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2026年2月2日月曜日

scupper

遅々として進まないロシアとウクライナ間の和平交渉ですが、アブダビで予定されている協議に関する最新の状況を伝える記事からの引用です。

アメリカがイランに対する外交圧力を強めている中、和平協議にも影響が出そうだというものです。


Rising tensions over possible US strikes on Iran have injected fresh uncertainty into the plans for senior Ukrainian and Russian officials to meet in Abu Dhabi this weekend for another round of talks. “The date or the location may change,” Ukrainian president Volodymyr Zelenskyy said. “From our point of view, something is happening in the situation between the United States and Iran, and those developments could affect the timing.”
(Ukraine war briefing: Zelenskyy fears rising US-Iran tensions will scupper key peace talks in UAE. The Guardian. January 31, 2026.)


週末に予定されていた協議は翌週にずれ込むか、開催場所も変更になるかもしれない、ということなのです。

記事のタイトルに注目したいと思います。


rising US-Iran tensions will scupper key peace talks in UAE


とありますが、ここで使われている動詞、


scupper


は初めて見るものでした。American Heritage Dictionaryで引くと、


To thwart or ruin


とあります。つまり、台無しにするとか挫くという意味合いであると分かります。

ところで、"scupper"には名詞として別のエントリもあり、こちらは船の甲板などに設けられる水抜きのための穴、排水口を指すようです。2つは全く別の単語なのか、それとも語源的に関連があるのか、という点が気になるところですが、どうも判然としません。

Merriam-Webster Dictionary(オンライン版)によれば、"scupper"の動詞の意味は、急襲してやっつける、殺す、という意味の軍事用語(俗語)から来ているとの解説があります。

一方のAmerican Heritage Dictionaryは、"scupper"の動詞の意味に、船を意図的に沈没させるという意味を挙げているのですが、語源に"scuttle"(船底に穴を空ける、の意)があるとしています。水抜き穴を指す名詞の"scupper"とも関連するような感じがしなくもないですが、名詞の意味と動詞を結び付ける明確なエビデンスは無いようです。

台無しにするという動詞の"scupper"は、目的語に"deal"や"business"、"peace talks"といったものを取る用例がコーパスで確認できます。これまで見たことがありませんでしたので新しく学んだという訳です。


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