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2025年6月3日火曜日

Portugese

ポルトガルで18年前から行方不明になっている女の子の捜索を伝える記事からの引用です。


Portugese and German police have launched a new search in Portugal this week as part of ongoing investigations into the disappearance of Madeleine McCann.

(中略)

Madeleine was three years old when she vanished from an apartment complex on 3 May 2007 while on holiday with her family.
(Frances Mao. New search in Portugal in Madeleine McCann case. BBC News. June 2, 2025.)


恐らく当ブログの読者の皆さんは、まずは本日の投稿のタイトルの単語を見ておかしいとお気づきでしょう。

引用記事はBBCニュースのものですが、


Portugese


というスペルに着目です。

小生は念の為手元にある辞書で確認しましたが、ポルトガル人、あるいはポルトガル語を意味する英語は、


Portuguese


です。

ネットの記事でスペルミスを見かけることは結構あります。しかし天下の(?!)BBCニュースですから、もしかしたら"Portugese"も正しいのでは(スペルのバリエーションのひとつかも)とも思いましたが、辞書で"Portugese"というものを載せているものは無さそうです。

ネットで検索してみますと、"Portugese"は誤ったスペルというのが通説のようですが、コーパスの検索では数十件の実例があり、その中にはAssociated Pressなど、ちゃんとしたメディアでの用例も見られます。

一方で、正しいスペルである"Portuguese"は、少しややこしいスペルではあります。

一般的に、-eseという接尾辞は国名や都市名の後に付けて、その国、都市に住む人、また言葉を意味するというのは、"Chinese"や"Japanese"、"Vietnamese"といった例から明らかです。故に、ポルトガル(Portugal)に対して、"Portugese"としてしまうのもあり、とも言えるのですが・・・。gの後に敢えてuの文字を入れる理由はよく分からないのでこうしたスペルミスが頻発するのかも知れませんね。

BBCニュースの記事ですが、本文中には"Portugese"と"Portuguese"の両方が使われており、記事のライターや校閲担当は気が付かなかったのか、不思議に思います。


2024年6月12日水曜日

googol

世界中の何十億という人が日々使っている検索エンジンと言えば、まずはグーグル(Google)の名前が上がるでしょう。

ところで今更ですが、グーグルはなぜ"Google"と言うのでしょうか?

答えは以下に。


Google might be one of the most popular search engines on earth, but many people are just discovering how it got its unusual name.

(中略)

However, as many astute users pointed out, the iconic blue, red, yellow and green letters are not an abbreviation but rather a play on the word “Googol.” For the uninitiated, that’s arithmetic lexicon for 10 raised to the power of 100 or 1 with 100 zeroes behind it — an almost inconceivably huge number.

Interestingly, this term was coined in 1920 by Milton Sirotta, the 9-year-old nephew of American mathematician Edward Kasner, who frequently referenced the figure in his 1940 book “Mathematics and the Imagination.”
(Ben Cost.Secret meaning behind ‘Google’s name leaves internet users shocked. New York Post. June 11, 2024.)


最近の英和辞典ならば、"Google"を英単語のエントリとして載せているかも知れませんね。確認した訳ではありませんが、社名、検索エンジンの固有名詞が、グーグル検索を行うという意味の動詞としても用いられるという説明と共に、語源についても解説があるのかも知れません。

小生の手元にある辞書は古いため当然ながら載っていないのですが、グーグルという名称は、引用した記事に解説されていますように、


googol


という単語から来ているんですね。

この"googol"というのは、10の100乗という、とてつもなく大きな数字を指す造語で、米国の数学者Edward Kasner(1878-1955)が作ったと、これは古い辞書にも載っています。

なお、正確にはこの数学者の9才の甥が"googol"というスペルを思いついたそうです。その心は?

このちょっと変わった、ナンセンスにも見えるスペルが、途方も無く大きい数字を表すのにピッタリだった、ということらしいです。

さて、"googol"が「グーグル」になった経緯については、どうなのでしょうか。

当時社名を検討していた創業メンバーらはインターネット上のドメインを取得するため、使われていない名前を探していたところ、この"googol"という、恐らくは誰も知らないような単語に目星を付けたということのようです。

ところが、その後、恐らくはドメイン登録を進めて行く中でスペルを間違えてしまい、"google"になったしまったということなのです。つまり、スペルミスから生じた社名ということです。


2020年9月1日火曜日

battle royale

ミススペルがニュース記事の話題になることが偶にありますが、見つけたら欠かさずチェックするようにしています。

たかがミススペル、されどミススペル・・・、であり、高い代償となることも少なくありません。

さて、今回の話題は、米国上院議員選挙にまつわる話です。マサチューセッツ州での民主党予備選挙では現職に対して、J.F.ケネディ元大統領の家系に連なるJoe Kennedy氏が挑む構図となっているそうですが、同氏の選挙公報にミススペルがあったそうです。

マサチューセッツ州の都市ウースター(Worcester)を、"Worchester"と書いてしまったというものですが、自らの地盤の都市名を書き間違えるという失態は面目まるつぶれです。(ManchesterやRochesterなどの都市名に引っ張られたのでしょうか?)


A scion of the Kennedy family running for US Senate in Massachusetts is getting mocked for a campaign ad that committed a cardinal sin — misspelling the name of a prominent city two days before his primary election.

