最近30日間のアクセス数トップ3記事

2026年5月8日金曜日

diddley-squat

昨日の投稿でCNNの設立者Ted Turner氏の訃報の記事を取り上げましたが、邦紙でも今日の朝刊に載っていました。

それで今日も昨日と同じ記事からの引用なのですがお付き合いください。


Turner — who took over his father’s billboard company and expanded it into films and TV — admitted he knew “diddley-squat” about the news business. He brashly claimed he disliked the news altogether until he began to market CNN.
(Brian Stelter. ‘News will be the star’: Ted Turner’s extraordinary uphill battle to launch CNN. CNN. May 6, 2026.)


Turner氏ですが、CNNを立ち上げるにあたって、報道のビジネスのことはほとんど何も知らなかった、つまりズブの素人だったそうです。上記の引用に、


(Turner) admitted he knew “diddley-squat” about the news business…


というくだりがあります。この"diddley-squat"という表現ですが、変わった単語ですね。英和辞書には見当たらないのですが、American Heritage Dictionaryには、


A small or worthless amount


と載っています。ここでは、ほとんど〜ない、というような意味合いになろうかと思います。

この単語のスペルには幾つかバリエーションがあるようで、doodly-squat、diddly-squatというものや、ハイフンの有無、1語で綴るパターンと2語に分けるものと、様々なようです。

この単語の-squatという部分ですが、American Heritage Dictionaryの解説では強意の意味合いで付加されたものとあります。そして、"diddley-squat"(diddly-squat)は、"diddlyshit"が変化したものという説明があります。

実は、ほとんど〜ない、ちっとも〜ない、という意味合いの"squat"については10年以上前にも取り上げていました。当時の投稿で、"squat"は「う◯こ座り」のスクワットと関係があると書いたのですが、ここで"squat"と"shit"は繋がる訳です。

"diddle"や"doodle"については、だらだら時間を過ごすとか、時間を浪費するという意味がありますが、今日の1語の意味合い上の関連はよく分かりません。

2026年5月7日木曜日

up-and-comer

今日のトップニュースで、CNNの設立者Ted Turner氏の訃報が伝えられています。

報道、マスコミの世界でCNNを知らない人はいないと思いますが、1980年の設立当時、24時間365日ニュースを放映するサービスは存在しておらず、Turner氏の立案に同意する人はいなかったそうです。そもそもニーズ(需要)はあるのか、市場調査の結果は否定的で、銀行や投資家も懐疑的だったそうですが、成功する確信があったのでしょうか、あらゆる障害を乗り越えて1980年6月1日(午前5時!)、CNNがスタートしたそうです。

以下の引用は、CNN設立にあたって人材集めに苦労したというくだりです。


Recruiting journalists to the startup was one of the steepest challenges, Turner recalled in his memoir “Call Me Ted.” But the mogul’s maverick attitude appealed to some just as it scared off others.

“We didn’t often get people who were at the height of their careers,” he recalled, “but we did find some promising up-and-comers who were attracted by CNN and the chance to be on the ground floor of something new, ambitious, and exciting.”
(Brian Stelter. ‘News will be the star’: Ted Turner’s extraordinary uphill battle to launch CNN. CNN. May 6, 2026.)


事業の成功自体に疑問が投げかけられる状況ですから、人集めにも苦労するのは想像に難くありません。実績のある有能な人材の採用は難しかったようですが、設立趣意に賛同してくれる人材を集めたとあります。

"up-and-comers"というのは、将来が見込まれる有望な人材、という意味合いで使われる表現です。

American Heritage Dictionaryを引くと、up-and-comingという形容詞のエントリがあり、


Showing signs of advancement and ambitious development: an up-and-coming executive; an up-and-coming neighborhood.


と定義されています。

ここで思い出すのが、近く起きる(こと)、というような意味合いで使われる
"upcoming"という表現です。upもcomeも同じですが、"up-and-coming"の場合は、有望の意味になるのは興味深く思われます。

アメリカ英語では"comer"という表現自体に有望な人という意味があるようです。


2026年5月6日水曜日

shellack

トランプ大統領が支持率を大幅に下げています。4月半ばの調査によれば、不支持率は51パーセントにのぼり、支持率を逆転しています。関税措置による国内物価上昇やイラン情勢悪化によるアメリカ国内のガソリン価格高騰が不支持に繋がっているとされます。

11月に予定されている中間選挙まで6ヶ月を切り、共和党内には暗雲が垂れ込めているという話です。

ところでFox Newsの記事によれば、歴代大統領も2期目における中間選挙前の支持率低下に見舞われた歴史があると言います。


Trump stood at 42% approval and 51% disapproval in the latest Fox News national poll, which was conducted April 17–20.

(中略)

"It may come as cold comfort to the White House, but there’s a tendency for voters to be harsh toward all presidents," Republican pollster Daron Shaw, who helps conduct Fox News polls with Democrat Chris Anderson, noted.

(中略)

Trump's two most recent two-term predecessors were also well below water six months out from their second midterm elections.

Then-President Barack Obama stood at 43%-52% in early May 2014, and former President George W. Bush was deep into negative territory at 35%-59% at the same time in 2006.

Republicans were shellacked in the 2006 midterms and Democrats were pummeled in the 2014 midterms.
(Paul Steinhauser. Trump vs History: How president's poll numbers compare to Biden, Obama, Bush ahead of midterms. Fox News. May 4, 2026.)


