米ホワイトハウスの新しい報道官に就任したKatie Zacharia氏ですが、就任早々、経歴詐称疑惑に揺れています。
就任にあたり、Zacharia氏は自身を"lawyer"と称したのですが、大学で法律を専攻し卒業したことは事実であるものの、司法試験には合格していないのではないかとワシントンポスト紙が最初に報じたことがきっかけで各メディアも一斉にこの話題を取り上げました。
同氏は大学卒業後、中国に渡り、国際法関連の業務に就いていたと言っているようですが、中国では外国人は弁護士資格を得られないことから疑惑は深まるばかり。
今日読んだ記事によると、米国各州の弁護士資格者に同氏の名前は確認できず、またカリフォルニア州の司法試験には不合格であったとされています。
Amid questions about her legal credentials, White House press secretary Katie Zacharia said in an interview Thursday that she took the bar exam, though she didn't explicitly say she passed it.
Zacharia did not pass the bar exam in the United States, two people with direct knowledge of the matter told ABC News.
Zacharia, who held her first White House press briefing earlier this week, has described herself as a lawyer and President Donald Trump called her "an attorney" in a social media post last week announcing her role in his administration.
(White House press secretary Katie Zacharia did not pass bar exam: Sources. Yahoo! News. October 16, 2026.)
さて、上記の引用にありますように、事実としては、
- Zacharia氏は自身を"lawyer"であると称した、
- また、Zacharia氏の就任にあたって、トランプ大統領は同氏は"attorney"であると紹介した、
という2点です。
"lawyer"と"attorney"という二つの用語が出てきます。この二つの定義を辞書で確認してみるのですが、いわゆる弁護士のことを指していると思われ、大きな違いが無いように思われました。特に、Merriam-Webster Dictionaryにおいて"attorney"は「イコール"lawyer"」という扱いです。"attorney"には代理人の意味合いがありますが、"lawyer"も"attorney"も他人の代理となったり法廷で弁護を務める、資格を持った法律専門家ということなのです。
同じくYahoo! Newsの記事では以下のようなくだりがあります。
Legal experts told the Times that it's debatable whether a law school graduate can describe herself as a "lawyer" before she passes the bar. But she cannot call herself an "attorney" — someone who is licensed to practice law and give legal advice — nor can she serve as a "general counsel" or as an "associate" at a Chinese law firm, they added.
Zacharia told Real America's Voice that she was "very careful about how I executed this and I never came across as somebody who was an attorney-at-law."
(Trump called Katie Zacharia an 'attorney,' but she didn't pass the bar exam. Who is the new White House press secretary? Yahoo! News. October 16, 2026.)
この箇所は、"lawyer"と"attorney"の微妙な差異に関する手掛かりを与えてくれます。大学で法学を修めたというだけの人間が"lawyer"と自称することがあるものの、それが正しいかは議論の余地がある、という点です。そして、(法学を修めたからといって)"attorney"と称することは出来ない、"attorney"とは弁護士資格を持つ人間を指す、という点です。
ここで、"attorney-at-law"というまた異なるタイトルが出てきます。上述しましたように、"attorney"とはいわゆる代理人のことを指す言葉でもあるのですが、この代理人というのは特に弁護士資格や法律専門家でなくともなることができる"attorney-in-fact"というものと、弁護士資格を持った者だけが認められる"attorney-at-law"があるそうです。Zacharia氏はその辺は心得ていたらしく、自身を"attorney-at-law"と称したことは一度も無いと言っています。
これを踏まえると、(小生の想像ですが)Zacharia氏は自身が弁護士資格を持っていないことは自覚しており、単に法学を修めたということを以って"lawyer"と自称した、ということかと思います。
ちなみにイギリス英語では"lawyer"という言葉を使わず、弁護士のことは"barrister"というようです。アメリカでは弁護士資格を持つ"barrister"を"lawyer"というので、"lawyer"という時、必然的に弁護士資格を持っている人を指すということになりますが、上記引用記事にあるように、資格を持たず単に法学を修めた人も含む広い概念で使われている実態もあると言えましょう。
ホワイトハウスでの波乱のデビューとなったZacharia氏ですが、ネットでは同氏がいつ辞任表明するか、賭けの対象になっているそうです。