The Rep. Joe Kennedy III Sunday newspaper ad financed by Local 103 IBEW union said the Democratic candidate seeking to unseat Democratic Sen. Ed Markey in Tuesday’s Democratic primary is “For Worchester.”

One problem. It’s the City of Worcester — without the “h.”

Even more embarrassing is that the goof ran in an ad that was placed in Sunday’s Worcester Telegram & Gazette.
(Carl Campanile. Joe Kennedy III ad misspells Worcester on eve of Mass. primary fight. New York Post. August 31, 2020.)


ところで、2名の候補者については、民主党内でも支持が分かれているそうで、現職のMarkey氏には史上最年少下院議員として一躍有名になったAlexandria Ocasio-Cortez氏が支持を表明、Kennedy氏は下院議長のPelosi氏の支持を取り付けている、ということで、さながら「バトルロワイアル」(battle royale)の状況である、と報じられています。


The primary race has become a battle royale with both candidates attracting star power endorsements.

Lefty Democratic socialist Rep. Alexandria Ocasio-Cortez and other progressives have endorsed Markey, first elected to the Senate in 2013 after serving in the House of Representatives for three decades.

Markey sponsors AOC’s Green New Deal legislation in the Senate.

Kennedy has attracted support from House Speaker Nancy Pelosi and moderates, including pro-Israel Democrats.
(ibid.)


「バトルロワイアル」(battle royale)を辞書で引くと、死闘とか乱戦、大論戦などと載っています。日本語としてもカタカナ書きで使われることがありますが、その意味合いや由来を深く考えたことはありませんでした。(確か、邦画のタイトルになったこともありました。)

まずもってスペルですが、"battle royale"は、名詞の後に形容詞が来ており、また"royale"のスペルからして、フランス語のようです。

実際そうなのですが、英単語としては"battle royal"としても正しく(!?)、辞書のエントリとしてはどちらもあるようです。

ところが、その複数形となると、"battles royal"だったり、"battle royals"だったり、"battle royales"だったりするそうで、扱いが一定しないというややこしさ。

ところで、"battle royale"の由来は闘鶏だということをご存知でしょうか。ランダムハウス英和辞書の語源欄では、2羽の鶏の死闘を意味した、という解説があります。

2羽か、それ以上かはさて置くとして、最後の1羽が残るまで戦わせる闘鶏のことを“battle royale”と呼んだそうです。

"royale"(royal)という形容詞からは、王室、国王、君主に関するもののようなイメージが喚起されますが、"battle royale"においては王様とかとは一切関係がありません。

ここでの"royal(e)"は単に強調の意味合いで置かれた形容詞で、("a royal pain"などの表現に見られる)程度が並大抵ではない、すごい、という程の意味として使われているに過ぎません。これは知りませんでしたね。


2016年4月5日火曜日

閑話休題 ― スペルミスをするようでは大統領になれません

アメリカ大統領選で、ドナルド・トランプ氏との争いに敗れ、共和党の指名候補から脱落してしまったマルコ・ルビオ議員のスペルミスが取り沙汰されています。


It hasn’t been a good spell for Marco Rubio, who managed to botch the name of the United States in a letter.

The senator from Florida, who bowed out of the Republican presidential race after his home state primary, sent a letter asking the Alaska GOP not to release his pledged delegates before the national convention.

His missive to GOP Chairman Peter Goldberg contained an awkward faux pas – he referred to the 172 delegates he won while running for the highest office in the “Untied States.”
(Yaron Steinbuch. Rubio won’t be president of the United States and he can’t spell it either. New York Post. March 30, 2016.)


スペルミスというのは、"United States"と書くべきところを


Untied States


としてしまった、というものです。

"united"(結束する)が"untied"(バラバラ)とはこれまた悪い洒落ではないでしょうか。

記事にはルビオ議員が署名している問題のレターの画像へのリンクがあります。


大統領に名乗りをあげようという人間が、国名の表記でスペルミスを犯しているようでは何をかいわんや、と記事は手厳しいです。

以前、チリ造幣局のスペルミスを取り上げたことがありますが、たかがスペルミス、されどスペルミス・・・、ですね。

しがないサラリーマンの私も、Eメールは送信前にスペルチェックをちゃんとしないと・・・。


2010年2月16日火曜日

スペルミスにご用心! ― チリ造幣局幹部の代償

南米チリへ旅行される予定のある方は、ゲットできるか挑戦してみてはいかがでしょうか? 

50ペソ硬貨に刻まれた“チリ”の国名にスペルミスがあったそうです・・・。 

信じられない!という方は、そのモノの画像も含むリンク先の記事を読んでみてください。 

関係者一同、クビだそうです・・・。

高い代償? 


The 50-peso coins - worth about 10 cents (6p) - were issued in 2008, but no-one noticed the mistake until late last year. 

Instead of C-H-I-L-E, the coins had C-H-I-I-E stamped on them. The coins have since become collectors' items and the mint says it has no plans to take them out of circulation. 

The BBC's Gideon Long, in the Chilean capital Santiago, says people have been hoarding the coins in the hope their value rises. But the mistake has cost the mint's general manager, Gregorio Iniguez, and several other employees, their jobs. 
(Chile mint boss pays the price of coin spelling howler. BBC News. February 13, 2010.)