本日もミラノ・コルティナ冬季オリンピックの話題です。
カーリングの試合で相手チームのルール違反の指摘を巡り紛糾、オリンピック委員会も巻き込む騒動となっています。
問題は、カナダ対スウェーデンの試合で、カナダの選手に対して、カーリングのストーンに2度触れたとのルール違反が申し立てられた、というものです。
カーリング競技のルールによると、"hog line"と呼ばれる、ターゲットの6.4メートル前に引かれたラインを超えてからはストーンにタッチすることは違反なのだそうです。
ストーンを狙った位置に如何に近いところで止めるか、カーリング競技の妙味はストーンにどのくらいの推進力を加えるか、微妙な手加減による数センチの正確さが勝敗を分けるところにあるそうです。
ルール違反を指摘したスウェーデンの選手に対し、カナダの選手が口汚い言葉で罵ったという事実もこのスキャンダルを大きなものにしました。
The foul in question is called double-touching. Under World Curling rules, when delivering a stone a player may retouch the handle as many times as they wish — as long as they do so before the hog line, the thick stripe that marks the end of the release zone. Touching the handle after the hog line — double touching — is not allowed.
(中略)
Modern stones have hog-line sensors built into the handles, so they reliably detect late release of the handle. But they don’t detect a brief touch on the granite itself. And without an umpire watching closely — or without video evidence — that kind of infraction can be difficult to spot.
(Kevin Baxter. Olympic curling scandal threatens to forever alter the sport’s culture of trust. Los Angeles Times. February 18, 2026.)
さて今日の1語ですが、「ルール違反」、「反則」を意味する"infraction"です。(紛らわしいのですが、スペルが一部分だけ異なる"infarction"という単語もありますが、こちらは梗塞という病名です。)
関連記事ではストーンがラインを超えてからタッチしたことを、cheat、foul、fault、violationといった単語で表現しています。一方、これらの単語と比べると馴染みが薄いと思われる、"infraction"という表現を使っているものが見られます。"infraction"はルール違反全般、その軽重を問わず使われる一般的な表現です。
その動詞は"infract"となりますが、語源的には"infringe"(他者の権利の侵害)と同じであると辞書の語源欄にはあり、壊すというラテン語の動詞frangereから来ているそうです。(断片を意味する"fraction"も同語源です。)
なお、このラテン語動詞には、約束を破る、という意味もあります。
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