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2012年5月17日木曜日

フリスク? ― frisk

卑近な話題から。”フリスク”というお菓子がありますが、会社での会議でうたた寝してしまわないよう眠気覚ましに使った経験のある方もいると思います。

”フリスク”は、"FRISK"とスペルされているかと思いますがこれが英単語の"frisk"なのかどうか知りませんが(調べても分かりませんでした)、今日はこの"frisk"という単語を取り上げます。


A lawsuit alleging racial bias in the New York Police Department's so-called stop-and-frisk tactics will proceed under class-action status, clearing the way for thousands of plaintiffs to be added to the legal challenge and potentially widening the scope of court-ordered changes if the lawsuit is successful.
(Judge Clears Stop-Frisk Class Action. The Wall Street Journal. May 16, 2012.)


"stop-and-frisk tactics"という表現の中で、"frisk"が出てきます。一体何のことでしょうか?

記事のタイトルと内容から、人種差別に関する話であることが分かります。ニューヨーク市警の人種差別的な "(stop-and-frisk) tactics" が集団訴訟を招いた、と読めます。

"frisk"をランダムハウス英和辞書で引くと、


(はしゃいで)飛び跳ねる、飛び回る;ふざける、じゃれる


という動詞の意味がまず出てきます。この意味では、"stop-and-frisk tactics"が解釈できません。続く説明を見ると、


(武器などの有無を調べるために衣服の上から触って)身体検査する、ボディーチェックする


という意味があることが分かり、なるほど警察の話としてはこの意味だと何となく理解できます。記事の続きを読むと、もう1か所、"frisk"が使われている個所に出くわします。


Her (=Judge Shira Scheindlin) ruling could dramatically expand a 2008 lawsuit filed by four individuals who claimed their constitutional rights were trampled by the city's effort to combat crime through stopping, questioning and sometimes frisking those suspected of street crimes.
(ibid.)


ここを読んで"frisk"が意味するところはやはり警察官が行うボディーチェックの意味であることはほぼ確信できるでしょう。さらに、"stop-and-frisk tactics"とは、恐らく警察官が通行人を止めて職務質問し、さらにボディーチェックを行うこと、そのことを指しているのだろうと思われます。そのやり方が人種差別的だったために、訴訟に至ったというところでしょうか。

冒頭の話題に戻ると、清涼菓子の”フリスク”につながるような意味ではありませんでした。"FRISK"の原産国はベルギー(現在はオランダ)ということですから、英単語ではないのかもしれません。いずれにしてもこの清涼菓子のブランド名の由来は分かりません。

ちなみに、"frisky"という形容詞がありますが、これは”よく跳ねまわる、よくじゃれる”という意味で、ランダムハウスでは、”Friskiesは米国Carnation社製のキャットフード”という説明があり、面白いというか興味深いというか・・・。(日本では”フリスキーズ”ではなく、”フリスキー”というブランド名なのですが・・・。)


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