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2022年1月21日金曜日

thick vs. thin

マサチューセッツ工科大(MIT)の研究者らが、乳幼児が近親者を認識するのには唾液が大きな役割を果たしているという、非常に興味深い研究成果を報告しています。


MIT neuroscientists have now identified a specific signal that young children and even babies use to determine whether two people have a strong relationship and a mutual obligation to help each other: whether those two people kiss, share food, or have other interactions that involve sharing saliva.

In a new study, the researchers showed that babies expect people who share saliva to come to one another’s aid when one person is in distress, much more so than when people share toys or interact in other ways that do not involve saliva exchange. The findings suggest that babies can use these cues to try to figure out who around them is most likely to offer help, the researchers say.
(Anne Trafton. Babies can tell who has close relationships based on one clue: saliva. MIT News. January 20, 2022.)


社会性や人間関係などの点で未熟であるはずの乳幼児が家族などの近親者とそうでない人を区別できるのは、近親者との触れ合いの中で共有する唾液(saliva)があるからだ、というものです。

なるほど、言われてみれば、家族という間柄においては、キスやハグをしたりするのは自然な行為ですし、食事や飲み物をシェアしたりということはありますから、意識することはありませんが、唾液を共有しているという事になるのかも知れません。(新型コロナウィルス感染症拡大防止のためにこれらの行為を控えることが声高に叫ばれる中ではありますが・・・。)

MITにおける実験では、乳幼児に対し、2人の人物と操り人形が登場する映像を見せ、2人のうちどちらを近親者と認識するか、という試行を行ったということです。うち、1人は人形と食べ物をシェアしますが、もう1人はおもちゃで人形と遊ぶだけです。

人形が泣き始めた時、乳幼児が目で追うのは食べ物をシェアした方の1人でした。表面的な関係(おもちゃ)と、より親密な関係(食べ物のシェア)を区別している、とされます。

ところで、記事に以下のようなくだりがあります。


In human societies, people typically distinguish between “thick” and “thin” relationships. Thick relationships, usually found between family members, feature strong levels of attachment, obligation, and mutual responsiveness. Anthropologists have also observed that people in thick relationships are more willing to share bodily fluids such as saliva.
(ibid.)


人間関係の親密さを表現する形容詞に、“thick”と“thin”が使われています。

“thick”は通常、厚さや濃さを表現するのに使われますが、今回のように人間関係について、親密である、とか、深い仲を表すのに用いられます。小説を読んでいて見かけたことがあります。

“thin”についてはどうでしょう?

こちらは、辞書には人間関係に関しての意味合いは見当たりませんが、“thick”の対義語となると、“thin”になるのは必定でしょうか。具体例として、今回の記事以外では見たことはありませんが。



2012年5月31日木曜日

男は不潔 ― slovenly

男というのは不潔な生き物だ、と決めつけられてしまうと、ちょっと待てと言いたくなる方もいるでしょう。最近では身だしなみに気を使う男性も増えていますから。

が、男の方が不潔であることを示す科学的なデータが提示されました。


Men's offices are dirtier than women's and contain significantly higher numbers of bacteria, a study has found.

Much of the reason is probably down to hygiene, say the US researchers - who point out that men are "commonly perceived to have a more slovenly nature".

Scientists took 450 swab samples from 90 offices occupied by men and women in New York, San Francisco and Tucson, Arizona. In total they identified more than 500 types of bacteria, most of which originated from human skin, noses, ears, and "intestinal cavities".

Chairs and telephones had some of the highest concentrations of bugs, with lower numbers on desktops, keyboards, and computer mice.
(The dirty truth about men's offices. The Press Association. May 31, 2012.)


男性が多いオフィスと女性が多いオフィスで比較すると、男性が多いオフィスの方が細菌の量が多かった、という研究結果が出たのです。

調査が行われたのはアメリカのニューヨークやサンフランシスコなどにある90の会社オフィスです。アメリカだけの話じゃないのとつっこみを入れたくなる、日本人男性の私です(笑)

さて、今日取り上げる単語、"slovenly"は、汚らしい、不潔な、という意味の形容詞です。語尾の"-ly"は副詞を連想させますが、形容詞として用いられます。("slovenly"には副詞の意味もありますが。)

これは以前に取り上げた、"kindly"という単語と共通する性質です。

さて、この記事をあらかた書いてからトイレに行きました。手を洗ったかって?勿論洗いましたよ!



2009年6月10日水曜日

kindly

単語の練習帳をたまたま見ていましたら、下のような例文があり、おや、と思いました。


The kindly foreman was too reticent to openly castigate the clumsy new worker.


ひっかかったのは、"kindly"という単語です。副詞として用いられるのには違和感ありませんが、構文的には上記の例は、形容詞的に用いられているとしか考えられません。

勉強不足を露呈するようですが、接尾辞の"-ly"には、副詞を形成するものと、形容詞を形成するものと2種類あることを、研究社の大英和辞典を確認して再確認しました。

ややこしいのは、"kind"という単語の場合だと思われます。たとえば、"manly"という語は、形容詞的に用いられることがほとんどで、副詞的に用いられるのは古語的であるようです。"kindly"は副詞としても、形容詞としてもほぼ同等に使われているようですが、個人的には、"kindly let me know sth..."や"You are kindly requested not to smoke."などのように副詞的に用いられる方に慣れていましたので、上記例文はある意味新鮮でした。

それで、形容詞"kind"と形容詞的に用いられる"kindly"に違いはあるのか、ということですが、Googleで検索すると色々出てきます。

形容詞としての"kindly"は名詞の前に置かれる限定用法(例: kindly smile)としてしか有効でなく、"kindly"を叙述的に用いる(例: looks kindly)のは間違いといった情報もありますが、コーパスで調べると、叙述的に用いられている"kindly"も少ないながら例が無いわけではないようですので、間違いとは言えないでしょう。