新型インフルエンザの脅威は日毎に増しつつあります。私の周辺でも、本日次男が通う小学校で学級閉鎖になったりと、感染者の拡大に伴い、自治体や学校、会社などが対応に追われる状況にあります。
一時期、春の流行の際には、マスクが売り切れるなどし、日本の街中や電車ではほとんどの人がマスクをしているのを、日本人特有の過剰反応のようにやや批判的にクローズアップして海外メディアに報道されていましたが、もはやこの傾向は、マスク云々に留まらず、新型インフルエンザに過敏な傾向としては国際的なものではないかと思われます。
さて、”キスはご法度”というタイトルに話を戻します。フランスでは、恋人同士に限らず、親しい間柄で交わされる、ほとんど日常茶飯事、習慣と言ってもいい、頬と頬のキス("cheek-to-cheek kiss")は、今の状況下、出来るだけ避けるように、ということが学校や保険機関から通達されているようです。
French warn against cheek-to-cheek kiss
PARIS — It's a ubiquitous French tradition, as familiar as a baguette or an espresso at the neighborhood cafe. Now, "la bise," the cheek-to-cheek peck that the French use to say hello or goodbye, has come under pressure from a globalized threat: swine flu.
Some French schools, companies and a Health Ministry hotline are telling students and employees to avoid the social ritual out of fear the pandemic could make it the kiss of death, or at least illness.
(The Seattle Times. September 8, 2009.)
この問題、キスの習慣のない我々日本人には分かりませんが、当のフランス人には日常の挨拶に関わることのようで、重大事のようです。記事中、以下の表現が目を引きます。
"I asked the children not to kiss anymore," Mayor Helene Tanguy said. "I felt that the protections sought — to wash hands regularly, not throw used handkerchiefs around, and not cough any old way — had no meaning if we let the kids keep kissing."
(ibid.)
手洗い、うがい、席エチケットなど、色んなアドバイスをしたところで、”キス”ひとつで台無し、ということのようです。
"Swine flu has already changed our life," read a headline in Monday's Le Parisien about banning the bise.
(ibid.)
この1文に限っては、かなり大袈裟なにも思われます・・・。("the bise"は、"cheek-to-cheek kiss"のフランス語表現である、"la bise"に由来するものです。)
余談ですが、"cheek-to-cheek kiss"がどんなものかは、ヨーロッパなどに旅行したり、ビジネスで関係している人なら一度や二度は目にしたことがあると思います。私も何度か目にしたことがあり、あの、親しい二人が直接キスするでもなく、しかしながら親密さをデモンストレーションするために頬と頬を交差させる、あの儀式のことだと思っていましたが、その実施方法については実際にはバリエーションがあるようです。
詳しくはWikipediaの"cheek kissing"の項を参照いただければと思いますが、頬だけを重ね合わせるのか、あるいは実際に唇によるキスの行為があるのか、はたまたその回数など、バリエーションがあるようです。
感染症対策ということでは、どこまでが許容されるべきなのか、唇によるキスを伴う場合と、頬だけでの行為では影響範囲も異なると思われますが、いずれにしても世知辛い世の中というか、大変な状況になってきました・・・。
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