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2026年9月29日火曜日

rogue

人智を超え、制御が効かなくなって暴走するAI — 。そのようなAI(人工知能)に付加される形容に、


rogue


があります。暴走する、手に追えない、(行動などが)予測不能な、凶暴な、などといった意味合いがあります。


Chipmaker Nvidia said Monday it is introducing a new software platform to address concerns about artificial intelligence agents that have “gone rogue” and operated outside human control.

“Today, with over 100 industry partners, we introduced the NVIDIA Open Agent Safety Platform,” Nvidia CEO Jensen Huang wrote in a post on X Monday.

Nvidia (NVDA) says its technology will enable companies to monitor every action undertaken by an AI agent, as well as enforce policies.
(Chris Isidore.Nvidia launches new tool to keep AI agents from going rogue. CNN. September 28, 2026.)


この"rogue"という単語はごろつき、悪漢、詐欺師などの意味もある名詞でもありますが、その語源はよく分かっていないようです。American Heritage Dictionaryでは"Origin unknown."(語源不詳)とあるのみです。

研究社新英和大辞典では、他人を頼る(to ask)という意味のラテン語動詞rogareと関連があり、「OxfordやCambridgeの苦学生を装った」不正直者、浮浪者というのが原義と推測される、との説明を載せています。このほか、よく参考にさせていただくOnline Etymology Dictionaryによれば、フランス語で高慢を意味するrogueやケルト語と関連があるとの説もあるそうですが、いずれの説も確証に欠けるようで、最終的には語源不詳に落ち着いているもののようです。

"rogue"という単語にはかほどにネガティヴな意味が強いのですが、茶目っ気や剽軽という意味合いもあります。また、群れからはぐれて単独行動を取る象のことを"rogue elephant"というそうです。性格が荒いために群れに馴染めない動物を指すともあります。

こうした意味合いから、AIに対する形容として使われる、制御不能な、という意味は最近になって生じたもののようです。


2026年8月7日金曜日

squander

対イランの戦争でアメリカはミサイルを使い過ぎてしまって在庫が枯渇しつつあるという記事を先日取り上げましたが、やはり現実としてミサイルは不足している状況にあるそうです。現状の在庫は通常の2割ほどに留まるとされ、イランによる弾道ミサイル攻撃に対応するには不足で、アジア地域での有事にも対応できない恐れがあると言われています。

アトランティック紙の記事からの引用です。


How the U.S. Squandered Its Strategic Advantage

The united states is running out of missiles. After five months of war with Iran, stockpiles of long-range weapons are so low, current and former U.S. defense officials told us, that they don’t believe the U.S. has enough to combat a threat in Asia. The remaining supplies, depending on the munition, are as low as 20 percent of what the Pentagon would like to have in hand. And stores of sophisticated interceptor missiles, such as Patriots and Terminal High Altitude Area Defense (THAAD) missiles, are too depleted to give or sell the weapons to Ukraine or effectively defend against Iran’s launch of ballistic missiles. Even when troops see Iranian missiles approaching, they are forced to decide in a matter of seconds whether to expend a limited number of interceptors or hope for the best, the defense officials told us.

Defense Secretary Pete Hegseth this week pleaded with Republicans on Capitol Hill for billions of dollars to replenish America’s dangerously depleted stockpiles of missiles and other crucial munitions. Hegseth’s appeal was nakedly partisan—he ignored Democratic lawmakers entirely—but also long overdue.
(How the U.S. Squandered Its Strategic Advantage. The Atlantic. August 6, 2026.)


記事のタイトルで使われている動詞"squander"は浪費するという意味ですが、辞書を引くと語源不詳となっています。いつも頼りにしている複数の辞書や語源関連のサイトをチェックしましたが、どれも一様に「語源不詳」、"Origin unknown."、なのです。

"squander"の定義、また同義語としては"waste"が挙げられます。類語辞典(シソーラス)で"squander"を引くと、"lavish"、"slather"、そして"spend money like water"などの類語と類似表現が並んで見えます。これらは、お金や資源(リソース)を惜しみなく費やすということですが、後先を考えずムダに浪費する、というニュアンスもあることを考えると、トランプ政権、アメリカ国防省の無策を暗に批判する意図が込められた単語のチョイスとも言えなくはないでしょう。


2026年6月12日金曜日

fugazi

米・オハイオで偽ブランド品の大規模な摘発があったというニュース記事からの引用です。

ロレックスの高級時計やコーチやグッチなどのブランド服飾品など、111件に及ぶ押収品は本物であれば30億円相当になるそうです。


US Customs and Border Protection (CBP) nabbed hundreds of knockoff watches, glasses and headwear in Ohio last week.

Gold and silver watches and hats bearing the distinctive-looking Coach and Gucci patterns were among the 111 items seized from parcels entering the US at the Port of Cincinnati.

(中略)

Most counterfeit goods are sold online, with over 90% of all seizures taking place in international mail environments. The rise in encrypted messaging apps like WhatsApp or Telegram have increased sales, allowing fugazi items to be shipped straight to people’s doors.
(Emily Goodin. Border agents seize dozens of counterfeit watches, sunglasses — potentially worth up to $20M. New York Post. June 11, 2026.)


