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2026年7月13日月曜日

いたちごっこ - cat-and-mouse

記事の引用からどうぞ。


It’s an endless game of cat-and-mouse.

NYPD cops on Sunday launched their latest raid on the illegal open-air marketplace of counterfeits that has long turned Canal Street into an unsightly nightmare — but skeptical brick-and-mortar businesses say it won’t change a thing.

“They’re going to go wherever they get their stuff and set it right back up in five minutes,” the manager of a neighborhood beauty salon told The Post.
(NYPD raids illegal NYC vendors again — but Canal Street businesses say it won’t change a thing. New York Post. July 12, 2026.)


ニューヨークはチャイナタウンの近く、盗品や偽ブランド品を売る露天商で賑わう界隈があるそうですが、警察当局が取締りに本腰を入れているとの内容です。しかしながら、売る方も生活がかかっていると見え、摘発が入れば逃げ、ほとぼりが冷めた頃にまた戻ってくる・・・。そういう事が繰り返されているというものです。

いわゆる、「いたちごっこ」の状況です。

英語では、


cat-and-mouse


と表現されています。引用記事の冒頭で使われていますが、この箇所をいたちごっこと訳すのが適当でしょう。

辞書で"cat-and-mouse"を引いてみると、以下のような定義が見えます。


1. Playfully or teasingly cruel, as in prolonging the pain or torment of another: the cat-and-mouse tactics of the interrogators.

2. Of or involving a suspenseful and sometimes alternating relation between hunter and hunted: "another cat-and-mouse thriller" (New York Times).
(American Heritage Dictionary)


behavior like that of a cat with a mouse: such as
a: the act of toying with or tormenting something before destroying it
b: a contrived action involving constant pursuit, near captures, and repeated escapes
(Merriam-Webster Dictionary)


いずれの辞書も、1番目の定義には猫がネズミをなぶりものにする習性に関連する意味合いを置いていますが、2番目の意味として、猫がネズミを追い、ネズミは逃げる、その繰り返し、という意味を挙げており、これが日本語の「いたちごっこ」に当たると考えられます。

このような猫とネズミの関係は日本と海外とで変わるものではないと思いますが、日本語の「いたちごっこ」は何故イタチなのでしょうか?

手元にある広辞苑を引いてみると、この表現は江戸時代の子供の遊びに由来するものだそうです。

「いたちごっこ、ねずみごっこ」と言いながら、手の甲をつねり、左右の手を重ねていくという遊びだとの説明があります。同じような動作を繰り返しながら、終わりが無い、ということから現在我々が言う「いたちごっこ」の意味になったそうです。

英語と日本語、ネズミは同じで、猫とイタチだけの違いですね。

ネズミもイタチも家屋に棲みついて天井裏などを荒らす害獣とされるようです。「いたちごっこ、ねずみごっこ」は害獣としてのイタチ、ネズミの被害が繰り返されて果てしないことを言ったものでしょうか。

一方で、英語の"cat-and-mouse"は追うもの(cat)と追われるもの(mouse)の対比です。

果てしのない繰り返しはむしろ、ネズミのしぶとさにあるかも知れません。

ネコにネズミが噛み付いた・・・、あべこべだ、ネコ叩き

ネズミだって生き物さ、ネコだって生き物さ・・・


2026年7月10日金曜日

embargo

NATOサミットが開催されていますが、米・トランプ大統領はスペインとの貿易をやめると発表しました。

スペインがイランとの戦争に協力的でなかったことや、防衛費増強に反対姿勢を示していることに対しての措置であるとされます。


The Trump administration is preparing a list of Spanish goods to potentially embargo, after President Donald Trump ordered officials to cut off trade with the European nation Thursday morning.

The Treasury Department will be working with the U.S. trade representative and Commerce Department to provide Trump “a menu of Spanish products that may be embargoed in the coming days,” a U.S.official said via email.
(US officials compiling 'menu' of Spanish goods, as Trump weighs embargo. Politico. July 8, 2026.)


さて、今日の1語、"embargo"です。

商業、貿易のコンテクストで使われる専門用語の"embargo"は商船の入港禁止とか、特定の商品に関する通商停止といった意味の単語です。

スペルからラテン語系の単語だと想像が付くと思いますが、"embargo"という単語は奇しくもスペイン語embargarから来ているものなんですね。

スペインから"embargo"という単語を輸入した英語国民のアメリカが、スペインに"embargo"を課す。皮肉というか、何というか・・・。


2026年7月9日木曜日

shore

ニューヨーク・マンハッタン。そに都心も都心、ミッドタウンに建つ高層ビルの柱が折れ曲がっているのが発見され、倒壊する危険性もあるとして騒動になっています。

問題の高層ビルは1970年代に建てられたもので、大手製薬会社の本社ビルだったそうですが、一般市民の居住するアパートにリノベーションする工事が進行中であったということです。その工事中、中層階の柱がくの字に折れ曲がっているのが発見され今回の騒動に。

この騒動で、周辺道路は一時封鎖され、近隣のビル居住者にも退避勧告が出される始末となりましたが、折れ曲がった柱に支えを施す緊急工事が行われ、当座の危機を凌いだとのことです。


MIDTOWN EAST, Manhattan (WABC) -- Evacuation and frozen zones have shrunk as efforts to stabilize an under-construction high-rise in Midtown Manhattan continued on Tuesday night.

