トランプ大統領が"diesel"の国外輸出を禁止する可能性について言及したと報じられています。
ニュース記事では単に"diesel"と書かれているのですが、これはディーゼルエンジン用の燃料、すなわち日本語でいう「軽油」のことを指しています。ディーゼルエンジンのことなのかと読み違えそうでしたが、英単語の"diesel"にはディーゼルエンジンの意味と、それを動かす燃料(fuel)という両方の意味が辞書でも確認できます。
The oil industry has warned a diesel export ban will backfire and exacerbate the global fuel crisis as President Donald Trump weighs restrictions.
Trump appeared to back an export ban earlier this week, as he faces mounting political pressure to tackle rising fuel prices ahead of the midterm elections in November.
“I’ve said let’s not send out the diesel. We make a lot of diesel,” Trump told reporters Tuesday on the sidelines of the annual United Nations General Assembly. “I’ve called for it within my people. I’ve been talking about it.”
(Spencer Kimball. Oil industry warns a diesel export ban will raise fuel prices as Trump weighs restrictions. CNBC. September 23, 2026.)
トランプ大統領の発言は2ヶ月後に行われる中間選挙を意識したもので、アメリカ国内のガソリン等燃料価格の高騰への対策を意図したもののようです。記事によればアメリカ国内の"diesel"燃料価格は1ガロン当たり3ドル以上高値で推移しており、農業関係者らの経営に悪影響を及ぼしているといいます。しかしながら、"diesel"を輸出禁止にしたところで、価格高騰に歯止めはかからないと経済の専門家は指摘しているようです。
さて、"diesel"は普通名詞になっていますが、このエンジン(内燃機関)を発明したドイツ人
Rudolph Diesel (1858-1913) の名前に由来します。
一般的なガソリンエンジンはエンジンのシリンダ内に噴射したガソリン燃料にスパークプラグで点火することで得られる爆発によりピストンを動かすというものですが、"diesel"エンジンは圧縮して高温になった空気に"diesel"燃料を噴射、これにより燃料が自然発火して爆発することでパワーを得る仕組みです。この発明は、それまでの蒸気機関のエネルギー損失と比較すると画期的なものであったとされます。
今回の話題、"diesel"燃料、すなわち「軽油」も化石燃料という点ではガソリンと同じです。(もちろん、ディーゼルエンジンにガソリンは使えず、その逆も同じですが。)故に、"diesel"燃料の禁輸は燃料価格高騰には効果が無いのだろうと思います。現にトランプ氏の発言を受けて軽油燃料は高騰しているそうです。