偽ブランド品や模造品のことを指す単語に"knockoff"という単語があり以前取り上げました。引用記事でも使われていますが、また別の表現として、


fugazi


という単語が使われています。これは初めて見る単語です。手元にある英和辞書には載っていないようですが、Merriam-Webster Dictionary(オンライン版)には興味深い語源解説と共に載っています。

解説によれば、この単語はイタリア人の姓Fugazziから来ているという説があるそうです。Fugazziファミリーはいわゆるイタリア系アメリカ人で、ニューヨークでリムジンサービスの会社を興したそうですが、詐欺的な広告や商売で悪評が高かったということです。故に、"fugazi"は詐欺、偽物といったネガティブな意味で使われるようになったというものなのですが、語源的な根拠としてはやや不十分との補足があります。Fugazzi一家(子孫がまだ続いているとすれば)には甚だ不名誉な話でしょう。

また、別の説明には、ベトナム戦争時に米軍人間のスラングに由来するというものがあり、


fucked up, got ambushed, zipped in (a body bag)


の頭文字で"fugazi"という、これまたやや眉唾物のような話もあるそうです。


2026年4月28日火曜日

stunt

週末にワシントンD.C.のホテルで行われたホワイトハウス主催のディナーで銃撃が発生し、またしてもトランプ大統領の命が狙われたと報じられています。日曜日の午前、ラジオを聞き流していたところ、NHKニュースが速報で伝えていました。

トランプ氏暗殺の試みが明るみに出るのはこれが3度目か4度目などと報じられていますが、トランプ氏自身は影響力のある人間は標的にされるものだと、自らの影響力を誇示するようなコメントをしているようです。

ところで、日本のメディアでは決して報道されませんが、アメリカ国内では今回の銃撃はヤラセではないかとの見方が早々に浮上しているとか。支持率低迷を浮揚させるためにやったのではないかというのです。


At 8.34 p.m. on Saturday night, just seconds after the pop-pop-pop-pop-pop of shots that seemed to come from directly behind me, I pressed record on my iPhone. The video is shaky because I was down on the floor, pointing my phone up. But the crash of plates and glasses as people dived to the ground, and the repeated shouts of “get down” are unmistakeable.

Then I can hear my own voice. “It’s a stunt,” I say more than once to my colleague Nico Hines, who was on the floor beside me. “It’s a stunt.”

(中略)

The responses from the rest of America have been very similar to my initial reaction: This did not seem real.
(Hugh Dougherty. I Get Why People Call the White House Correspondents’ Dinner Shooting Staged. I Was There. The Daily Beast. April 27 2026.)


現場に居合わせたDaily Beast記者による記事を興味深く読みました。数発の銃撃の音に反応して床に伏せた瞬間、これは「スタント」に違いないと思ったということです。

「スタント」("stunt")は日本語でもカタカナで使いますが、映画などに出てくるスタントマンという言葉に馴染みがあるというところでしょうか。格闘シーンや銃撃シーンなど、派手な立ち回りをする役者がスタントマンですが、それらは演出であってリアルなものではありません。派手さを演出するために、スタントマンは常人には出来ないような技の訓練をしています。

"stunt"という単語の第一義は離れ業(技)、妙技というものですが、この意味から発展して、人目を引くための行動、という意味があります。"political stunt"は政治家が有権者の歓心を買うために大見栄を切ることを指す表現ですが、今回の「銃撃事件」も政権の何らかの思惑があって計画された"stunt"ではないかという見方が出ているということについては、いわゆり陰謀論の臭いがしますが、Daily Beastの記者も完全否定するには至っていないようです。

"stunt"という単語の語源はよく分かっていないようですが、離れ業の意味はアメリカの大学の体操競技で使われ始めたものだとの説が有力なようです。


2026年2月23日月曜日

squirm

祝日の月曜日をいかがお過ごしでしょうか。週末から気温が上がり今日はかなり暖かくなっています。風が強く、花粉も大量に飛散しているのが難点ですが。

さて、今日の1語は、


squirm


です。記事の引用をどうぞ。


Gavin Newsom squirmed as he was grilled Sunday over the rocketing cost of living crisis battering California.

The governor tried to brush off CNN anchor Dana Bash’s fiery questions, quickly pivoting to growth in the tech and agriculture sectors.

Speaking from Nashville ahead of the launch of his memoir “Young Man In A Hurry,” Newsom was pressed on families who had ditched the Golden State for Tennessee.
(Zain Khan. Gavin Newsom squirms as he’s grilled over soaring cost of CA living: ‘People are struggling… like your mom was’. New York Post. February 22, 2026.)


