出張で関西地方のある地方都市におります。(といっても普段と何も変わらないのですが、)滞在先のホテルにの部屋からインターネット接続をまずは確保し、ニュースをチェックしていたら、韓国で殺人事件があったというヘッドラインが目に付きました。
SEOUL, South Korea — A South Korean marine corporal killed four fellow soldiers and wounded another in a shooting spree on Monday that came amid heightened vigilance against North Korea.
The corporal, whom the Defense Ministry identified only by his last name, Kim, sprayed rifle bullets in his barracks on Gwanghwa Island, west of Seoul, Kim Min-seok, a ministry spokesman, told reporters. The island sits just 12 miles south of the western border of North Korea.
(Choe Sang-Hun. South Korean Soldier Kills 3 in Barracks Shooting. The New York Times. July 4, 2011.)
"a shooting spree"という表現を今日は取り上げます。
"spree"を辞書で調べると、
浮かれ放題、ドンチャン騒ぎ、
とか、
ふけること、耽溺すること
といった訳語が出ています。"a shooting spree"をどう解釈したらよいでしょうか?
4人が殺害されたこの事件では、容疑の海軍兵士がライフルを乱射した模様です。その様が、"spree"、つまり無茶苦茶な、やり放題な、ということだったという解釈ができます。
ところで手持ちの辞書に、上記のような訳語はあっても、"shooting spree"や"killing spree"という用例がないのを少し不審に思います。これらの表現はニュース記事でもよく目にするので用例のエントリに入っていてもよさそうな感じがします。
そのようなことを考えているうちに、"spree"の語源が気になってきました。PCにインストールしているランダムハウス英和辞書には解説がありません。
American Heritage Dictionaryを見てみます。定義は下記のようになっています。
1. A carefree, lively outing.
2. A drinking bout.
3. A sudden indulgence in or outburst of an activity. See synonyms at binge.
やはりといいますか、"shooting spree"の類の表現がありませんが、3つ目の定義、"a sudden outburst of an activity"がそれにかなり近いように思われます。
興味深いのは語源解説なのですが、遡ることラテン語の"praeda"("booty"=戦利品)に由来するそうです。ラテン語"praeda"は、Scottish Gaelicで"spreidh"("cattle"=牛)に発展し、さらにスコットランド語の"spreath"("cattle raid"=恐らく、家畜である牛の強盗・略奪行為を示すものと思われます)と関連しているそうです。
そう言えば、"spree"を使った表現でよく見られるものに、
shopping spree
というものがありました。いわゆる金に糸目をつけず買いまくる、買い物中毒者の行為を指しますが、"spree"が遡って”戦利品”を意味するところと何となく通じているような気もしてきます。
2011年7月4日月曜日
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