ブッシュ、オバマ、いずれの大統領も中間選挙前には支持率低迷に見舞われた、ということです。

ブッシュ政権(共和党)は2006年、オバマ政権(民主党)は2014年の中間選挙でいずれも大敗を喫した、ということなのです。記事のくだりで、


Republicans were shellacked in the 2006 midterms and Democrats…


とありますが、"shellack"というのが今日の1語です。

初めて見るように思うのですが、単語のスペルからshell-、また-lackというように見えます。

"shellack"は英和辞書ではセラックという訳語になっていますが、セラックワニスと呼ばれるニスや塗料、絶縁体の材料を指すものだそうです。"shellac"というスペルもあり(むしろこちらが元々のスペルと思われ)、lacとはラックカイガラムシ(lac insect)が分泌する樹脂状の物質を原料とするワニス、染料を言います。"shellack"はこれを加工して薄い板にしたものだそうで、shell-についてはその形状を指しているもののようです。フランス語のlaque en écaillesを英語にしたものとの解説が語源欄に見えます。

さて、上記の引用記事ではその"shellack"が動詞として使われているわけですが、その意味は(後続の)"pummeled"と同義であろうことは想像がつきます。英和辞書にも、


徹底的に打ち破る、殴打する


といった意味が載っています。

塗料のニスを指す単語がこのような意味になるのは随分と飛躍しているように思われます。Online Etymology Dictionaryの解説によれば、ニスが仕上げ(finish)の目的で使われることと関連したものとあります。

"shellack"にはまた、酔っ払った(drunk)の意味もあるようです。この意味合いはセラックワニスが赤みを帯びていることから生じたものだそうです。(Oxford Dictionary of Euphemisms)


2026年5月5日火曜日

chaebol

先日ですが、担税力という日本語があることを知りました。読んで字の如く、税を負担することのできる能力という意味です。納税は国民の義務ですが、所得に対しては所得税を、購買や消費活動では消費税を、居住する自治体には住民税を、というように応分の税金を支払っています。

小生はしがないサラリーマンですが、所得税にしろ住民税にしろ、毎月の給与から引かれるものですから、実質的な負担として捉える感覚が麻痺しているかも知れません。消費税に関しては言うに及ばず。

ところが、先日、有価証券類の取得にかかる確定申告というものを初めて行いました。それで、普段であれば源泉徴収により既に納めている所得税に加えて追加の所得税を納めることになったのです。有価証券は売却すれば所得ですが、取得時に申告をして税金を納めなければならないというのは、実質的な収入(所得)が無いのに「出費」となり、懐に痛いという感を免れませんでした。「担税力」という言葉が沁みました。

以下に引用するニュース記事を読んでやはりこの担税力という言葉を思い出すのですが、概念的には同じ担税力とはいえ、桁違いのレベルの話です。


The family behind the South Korean corporate giant Samsung has completed its payment of a 12 trillion won (£6bn; $8bn) inheritance tax bill, the largest such settlement in the country's history.

Chairman Lee Jae-yong and other members of the family, including his mother Hong Ra-hee and sisters Lee Boo-jin and Lee Seo-hyun, paid the sum in six installments over the last five years.

The bill is tied to the estate left by the firm's late chairman Lee Kun-hee, who died in October 2020.

Samsung is South Korea's biggest chaebol, or family-owned business, with operations spanning electronics, heavy industry, construction and financial services.

Lee Kun-hee left a 26 trillion won fortune, including shares, property and art collections.
(Osmond Chia. Samsung family pays off record $8bn inheritance tax bill. BBC News. May4, 2026.)


サムスン電子創業家による相続税の納税額が何と12兆ウォン(約1兆3000億円)。これは前会長が遺した26兆ウォンの遺産を相続するにあたり納めた税金で、6回に分割して支払ったとのことです。

さて、今日の1語ですが、


chaebol


という見慣れない単語です。("or family-owned business"と続きますので意味は分かるところですが。)

この"chaebol"は韓国語で、日本語の「財閥」を韓国語読みしたものだそうです。(「財」がchae、「閥」がbolに相当。)


2026年5月4日月曜日

fold

過日も当ブログで取り上げたところですが、経営再建中だったスピリット航空が遂に倒産しました。イラン情勢による原油の高騰が同社の財政悪化に追い打ちをかけ、米政府が支援策を検討中とのことでしたがまとまらなかったようです。


Spirit Airlines has almost finished refunding customers for flights abruptly canceled over the weekend as the company folded.

The budget airline left thousands of customers and staff stranded after deciding on Saturday to pull the plug on a business that was struggling for years, before a surge in the price of jet fuel blew a new hole in its budget.

Spirit had scheduled about 4,000 flights through 15 May, according to Reuters.
(Roque Planas. Spirit Airlines says it has nearly finished refunding customers after shuttering. The Guardian. May 2, 2026.)


引用記事に、


the company folded


とあります。"fold"は折り畳むという意味の動詞ですが、自動詞の意味に、


(事業などが)つぶれる、生産を打ち切る、倒産する
(研究社新英和大辞典)


という意味があります。この用法はインフォーマルであるとAmerican Heritage Dictionaryにはあります。(なお、American Heritage Dictionaryでは他動詞の意味で載っています。)

日本語で「商売を畳む」という表現がありますから、動詞の"fold"に共通するものがあります。

"fold"には疲労や病気などで崩れ落ちるという意味もあります。直立していられず、くの字に折れ曲がる様子から生じた意味合いです。

Oxford Dictionary of Euphemismsの解説によれば、アメリカ英語では、死ぬ(to die)と同義ともあります。