"squirm"を辞書で引くと、体をくねらせる、身悶えする、などという日本語が見えます。この体を「くねらせる」というのはミミズとか蛇、虫などが細長い体を捩ることです。人が体をくねらせるのは痛みとか不快や苛立ちでそうすることから、"squirm"とはそのような感情を反映した挙動という意味合いがあります。

Merriam-Webster Dictionaryの定義は、


to twist about like a worm


とあるだけで、不快感とか苛立ちといったことには一切触れていません。"fidget"の意味合いであるともありますが、こちらは落ち着かない、そわそわしている、という意味合いです。語源は不詳となっています。

一方、American Heritage Dictionaryも同じく語源不詳となっていますが、その定義は、


1. To twist about in a wriggling, snakelike motion; writhe.
2. To feel or exhibit signs of humiliation or embarrassment.


となっており、2番目の意味には負の感情からくるものであることが見てとれます。

いずれの辞書も語源不詳で一致しているところですが、一説によれば"squirm"という単語は、"worm"あるいは"swarm"という単語に関連付けられるとの見方もあるそうです。

そして興味深いのが研究社新英和大辞典の語源欄の解説で、"squid"(イカ!)と"worm"の混成語(つまりかばん語)かもしれないとの記載があります。それ以上の説明は無いので分からないのですが、(wormはまだ分かるとして)何故イカなのであろうかという気がします。

さて、引用した記事の内容はというと、カリフォルニア州知事のニューソム氏とCNNニュースのアンカーとの対談の内容に触れたものです。

物価高騰や住居問題などでカリフォルニア州ではとても生活出来ないという人々が州外に流出している現状を質されたニューソム氏が"squirm"した、というのがその内容です。

この対談の動画を視聴したのですが、インフレや"affordability"の問題、"housing crisis"などといった指摘を受けた知事は、カリフォルニア州の経済成長、特に人工知能分野や農業での成長を語り、世界でも有数の経済規模を誇る州になったと胸を張っています。元々感情をあまり外に出さないタイプのように思いますが、その際の知事の様子には身悶えるとか体をくねらせるというような様子は全く見られません。多少の不機嫌さみたいなところ、あるいは痛いところを突かれたみたいな部分はあったのかも知れませんが、ほとんど動揺する様子も無かったというのが正直な印象です。

では記事の"squirm"とは何を指しているのか?何と訳すのが適当か?という疑問に至ります。

上述したように"squirm"という単語の定義はいまいち明確でないという印象があるのですが、研究社新英和大辞典では、


ごまかして(罪などを)逃れる


という意味を載せています。

私見ですが、記事の"squirm"という表現が意図するところは、加州の住みにくさを指摘された知事が経済成長という別の次元の話を持ち出して言い逃れをした(話しをすり替えた)という見方なのだろうと解釈します。

ちょうど、掴もうとしたウナギが手からすり抜けていくみたいに。

2025年6月25日水曜日

jamboree

アマゾン創業者にして、大富豪と言われるジェフ・ベゾス氏とテレビ出演で有名らしい元ジャーナリスト女性の結婚式がイタリア・ベニスで予定されていたそうですが、地元民の猛反発にあっているとの記事を見かけました。

式にはイーロン・マスク氏や有名俳優などが招待されているそうですが、昨今のオーバーツーリズムの懸念に加え、租税回避で大儲けをしているベゾス氏への嫌悪感もあって、地元で大規模な抗議活動が起きているようです。


Campaigners in Venice have claimed victory after Jeff Bezos was reportedly forced to change the venue for his wedding celebrations in the city as his guests started arriving on Tuesday for the three-day jamboree.

The main reception for the wedding of Bezos and Lauren Sánchez, a former TV journalist, was due to be held in the Scuola Grande della Misericordia, a majestic 16th-century building in the city centre.

But according to the No Space for Bezos group, the couple relented after activists threatened to fill the canals with inflatable crocodiles to block their celebrity guests from entering.
(Angela Giuffrida. Jeff Bezos alters Venice wedding plans after threat of inflatable crocodiles. The Guardian. June 24, 2025.)


結婚式とは言うものの、式前後を挟んだ3日間に渡るお祭り騒ぎというのも反発を生んでいると思われます。

記事では、


jamboree


という単語が出てきます。ボーイスカウトの国際大会を指すらしいですが、お祭り騒ぎ、騒々しい会合を意味する表現でもあります。

American Heritage DictionaryやMerriam-Webster Dictionaryでは、"jamboree"の語源は不詳となっています。

一方、研究社新英和大辞典では、"corroboree"という、オーストラリア、アボリジニーの言葉と関連する可能性を示唆しています。"corroboree"(カラバリ)とは、オーストラリア原住民が部落の祝いなどのために、月明かりの夜またはたき火の明りで行なう歌と踊りのお祭り騒ぎ、とあります。オーストラリア英語では単にお祭り騒ぎを意味する表現にもなっているようです。

また、ランダムハウス英和辞典では、"jabber"と"shivaree"の混成と思われる、という解説があります。

"jabber"とは早口に捲し立てるような喋り方を指す表現です。(参考:jabberwocky)そして、"shivaree"とは、やかんや鍋を叩いての騒々しいお祝いのことらしく、フランス語"charivari"が訛ったものだということです。

語源不詳とする英語辞書と、それぞれ異なる語源解説(オーストラリア英語とフランス語)を掲載する英和辞書、興味深いところです。

フランス語"charivari"は「鍋釜たたき」と呼ばれた中世の風習だそうで、「不釣合いな新婚夫婦や非難すべき人物の家の前で鍋釜類をたたいて非難」を表したということです(ロワイヤル仏和中辞典)が、小生はこちらに一票です(笑)


2025年3月20日木曜日

moolah

街を歩いていて宝くじやロトの売り場を見かけると、宝くじに当たったらなぁ〜、と思うことしばしばです。しかし、実際に買ったことはありません。(苦笑)

ウン億円に当選したら・・・、と夢想するだけで、実際には買わないのですから、見果てぬ夢です。

宝くじの高額当選者は不幸になる、という話を聞いたことがあります。当たらない人間の僻みという人もいますが、今日見かけた記事はそんな人の実話が取り上げられています。


Sure, the ching-ching and the bling-bling are nice — but if you’re hoping mountains of moolah will make you happy, you may want to think twice.