The installation of temporary shoring has begun at a high-rise at 235 E. 42nd St. after a structural column buckled on the 21st floor, said Department of Buildings Commissioner Ahmed Tigani in a Tuesday evening update.
(Midtown Manhattan buildings evacuated after columns found buckling at high-rise construction site. ABC7 New York. July 8, 2026.)


さて、今日取り上げる1語ですが、


temporary shoring 


とある部分の"shore"という動詞です。柱で支える、つっかい棒で支持する、という意味ですが、"shore"という単語からは海岸、岸の意味が最初に思い浮かぶのではないでしょうか。

海岸の"shore"とつっかい棒の"shore"は辞書では別々の見出し語となっており、語源も別語源となっています。どちらもゲルマン語系ではあるのですが、海岸の"shore"は印欧祖語で切り取る(cut)ことを意味するsker-に遡るようです。陸と海を隔てる、すなわち「カットする」部分が海岸(shore )である、という訳です。

一方の、つっかい棒の"shore"は中期オランダ語の語源までしか辞書には見えません。支えるという意味のオランダ語がそのまま引き継がれてきたもののようです。

印欧祖語sker-(つまり、cutの意)は、切るという意味の動詞"shear"の語源でもあります。この動詞"shear"の過去形はご存じのように"shore"であり、少々ややこしいですね。



2026年7月8日水曜日

maillot jaune

最近、自転車にハマっています。ネットで自転車に関する色々な情報を検索しているせいか、今開催中のツールドフランスの関連記事が表示されたりするようになりました。

小生が乗り回すのはクロスバイクなので、自転車レースには特に興味は無かったところですが、今日は目に留まったガーディアン紙の記事を読んだところです。


Emergency measures were implemented by the Tour de France organisers to combat the crushing heatwave that has settled on the race this year as the riders tackled stage four, at the end of which the cancer survivor Torstein Træen had stolen the yellow jersey and built an eight-minute lead on the four-time champion Tadej Pogacar.

(中略)

“Most of all I am grateful to perform at the Tour,” Træen said after taking the maillot jaune. “It’s a pleasure to be here.”
(Jeremy Whittle. ‘Grateful’ Træen takes yellow jersey after Pedersen wins stage four amid 40C heat. The Guardian. July 7, 2026.)


ツールドフランスの競技は7月4日にスタートしたそうですが、全21ステージで争われるそうで、現在進行中、ということのようです。

記事で"maillot jaune"という単語が出てきます。見るからにフランス語ですが、英語では"yellow jersey"となります。"maillot"とはシャツとかジャージーを指すフランス語で、"jaune"は黄色です。

つまり黄色いジャージーなのですが、これは各ステージにおける最高タイムを叩き出した選手が着用することができる、言わば栄誉あるジャージーだそうです。

なぜ黄色なのでしょうか?調べてみると、ツールドフランスの競技が始まったのは1919年のことで、このレースを創設したスポーツ新聞社L’Autoのカラーに因むそうです。

黄色のジャージーの他、山岳区間における優秀選手に贈られる赤の水玉模様(maillot à pois rouge; polka dot)、平地でのスプリント選手を称える緑色(maillot vert)や、最も若い優秀選手に贈られる白色(maillot blanc)のものもあるそうです。(L'Etape Seriesのサイトによる。)

箱根駅伝の区間賞なんかに近い感じですね。また、大相撲の敢闘賞とか殊勲賞みたいでもあり、興味深いです。

2026年7月7日火曜日

OTT

テイラー・スイフトさんとその恋人のフットボール選手の結婚式が週末、ニューヨークのど真ん中にあるマジソンスクエアガーデンで行われました。

その真偽に始まり、式の段取りやら何やら、随分と報道が過熱していました。(先日の投稿はこちら。)

終わってみれば祭りの後、です。あまり興味は無いのですが、取り敢えず記事の引用です。


Some details are surfacing from inside Taylor Swift and Travis Kelce’s mammoth Madison Square Garden nuptials – and they’re less than glowing reviews.

The wedding, attended by everyone from Steven Spielberg to Emma ‘Baby Spice’ Bunton to former Modern Family actor Eric Stonestreet, was “a bit of a s*** show,” one source told TMZ.

(中略)

Another guest, also speaking anonymously, described the OTT wedding celebration to the Daily Mail as “tacky” and said guests faced long waits and queues for both food and drink.
(Nick Bond. Celeb chaos at Taylor Swift’s ‘tacky’ mega-wedding. News.com.au. July 7, 2026.)


各界の名士が招待された壮大なパーティーは着座ではなく、ビュッフェスタイルの食事だったそうで、ご馳走に与るのに列に並ばなくてはならず、総じて不評だったようです。どうでもいいのですが。

記事に、


 the OTT wedding celebration


と出てきます。OTTは、


Over The Top


の略語で、やり過ぎ(の)、大袈裟な、という意味合いで使われます。

物事には限度とかちょうど良い加減というものがあります。限度(top)を超えてもまだ飽き足らず更に多くを求める、というような意味合いでしょうか。

OTTと略語にして使うのはオーストラリア英語に多いようです。