでしょうか?

記事のタイトルと内容から、人種差別に関する話であることが分かります。ニューヨーク市警の人種差別的な "(stop-and-frisk) tactics" が集団訴訟を招いた、と読めます。

"frisk"をランダムハウス英和辞書で引くと、


(はしゃいで)飛び跳ねる、飛び回る;ふざける、じゃれる


という動詞の意味がまず出てきます。この意味では、"stop-and-frisk tactics"が解釈できません。続く説明を見ると、


(武器などの有無を調べるために衣服の上から触って)身体検査する、ボディーチェックする


という意味があることが分かり、なるほど警察の話としてはこの意味だと何となく理解できます。記事の続きを読むと、もう1か所、"frisk"が使われている個所に出くわします。


Her (=Judge Shira Scheindlin) ruling could dramatically expand a 2008 lawsuit filed by four individuals who claimed their constitutional rights were trampled by the city's effort to combat crime through stopping, questioning and sometimes frisking those suspected of street crimes.
(ibid.)


ここを読んで"frisk"が意味するところはやはり警察官が行うボディーチェックの意味であることはほぼ確信できるでしょう。さらに、"stop-and-frisk tactics"とは、恐らく警察官が通行人を止めて職務質問し、さらにボディーチェックを行うこと、そのことを指しているのだろうと思われます。そのやり方が人種差別的だったために、訴訟に至ったというところでしょうか。

冒頭の話題に戻ると、清涼菓子の”フリスク”につながるような意味ではありませんでした。"FRISK"の原産国はベルギー(現在はオランダ)ということですから、英単語ではないのかもしれません。いずれにしてもこの清涼菓子のブランド名の由来は分かりません。

ちなみに、"frisky"という形容詞がありますが、これは”よく跳ねまわる、よくじゃれる”という意味で、ランダムハウスでは、”Friskiesは米国Carnation社製のキャットフード”という説明があり、面白いというか興味深いというか・・・。(日本では”フリスキーズ”ではなく、”フリスキー”というブランド名なのですが・・・。)