It’s cautionary advice from Alyssa Mosley, who exclusively tells The Post that hitting jackpot came with a side of unexpected surprises.
(Asia Grace. I won the lottery — here’s how I learned that money won’t make you happy. New York Post. March 19, 2025.)


一生を遊んで暮らせる程の大金を手にして何故ハッピーになれないのか、詳しくは記事をお読み頂ければと思います。

取り上げたいのは、


moolah


という単語です。

"moolah"とは金(money)を指す俗語だと辞書にあります。(moolaというスペルもあります。)

どの辞書を見ても語源不詳という説明なのですが、なんとなく後ろ暗い響きのある単語のようにも感じられます。

俗語というのも頷けるところです。お金があり過ぎるのもきっと良くないのだと・・・。(持たない者の僻みです。)


2025年2月12日水曜日

shill

今日の1語は、"shill"です。

では、記事の引用をどうぞ。


McGovern (D-Mass.) had laced into Johnson (R-La.) over his suggestion that the Dems walked away from the negotiating table on efforts to avert a government shutdown.

(中略)

The Massachusetts Democrat had claimed that Dems haven’t ditched negotiations, and countered that the GOP isn’t “interested in hearing from us.”

“First of all, he’s full of s‑‑t. He’s a liar. And he’s a total shill for Donald Trump and Elon Musk,” McGovern said, the Hill reported.  
(Ryan King. Speaker Mike Johnson savages Dem Rep. Jim McGovern who called him a Trump ‘shill’ – in the most Southern way. New York Post. February 11, 2025.)


引用した記事の内容は、アメリカ議会で民主党、共和党の対立が起きているというものです。

互いを批判している訳ですが、後半部分では民主党議員が共和党のジョンソン議員を、


he’s a total shill for Donald Trump and Elon Musk


と罵ったとあります。

この"shill"という単語を知らなかったので辞書を引くと、


さくら、おとり、ちょうちん持ち
(ランダムハウス英和辞書)


とありました。

「ちょうちん持ち」とは面白い日本語です。久しぶりに広辞苑を引きました。暗い夜道を照らすため、ちょうちんを持って先導する人のことを指すのですが、それが転じて、「他人の手先に使われ、また頼まれもしないのに(!)他人のためにその長所などを吹聴する」(広辞苑第三版)人を蔑んで言う表現になりました。

つまり、民主党議員はジョンソン議員をトランプ大統領やマスク氏に使われるだけの手先だと罵った訳です。

"shill"の語源はよく分かっていないそうですが、"shillaber"という単語が約まったものらしいです。この"shillaber"は人の名前(苗字)でもあるそうですが、ちょうちん持ちのShillaberさんという人がかつていた、という訳でもないようです。

元々の意味はギャンブルなどで賭け金を出させ釣り上げるために、さも勝っているように見せかけてカモを集める囮役、「さくら」を指すものだったそうです。


2024年12月18日水曜日

snitch

今日の1語は"snitch"です。

密告者という意味があります。以下引用する記事のタイトルでは動詞として使われていますが、密告する、告げ口する、という意味で用いられています。


When the first grainy images of the UnitedHealthcare shooting suspect emerged, some viewers noticed a seemingly small detail: he looked like he was wearing a Peak Design Everyday V1 backpack. Now, on platforms like Threads and TikTok, a recurring accusation has circulated: Peak Design “traced” the bag owner using the backpack’s serial number. 

However, the company says that’s just not true, in a statement shared with The Verge Friday afternoon. “Peak Design has not provided customer information to the police and would only do so under the order of a subpoena,” the statement signed by CEO Peter Dering reads.
(Mia Sato. Peak Design denies snitching on Luigi Mangione. The Verge. December 14, 2024.)


記事の内容はというと、最近米国内を騒がせている、ヘルスケア企業CEOの射殺事件と逮捕された容疑者に関する話題です。

容疑者に対する同情論、あるいは英雄視するような論調が見られるという話を先日取り上げましたが、防犯カメラの映像で容疑者が持っていたバックパックがブランド品であったらしく、このバックパックのメーカーが購入者の情報を警察当局に流したのではないかという、あらぬ噂がSNSなどで拡がり、メーカーが否定する声明を出しているというものです。

"snitch"という表現ですが、「密告」という言葉がそうであるように、行為者に対する批判が滲む表現と言えます。「チクる」というのに近いかもしれません。

"snitch"の語源はよく分からないらしく、語源不詳ということになっています。

ところで、"snitch"という単語のスペルは、"snatch"とか"stitch"と似ていますね。

実際、"snitch"には、くすねる、盗む、という動詞の意味もあるのですが、こちらは"snatch"という動詞が影響しているそうです。

また、


snitches gets stitches


という言い回しがあるそうですが、これは密告者は痛い目に遭う(stichesは怪我を針で縫うという意)、という脅し文句だそうです。


2024年9月24日火曜日

gumption

先日、トランプ元大統領を暗殺する目的で、ゴルフ場にライフル銃を持って潜伏していた男が現場で逮捕されました。元大統領を狙った暗殺未遂事件としては2度目となるところ、メディアの取り上げ方はどこか低調なものがあります。

