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2026年3月17日火曜日

perjury

今月始めに国土安全保障省の長官から更迭されたKristi Noem氏に偽証罪の嫌疑がかけられています。

移民政策の一環で製作されたキャンペーン動画に200万ドルという巨費が注ぎ込まれたという件で追及を受けていたNoem氏は、費用についてトランプ大統領も了承の上だったと釈明しましたが、トランプ氏は聞いていないとコメント。Noem氏の釈明は議会での偽証に相当すると民主党が難じているものです。


The top Democrats on the House and Senate Judiciary committees are calling on Attorney General Pam Bondi to investigate whether departing Homeland Security Secretary Kristi Noem lied under oath before Congress.

(中略)

"A number of her statements appear to violate criminal statutes prohibiting perjury and knowingly making false statements to Congress," the lawmakers wrote, focusing on her remarks that the department hadn't violated court orders related to its immigration enforcement.
(Justin Pupp. Durbin and Raskin call for perjury investigation into DHS' Kristi Noem. CNBC. March 16, 2026.)


偽証(罪)は英語で"perjury"といいます。この単語のスペル中に"jury"(陪審)という語を見ることができます。"jury"という単語は、誓約する、誓うという意味のラテン語iurareから来ています。

では、接頭辞にあたるper-は?

これまでも漠然と疑問に思っていました。よく知られる接頭辞per-の意味合いは、〜を通して、とか貫通して、というものですが、ここでの接頭辞per-には、除去、破壊、〜を害する(harmful)、という意味があります。

つまり、ウソはつきません、という宣誓を毀損する行為が偽証、ということになります。

接頭辞per-のちょっと変わった意味合いですが、実のところ、perish(朽ちる)、perfidy(裏切る)といった単語にも見られるものです。

2026年3月16日月曜日

give no quarter ー quarter

ヘグセス国防長官の対イラン軍事攻撃についてのコメントが物議を醸しています。

問題の発言は、イランへの攻撃継続に関して、


no quarter, no mercy for our enemy


と述べたとされるくだりです。

今日の1語はこの"quarter"を取り上げます。


A top Democratic lawmaker with a military background has reacted strongly to US defense secretary Pete Hegseth’s call for “no quarter” for US enemies during a Friday press briefing at the Pentagon, calling such an order – if followed by troops – a potential violation of international law.

(中略)

According to a transcript of the briefing, Hegseth said: “We will keep pressing, keep pushing, keep advancing – no quarter, no mercy for our enemy.”

Critics of Hegseth say the phrase “no quarter” is more than a belligerent figure of speech, implying that enemy combatants will not be taken prisoner but instead executed. Under the Hague Convention of 1899, that is considered a war crime.
(Edward Helmore. Democratic lawmaker condemns Hegseth’s call for ‘no quarter’ for US enemies. The Guardian. March 14, 2026.)


"quarter"とは4分の1の意味であることはどなたもご存知と思います。よって数量として4分の1のもの、25セント硬貨とか四半期、15分間を指す意味がまず思い浮かぶと思います。

問題発言は"no quarter"という部分ですが、続く"no mercy…"から想像されるかもしれませんが、ここでは慈悲とか情け容赦、という意味合いで使われているものです。

"quarter"にそのような意味があるとは知りませんでした。英和辞書を引いてみると確かにそのよいな意味が載っており、助命、命乞いという訳語も見えます。

Merriam-Webster Dictionaryでは、


specifically : the clemency of not killing a defeated enemy


と説明しており、負かした敵を直ちには殺さないことであるとしています。従って、ヘグセス長官の"(give) no quarter"とは、敵のイラン兵は容赦無く殺す、と言っているのに等しいということなのです。

この過激発言には米国内、民主党からも国際法に違反するものであるとの批判が出ているというものです。

4分の1を意味する"quarter"が慈悲や命乞い、助命の意味になるというのはややかけ離れた印象を持ちますね。

語源の説明は辞書に見当たらないのですが、一説によると"quarter"が居所、住居、区域という意味を持つことと関係があるそうで、これは捕えられた兵士が最終的な審判を受ける前に捕虜として特定の場所に置かれることに因むという話です。

"(give) no quarter"とはそうした猶予すら与えず、その場で殺してしまうということなのです。


2026年3月13日金曜日

gander

今日の1語は、"gander"です。"gander"とはガチョウの雄を指す名詞ですが、


take a gander (at)


というフレーズで使われることがあり、その場合の意味は、見る、一瞥する、となります。


I’ve been trail running for a long time. It started because that’s really the only way to train for most ultras. What I didn’t anticipate was just how much cleaning would be involved. When I first took a gander at my gams and trail running shoes postrun, I was shocked. I was also filthy.
(Barry Knoblach. Stop Overthinking How to Clean Your Trail Running Shoes. Runner’s World. March 12, 2026.)


ガチョウを指す"gander"が「見る、一瞥する」という意味のフレーズになるのは、ガチョウが対象に首を回して視線を向けている様から連想されたものであると英和辞書にも説明があります。

"gander"にはまた、間抜けの意味もあるといいます。

日本語で「雁首を揃えて」は、多くの人が同じ場所に会していることを指す表現ですが、往々にして集う人達が凡人、無能であることを仄めかす表現であり、英語の"gander"との共通点は興味深いものがあります。


2026年3月12日木曜日

fear premium

米国がイランへの軍事攻撃に踏み切ったことで中東情勢が不安定なことになっていますが、ホルムズ海峡が事実上の封鎖となり、原油価格への影響が早くも出始めています。

日本では高市首相が非常備蓄を放出しガソリン価格の激変を緩和する措置を取ると表明しました。

米国内においても店頭のガソリン価格が上昇し始めているとのことですが、米政府は「一時的なもの」とコメントし、国民、消費者の不安を払拭しようとしているようです。

以下引用する記事では、米エネルギー省長官のコメントが取り上げられていますが、現時点で見られるガソリン価格の上昇を、


fear premium


を反映したものだと言っているものです。


US Energy Secretary Chris Wright sought to counter market warnings about an extended Middle East war, saying global energy supplies are sufficient and the surge in oil prices reflects a “fear premium” that won’t last.

