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2010年2月5日金曜日

雪に関する表現(5) ― snow job

漢字の“雪”は、自然現象としての降雪で見られる雪そのものの他に、“清い”という意味や、“雪辱”というような語句に見られる、“すすぐ、そそぐ”というような意味がありますが、英語のsnowには意外な意味があることを知りました。俗語としての意味ですが、“まやかし”とか“まことしやかな巧言”という意味があるようです。

これと関連していると思われますが、動詞として、


(言葉巧みに)だます、いっぱい食わせる、まるめ込む


という意味もあるようです。

"a snow job"は、相手に聞こえのいいことを言ってそそのかす行為を指し、口車にのせる、という日本語がぴったりです。

American Heritage Dictionaryでは、以下のような定義がされています。


snow job
n. Slang. An effort to deceive, overwhelm, or persuade with insincere talk, especially flattery.


In 1867, Alaska was widely viewed as a worthless wasteland of snow. When U.S. Secretary of State William H. Seward purchased Alaska from Russia for $7.2 million, Americans mockingly called the purchase "Seward's Folly." However, it turned out to be the greatest real-estate deal in history. The value of Alaska's resources has since paid back its cost many, many times over. Seward did a snow job on the Russians.
(Bill Costello. Make money by thinking the unthinkable. Futurist. May 1999.)


ところで、"snow"がこのような意味、つまり巧言や相手を言葉巧みにだます、という意味を持つように至ったのはどうしてなのでしょうか?

Oxford Dictionary of Euphemismsを見ると、下記のような説明がありました。


snow
deliberately to obfuscate (an issue) or deceive (a person)

As the landscape may be obscured by a snowfall.
To snow an issue is to produce masses of print-outs and other documentation which make it difficult for the recipient to pick out and understand the relevant points.


なるほど、雪が降ると地面を覆い、下地(地面)や境界などが分からなくなってしまうことから、このような意味が発展したのですね。


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