今日読んだ記事では暗殺未遂の容疑者が残していた手紙が取り上げられています。その内容というのが自ら暗殺の意図を明確に記したもので、重大な証拠となるものと思われます。


The man who authorities say sat with a rifle in the trees where Donald Trump was golfing earlier this month in West Palm Beach, Florida, previously wrote a letter stating “this was an assassination attempt on Donald Trump,” according to a new filing Monday by federal prosecutors.

(中略)

One letter, addressed to “The World” said: “This was an assassination attempt on Donald Trump but I failed you. I tried my best and gave it all the gumption I could muster. It is up to you now to finish the job; and I will offer $150,000 to whomever can complete the job.”

Trump “ended relations with Iran like a child and now the Middle East has unraveled,” the letter says.
(Holmes Lybrand. Man suspected of assassination attempt against Trump left a letter detailing his plans, prosecutors say. CNN. September 23, 2024.)


その手紙の中で使われている、


gumption


という見慣れない単語が引っかかりました。

殺人未遂容疑者の手紙に出てくる英単語を取り上げるのもどうかと思いましたが、


勇気、度胸、根性、積極性


という意味だそうです。

辞書にはスコットランド語に由来すると考えられるとの説明が見えますが、詳しいことは分からないらしく、語源不詳とあります。

Merriam-Webster Dictionaryによると、元々スコットランド語では「常識」というほどの意味だったようですが、勇気といった意味合いが生じたのはアメリカ英語に入ってからのようです。


2024年4月18日木曜日

noggin

アタマを使え!ということでしょうか。

加齢による認知機能の低下は、頭脳労働に従事する人に比べて、単純労働に従事する人でリスクが高いという研究成果が報告されました。


The more you use your noggin at work, the better your memory and brain function will be later in life, according to a study published on Wednesday in Neurology, the medical journal of the American Academy of Neurology. 

(中略)

Researchers measured people’s cognitive stimulation while doing more manual tasks such as controlling equipment or factory work and compared it to the cognitive stimulation of people working in jobs where they had to analyze information and interpret it for other people.

(中略)

The study found that people working jobs with the lowest demands had a 66% greater risk of mild cognitive impairment compared to those who worked jobs with higher cognitive demands. 
(Alexandra Klausner. Here’s the job that will help keep you sharp later in life: study. New York Post. April 17, 2024.)


身体機能は使わなければ衰えると言われますが、脳も同じということで、引用した記事の冒頭、


The more you use your noggin at work, the better your memory and brain function will be later in life


はまさにそのことを言っています。

ここで使われている、


noggin


は見慣れない単語ですが、人間のアタマ(頭)、「おつむ」を意味する口語表現であると辞書にあります。

語源不詳とされていますが、"noggin"というのはマグカップを指し、またカップの中身の液体をも意味するようになって、液量単位としての1/4パイントを指す語でもあります。

"noggin"というスペルから"nog"(eggnog)が想起されますが、アルコール飲料を指すイングランド方言の"nog"とも関連があるようです。

ですが、アタマ、「おつむ」という意味で使われるようになったのはアメリカ英語での話で、詳しい経緯は分かっていないようです。



2024年3月25日月曜日

stooge

今日の1語、"stooge"という単語ですが、その意味は、


手下、手先、操り人形


と辞書にあります。

ガンであることを公表した英王室のキャサリン妃に関しては様々な憶測が飛び交っていましたが、根拠の無い陰謀論の多くはロシアが関与しているという記事に出てきました。


VLADIMIR Putin's puppet officials are trolling Princess Kate over wild conspiracies about her circling online.

It comes amid fears the tyrant's stooges are fuelling hateful claims about the British Royals after bizarrely accusing the UK of meddling in Russia's sham election.
(Deranged Putin stooges troll Princess Kate over warped conspiracies & bizarrely accuse UK of meddling in sham election. The Sun. March 20, 2024.)


いくつかの辞書で"stooge"を引いてみましたところ、語源不詳、となっていますが、"student"という単語が変化したという説について触れられています。

つまり「生徒」ということですが、"stooge"には喜劇などにおけるボケ役、引き立て役、という意味もあり、主役に対して一段低い立場にある、という意味合いのようです。


2023年11月1日水曜日

curmudgeon

ロバート・デニーロさんは小生の好きな俳優のひとりですが、デニーロさんの付き人を10年以上に渡って勤めた女性から訴えられているというニュース記事に目が留まりました。

セクハラや暴言があったという訴えですが、デニーロさんは否認しているとのことです。


The curmudgeonly 80-year-old “Raging Bull” Oscar winner rambled and ranted while fending off accusations from longtime former right-hand woman Graham Chase Robinson, who has accused him of everything from unwanted physical contact to making lewd jokes about his Viagra prescription.

“This is all nonsense!” the legendary actor, dressed in a green polo shirt and jacket and wearing black glasses, dramatically bellowed.  

