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2011年2月11日金曜日

米国カード事情: ZIPコード収集は”違法” ― end-run

アメリカはカード社会(クレジットカード社会)であるとよく言われます。彼らはキャッシュ(現金)をあまり持ち歩かず、スーパーなどでの少額の買い物でもクレジットカードで支払います。

私も短い期間の米国滞在経験で、レジでZIPコード(郵便番号)を求められたことがありました。多分その時は旅行者だからとか何とか言ってやり過ごしたように思われますが、このZIPコードを収集する行為がプライバシー保護を目的としたカリフォルニア州の法律に抵触するとして、”違法”という司法判断が出たというニュースです。


(CNN) -- California's high court ruled Thursday that retailers don't have the right to ask customers for their ZIP code while completing credit card transactions, saying that doing so violates a cardholders' right to protect his or her personal information.

Many retailers in California and nationwide now ask people to give their ZIP code, punching in that information and recording it. Yet California Supreme Court's seven justices unanimously determined that this practice goes too far.

(中略)

While a ZIP code isn't a full address, the court's judgment states that asking for it -- and piecing that 5-digit number together with other information, like a cardholder's name -- "would permit retailers to obtain indirectly what that are clearly prohibited from obtaining directly, (therefore) 'end-running'" the intent of California state laws.
(Greg Botelho. California high court: Retailers can't request cardholders' ZIP code. CNN. February 10, 2011.)


上記の引用記事の後半に、"end-run"という単語が出てきます。この単語、色々調べてみると元々はフットボールの用語で、ボールを持った選手が敵のディフェンスをかわすプレーのことを指すようですが、そこから発展して、目的を達成するために障害・障壁を回避する、という意味で用いられます。ただしそこには、”ずるがしこい手段”、という含意がありますので注意が必要です。多くはネガティヴなコンテクストで用いられます。

私は、いわゆる”法の抜け穴”を突く行為ではないかと解釈しましたが、そのような訳語を載せている辞書は見当たりません。American Heritage Dictionaryの定義では、


Informal. A maneuver in which impediments are bypassed, often by deceit or trickery


とあり、明らかに不正な手段であることを強調しています。

CNNの記事中にもありますが、元々カード決済時にZIPコードを求めるのは不正利用を防止するための取り組みでもあるようですが、ZIPコードとカード所有者の氏名とから住所を割り出し、またそれらと購入商品などの履歴をデータベース化することでマーケティングにも使われているという指摘があり、集団訴訟になっていたもののようです。

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