Wright joined President Donald Trump in arguing that the US-Israeli war with Iran will only temporarily disrupt of markets and ship traffic, saying the timeline “in the worst case” is a matter of weeks, rather than months.

“The oil is there,” Wright said Sunday on CNN’s . “You’re seeing a little bit of fear premium in the marketplace. But the world is not short of oil today or natural gas.”

(中略)

“What you are seeing is emotional reactions and fear that this is a long-term war,” Wright said on CBS’s. “This is not a long-term war. This is a temporary movement.”
(Tony Czuczka. US Energy Chief Says ‘Fear Premium’ in Oil Markets Will Ebb. Bloomberg. March 9, 2026.)


"fear premium"とは変わった表現ではないでしょうか?

そもそも「プレミアム」なるカタカナ語は分かり難く、また消費者を欺く表現ではないかとすら小生は思っているのですが(以前取り上げた、freemiumをご覧ください)、英語の"premium"も辞書を引くと実に様々な意味合いで用いられることが分かります。

今日取り上げるのは"fear premium"ですが、モノやサービスの価格、値段のことをいう「プレミアム」と恐怖(心)を指す"fear"の取り合わせは奇異に感じられました。

"premium"の意味を改めて辞書で確認すると(Merriam-Webster Dictionary)、


a high value or a value in excess of that normally or usually expected


とあるのは、やはり通常、一般的に考えられるよりも高い、という概念であり、また形容詞の意味として、


of exceptional quality or amount


とあるのは、(価格に限らず)程度などが例外的である、という意味合いの形容表現(形容詞)だと解釈できます。

そうしますと、"fear premium"とは原油供給不安や価格上昇に対する消費者の恐怖心というものが過剰である、ということを言わんとしているものかと思われました。この解釈だと"premium"は"fear"の後に置かれた形容詞ということになりそうです。

ところが、以下の用例を読みますと、


Concerns about war with Iran, fanned by elections in both countries, have taken prices up from $75 in the fall. This is why I have been smashing every $6 rally in oil, advising readers to go short. My oil industry friends tell me this fear premium has added $30-$40 to the price of crude.
(2012)


"premium"とは通常の価格に上乗せされる追加料金という意味合いの名詞であると考えられます。つまり、"fear premium"とは供給不安がもたらす価格上昇(通常であれば無いはずの追加料金)ということになるかと思います。

ブルームバーグ紙(日本語版)では「恐怖プレミアム」となっています。何と訳すのが適当かという疑問はありますが、どう解釈すべきかという点の方がややこしいようにも思われました。

2026年3月11日水曜日

lightweight

イランの最高指導者に選出されたモジタバ師について、トランプ米大統領はかねてより指導者に値しない人物として後継指名には否定的な考えを示していました。

報道によるとモジタバ師について、


lightweight


だと侮ったそうです。


BEFORE he suffered an inglorious death in US-Israeli strikes, Ayatollah Ali Khamenei ensured his most important wish was in his will.

He asked that his impotent son, Mojtaba Khamenei, not be named as his successor.

Mojtaba was slammed as a “lightweight” by US President Donald Trump ahead of his selection as Iran’s new Supreme Leader.
(Claudia Lee. Why not even slain Ayatollah wanted his impotent son to become Iran’s Supreme Leader after Trump dubs thug ‘lightweight’. The Sun. March 10, 2026.)


"lightweight"の意味ですが、つまらない人物、(能力や影響力の面で劣る)愚鈍な人物という意味があるそうです。


A person of little ability, intelligence, influence, or importance.
(American Heritage Dictionary)


"lightweight"がボクシングの階級であるライト級から来ていることは明らかです。文字通り「軽量」ということですが、軽いものは低く見られ貶されるというのは分からないでもありませんが、"lightweight"が軽蔑的な意味合いで使われるとは知りませんでした。

ランダムハウス英語辞書によるとライト級はフェザー級とバンタム級の間の選手だとあり、体重にして56.7〜61 kgだということです。

ではライト級より軽いフェザー級(featherweight)はどうなんだ?と思って辞書を引いてみると、やはり重要ではない人物を指す表現として使われるようで、American Heritage Dictionaryに下記のようにあります。


An insignificant person: a political featherweight.


でも、最も軽いフライ級(flyweight)にはそういう意味合いは無いようなんですが。

ところで冒頭引用しました英大衆紙「サン」の記事によりますと、今回の軍事作戦により殺害されたハメネイ師は元々次男のモジタバ師を後継として推薦していなかったとあります。

興味深い話しですが、モジタバ師は"impotent son"とあります。"impotent"は"lightweight"との評価と通ずるのかと思い読み進めますと以下のくだりがあり・・・。


US intelligence suggests Mojtaba married late in life in 2004 – reportedly due to the “impotency problem treated and eventually resolved during three extended visits to the UK”.
(ibid.)


モジタバ師は最終的に妻との間に子をもうけることが叶ったそうですが、その妻も子も今回の軍事攻撃で失ってしまったそうです。