De Niro’s lawyer, Richard Schoenstein, had set the stage in his opening statements Monday, the first day of the actor’s civil trial face-off with Robinson, when he acknowledged, “This trial is going to be a little bit like a movie.’’
(Grumpy Robert De Niro testifies in sensational showdown with ex-assistant who claimed he’s boss from hell: ‘This is nonsense!’. New York Post. October 30, 2023.)


記事ではデニーロさんのことを"curmudgeonly"と形容する表現が出てくるのですが、元となる名詞形は"curmudgeon"で、意地の悪いじいさん(研究社新英和大辞典)という意味です。古くは
「けちんぼう」という意味であったともあります。

あまり見かけることのない単語で、またスペルも少々変わっています。研究社新英和大辞典の説明には、語源については「人名からか」という記載がありますがそれ以上の詳しい説明は無く、スコットランド語との関連も示唆しています。

Merriam-Websterでは、語源不詳(Origin unknown)となっていますが、ウェブサイトのコラムでこの単語を取り上げており、いくつかの俗説に触れています。

その内容ですが、ひとつには、"curmudgeon"はcornmudginという単語、"corn dealer"(とうもろこしの商い)が変化したものだとする説です。とうもろこしの商いをする人はけちんぼうと結び付くのか甚だ疑問ですし、また"curmudgeon"はcornmudginより前から存在していたとされることから俗説の域を出ないと結論されています。

2021年10月22日金曜日

quaff

今日もフィッツジェラルドの記事からの引用です。(今日で最後です。)


Like the novel’s narrator Nick Carraway, most readers are mesmerised by the giddying world of glamourous socialites quaffing champagne cocktails...
(Sean Smith. A man divided: F Scott Fitzgerald and the birth of Gatsby. The Independent. October 15, 2021.)


"quaff"という見慣れない単語が使われています。私は初めて見ました。

がぶ飲みする、という意味です。

語源ははっきりとしないようですが、辞書によっては擬音語と推測されるという補足があります。

日本語で、「鯨飲する」という表現がありますが、それに近いかもしれません。「牛飲」という日本語もあります。

酒を飲むという行為を表現するのに、"drink"は最も標準的な単語です。

"imbibe"、"sip"などの単語もお馴染みだと思いますが、果たして"quaff"はネイティヴにも通じるのでしょうか。



2021年9月30日木曜日

tizzy

この数週間、マスコミを賑わせている秋篠宮内親王の結婚にまつわる話題はいよいよ海外メディアでも取り上げられるようになりました。

結婚に伴い内親王が皇室離脱し、さらにアメリカに居住するということで、同じく結婚後にイギリス王室を離脱したハリー元王子とメーガン元妃の夫妻になぞらえられています。


TOKYO – At first glance, it’s a classic royal tale: A princess falls in love with a commoner, and decides to buck imperial traditions by giving up her royal title to marry her college sweetheart.

But for Japanese Princess Mako and her controversial fiance Kei Komuro, both 29, it’s gotten really complicated. Komuro has become such a vilified figure that even his new ponytail hairdo has become a symbol of his unfitness to be involved with the royal family.
(You’ve heard of Harry and Meghan. Now meet Mako and Kei, who have Japan in a tizzy. Seattle Times. September 29, 2021.)


記事のタイトルで、"tizzy"という見慣れない単語が使われています。

内親王の婚約相手の母親に持ち上がった金銭トラブルをきっかけに、話はたちまち祝賀ムードからゴシップ扱いとなり、日本中を騒がせていることについて触れたものですが、"tizzy"の定義を見てみましょう。


a highly excited and distracted state of mind
(Merriam-Webster Dictionary)

a state of frenzied excitement, esp. over some trivial matter
(Collins Dictionary)


ランダムハウス英和では、俗語表現とあり、興奮状態という訳が見えます。語源ははっきりしないようです。

個人的には、Collinsの定義にあるように、どうでもいいような話題に大騒ぎしている、という意味合いがここではぴったりのように思います。

内親王の結婚を巡る問題はもはや芸能人のゴシップネタと同レベルで報じられていますが、ネット上は避難囂々、匿名ゆえの読むに堪えない誹謗中傷も見受けられます。

明日、正式に結婚を発表と報じられていますが、果たして・・・。



2021年8月31日火曜日

pandemic pudge

パンデミックの収束はまだまだ見通せないですが、もうかれこれ1年半以上も顔を合わせていない職場の同僚と再会することを想像すると・・・!?

リモートワークや外出自粛期間中に強いられた生活習慣の変化は想像以上に影響を及ぼしていると考えられます。最も多いのは、太ってしまった、という悩みかも知れません。

アメリカでは、ロックダウン期間中に体重増加を経験したという人が4割にのぼるという統計があるようです。


As some workplaces across the country phase out work-from-home in favor of in-person attendance, wage earners are fretting about how their colleagues will perceive their fleshier physiques.

According to a March 2021 poll by the American Psychological Association, 42% of Americans gained more weight than intended during the lockdown period. The APA found that people in the US have typically put on 15 pounds since March 2020, when COVID-19 first took hold, amidst comfort eating, exercising less and consuming more alcohol.

