ニュース記事で目にしたのですが、読んでいて何となく分かるのですが、明確に解釈できず、今日の記事のネタにさせていただきました。帰宅して、色々と調べているうちに、かなり漠然とした単語ではないかと思われてきました。
原義としては、”殴打、打つこと”、動詞で、”殴る、強打する”という意味があるそうですが、ニュース記事をはじめ、口語的な用法では、
影響力
人脈
勢力
(特に政治的な)権力
といった意味で用いられます。個人的な解釈ですが、”政治的な”という括弧部分はこの単語の意味の性格を決定しているのではないかと思います。何かよく分からないけど、何かを成し遂げるためには必要なもの、ってありますよね?知識や実力だけではどうにもならないこと、うまくいかないこと、ってあります。漠然としていて、得体が知れないのだけれども、有るのと無いのとでは成否に影響する、といったものでしょうか。実社会に出るとその重みはかなり大きいものがあると思います。
冒頭で出した記事を引用したいと思います。
Regulators open inquiry into wireless industry
WASHINGTON (Reuters) - U.S. regulators launched an inquiry on Thursday into competition in the wireless industry, a step that could lead to probes of other sectors.
記事の見出しとリーディングの部分ですが、過熱する携帯通信産業(ここではwireless industryとされていますが、後述の"carrier"と"handset makers"という対照から、いわゆるケータイ関連事業といっていいでしょう)に、いよいよ当局(FCC)が干渉、といったコンテクストが読めます。続けて、以下のように展開します。
The Federal Communications Commission issued a notice of inquiry as part of a congressionally mandated annual assessment of the industry, which is dominated by Verizon Wireless, AT&T Inc, Sprint Nextel Corp and T-Mobile, a unit of Deutsche Telekom AG.
Verizon Wireless is a joint venture between Verizon Communications Inc and Vodafone Group Plc.
アメリカのケータイ事情ですが、どうやら、VerizonとAT&T、Nextelなどが牛耳っているようです。
The inquiry comes as the FCC is examining exclusive deals between handset makers and carriers, such the one making AT&T the sole U.S. service provider for Apple Inc's popular iPhone.
具体例として、iPhoneのキャリアがAT&Tに限定されていることが引き合いに出されています。
しかし!です。このような状況は、弱小キャリア(といっていいのか分かりませんが)黙っていないよ、ということでしょうか?地方のキャリア(rural carrier)からの反発がある、と下記のように続くのですが、ここで"clout"の登場です。
Exclusive deals are common among the biggest carriers but have recently faced strong opposition from rural carriers, which say they lack the clout to make deals to carry the most popular phones.
つまり、地方の中小キャリアだって、ポピュラーな携帯と契約したいのだけれども、AT&Tみたいな有名キャリアの持つ"clout"が無いから出来ないんだ、という声のようです。だから、当局に介入してもらいたい、という意図があるのでしょう。
この場合の、"clout"は”影響力”、といってもいいと思いますし、メジャーなhandset makerとの”人脈”と解釈してもよいと思われますが、実に漠然とした概念だとは思いませんか?
記事はさらに以下のように続きます。
FCC Chairman Julius Genachowski said the agency is seeking data on how competition affects consumers. He also said the wireless inquiry could lay the foundation for future questions in other sectors such as cable and broadband.
当局介入の目的は、"how competition affects consumers"というところにあるようです。つまり、競争(competition)あるところには、消費者が支払う対価に変化があるわけで、何だか日本でも数年前に聞いたような話です。その当時、某ソフトバンクは、”日本の携帯電話料金は他国に較べて高い”と主張し、携帯事業に参入したようですが、アメリカでは今頃になって、その議論をしているのでしょうか?
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