Some, however, have taken control of the situation and lost the pandemic pudge.
(Jane Ridley. We had to lose weight before facing our colleagues at the office again. New York Post. August 30, 2021.)


引用した記事で目に留まったのが、


pandemic pudge


という表現なのですが、ここで"pudge"という見慣れない単語の意味です。

手元のランダムハウス英和では、


ずんぐりむっくりした人


とありましたが、スマホのOxford Dictionaryでは、


fat on a person's body


と出てきました。こちらの方が記事のコンテクストとしては合うようです。

なお、Merriam-Webster Dictionaryによれば語源不詳(origin unknown)だそうです。

パンデミック明けに備えてダイエット!?



2021年3月11日木曜日

slouchy

記事のタイトルを読んで、そしてその写真を見て笑ってしまいました。

Kmartには前科がありますので、さもありなんという気がしますし、意図的なものさえ感じます。

Slouchy Comfort Pantsという名称で売り出しているそうですが、"slouchy"とは、「だらしがない」、という意味合いです。

快適(Comfort)なのは、だらしがない(slouchy)からでしょう(!?)


A pair of pink track pants have caught shoppers’ attention for all the wrong reasons after the baggy crotch area was described as resembling female genitalia.

A photo of Kmart’s “Slouchy Comfort Pants” were shared to the Kmart Hacks & Decor Facebook page along with the caption: “Marketing fail.”

The loungewear item features a baggy crotch area for comfort, causing excess fabric to ruffle and fold in the area.

While the original poster didn’t explicitly explain why the design of the pants featured a faux pas, it didn’t take long for comments to pour in, many dubbing the garment as “vagina pants”.
(Rebekah Scanlan. Shoppers claim Kmart’s $9 Slouchy Comfort Pants ‘look like a vagina.’ News.com.au. March 9, 2021.)


形容詞の"slouchy"は、前かがみ、またうつむいた姿勢という意味の"slouch"(名詞、もしくは動詞)から来ていますが、"slouch"自体の語源は不詳となっています。

バブル期前後に流行ったイージーパンツ(というのか、部屋着のだらしないズボン)を思い出しました。


2020年11月30日月曜日

malarkey

Merriam-Webster Dictionaryが発表した、今年2020年のWord of the Yearは、

となりました。


NEW YORK — If you were to choose a word that rose above most in 2020, which word would it be?

Ding, ding, ding: Merriam-Webster on Monday announced “pandemic” as its 2020 word of the year.

“That probably isn't a big shock,” Peter Sokolowski, editor at large for Merriam-Webster, told The Associated Press.
(Merriam-Webster's Word of the Year comes as no surprise: 'pandemic.' Associated Press. November 30, 2020.)


新型コロナウィルス感染症の世界的流行を見た1年でした。特に驚きも無い、といったところでしょうか。

さて、Merriam-Websterの今年の単語について、その他のエントリを見ていますと、


malarkey


という単語が挙げられています。


Coronavirus was among runners up for word of the year as it jumped into the mainstream. Quarantine, asymptomatic, mamba, kraken, defund, antebellum, irregardless, icon, schadenfreude and malarkey were also runners up based on lookup spikes around specific events.
(ibid.)


この"malarkey"という単語ですが、アメリカ大統領選のディベートでバイデン候補が使ったことで検索数が急増したという背景があります。


Presidents can propel a word into the common vernacular—or at least the public eye. Ronald Reagan’s verbal tic of beginning responses with “Well…” and George W. Bush’s malapropism misunderestimated qualify, and President-elect Joe Biden’s use of marlarkey [sic] is on track to do the same.

Biden used malarkey several times during the vice-presidential debate with Paul Ryan in October 2012, sending many people to the dictionary to look the word up. He used it again during the 2016 Democratic National Convention, saying, of then-candidate Donald Trump:

He is trying to tell us he cares about the middle class. Give me a break. That is a bunch of malarkey.

The word’s biggest increase in lookups in 2020 was when Biden used it during the presidential debate on October 22nd, when it spiked 3,200% over last year.
(Merriam-Webster Dictionary Onlineより引用)


"malarkey"とは、


調子のいい話、場当たりの話、くだらぬ話[文]; ばかげたこと、たわ言
(ランダムハウス英和辞書)


という意味だそうです。

語源は不詳です。

"malarky"というスペルもあるそうですが、Merriam-Websterの解説にある"marlarkey"というスペルは??



2020年8月28日金曜日

skullduggery

今年の11月に予定されているアメリカ大統領選挙ですが、7月くらいまでの世論調査では、支持率で民主党のバイデン氏が現職のトランプ氏に差をつけているという報道がありました。

ところが、最近ではその差が詰まってきているとも報じられており、トランプ氏が徐々に追い上げているようです。

バイデン氏は高齢(77歳)であることに加え、認知症の初期症状の疑いもあるなどと言われています。トランプ陣営はバイデン氏が大統領になったとしても、任期の4年も持たないのではないかと、同氏の「ひ弱さ」を攻撃材料としているフシがあります。

民主党内でもバイデン氏とトランプ大統領の直接対決は避けたい、というのが本音なのでしょうか、民主党下院議長を務めるペロシ氏が、両者のディベートは不要であると公言したことがニュースになっています。


WASHINGTON — President Donald Trump has sunk so low that former Vice President Joe Biden should not even "legitimize" him by debating him in the presidential election, House Speaker Nancy Pelosi said Thursday.

Biden has already agreed to take part in three presidential debates before the November election, but Pelosi told reporters, "I don't think that there should be any debates."

She explained she did not think "the president of the United States has comported himself in a way that anybody should, and has any association with truth, evidence, data, and facts," and as a result, any debate with him would just be an "exercise in skullduggery" by Trump.

"I wouldn't legitimize a conversation with him, nor a debate in terms of the presidency of the United States," she said, though she acknowledged that the Biden campaign had a different view on the debates. Pelosi called Trumps's conduct during his 2016 debates with Democratic nominee Hillary Clinton "disgraceful."
(Nicholas Wu. 2020 Election: Pelosi says there shouldn't be any Trump-Biden debates. USA Today. August 27, 2020.)


ペロシ氏は、2016年の大統領選におけるヒラリー・クリントン氏とのディベートも引き合いに出しながら、トランプ氏の毒舌や攻撃的な性格を示唆し、トランプ大統領は堕落しきっており、もはや対等にディベートするような相手ではない、と主張したかったようです。

ペロシ氏の発言で、


skullduggery


という単語が出てきます。

初めて見る単語でしたし、また頭蓋骨を想起させる"skull~"のスペルからおどろおどろしい意味のように思われます。

多くの辞書で、skulduggeryのスペル("l"が2つではなく、1つ)となっていますが、辞書を引くと、いんちき、詐欺、ぺてん、ごまかし、不正、などと載っています。

"skull~"が頭蓋骨を想起させるのですが、語源的には関係なく、元々のスペルはsculdudderyというものだったようです。

スコットランド方言に由来し、猥褻の意味合いもあるそうですが、はっきりとした語源は分かっていません。

下院議長ともなるとボキャブラリーが豊富(!?)ですね。ランダムハウス英和辞書では「米話」とあるので、アメリカ人は普通に使う表現なのかも知れません。

大統領選挙のディベートが“skullduggery”になってしまう、という主張は、如何にトランプ氏の発言や振る舞いが俗悪かを印象付ける意図があるようです。


2020年2月7日金曜日

hitch

先日米議会で行われた大統領による一般教書演説(State of the Union Address)。

トランプ大統領は直前まで弾劾裁判の被告としても審理される立場でしたが、無罪判決は既に視野に入っていたらしく、当日の演説はサプライズの仕掛けも忘れず、文字通り独壇場だったようです。

そうした中、宿敵とも言われる民主党ペロシ議員との確執がクローズアップされる場面もあり、演説後のニュース記事で随分と話題になっています。

当日、演説のため議場入りしたトランプ氏は演台に登壇する際に、下院議長でもあるペロシ氏から握手を求められましたが、これを無視。

大統領の演説中、ペロシ氏の表情は曇る一方でしたが、演説終了後、何とペロシ氏が演説内容を印刷した紙を破り捨てるというパフォーマンスに出ました。

この行為に共和党議員からは批判が殺到、倫理面での責任をペロシ氏に問うべきという声も上がっているようです。

ところで、この件に関する多くの報道記事を読んだのですが、New York Post紙の記事は秀逸で、どうやらペロシ氏は演説終了後に手元のコピーを破り捨てる準備をしていたのではないかとも思われる「証拠」について記事にしています。


House Speaker Nancy Pelosi apparently made tiny tears in her copy of President Trump’s State of the Union address — so that her speech-ripping moment could go off without a hitch.

As Trump introduced cancer-stricken radio host Rush Limbaugh — who received the Medal of Freedom during the speech — Pelosi could be seen grabbing the pages off the table.

Video shows her making what seemed to be a tearing motion and then placing the pages back on the table.
Photos of the sheets of paper show them face down on the table with small slits on the side, near where Pelosi would eventually rip them into pieces.
(Tamar Lapin. Nancy Pelosi ‘pre-ripped’ pages of Trump’s SOTU speech, video shows. New York Post. February 5, 2020.)


その「証拠」というのが、下院議長席に座るペロシ氏の手元の映像で、演説終了後に破り捨てることを最初から考えていたのか、演説内容を印刷した紙の端に少しだけ裂いたような部分があるというものです。

何のために少しだけ裂いてあるのか、について、


so that her speech-ripping moment could go off without a hitch


という説明なんですが、ここで"hitch"という単語が出てきます。

"without a hitch"というフレーズでよく使われるようですが、ここで"hitch"というのは、(想定外の)障害とか困難、支障、躓き、といった意味です。

つまり、演説終了後のまさにその瞬間を狙って破り捨てるというパフォーマンスを考えていたわけですが、そのタイミングでうまく破ることができなかったら格好悪いので、あらかじめ少しだけ裂け目を入れておいた、という訳です。

戻りまして"hitch"という単語ですが、この"hitch"は「ヒッチハイク」という時の"hitch"に同じ単語なのですが、動詞の語義としては引っ掛ける、とかグイっと持ち上げる、といった意味で、今回使われている名詞の意味合いがどうしてヒッチハイクの"hitch"から出てくるのかは実のところよく分かっていないようです。

"hitch"にはこれ以外にもいくつ意味がありますが、語源不詳ともされています。