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2012年11月2日金曜日

口止め、揉み消し ― hush up

日本ではあまり報道されていないのではないかと思いますが、アメリカのペンシルベニア州立大のフットボールチーム監督による学生への性的虐待のスキャンダルはここ最近のトップニュースです。性的虐待の罪に問われている被告の監督は有罪なら数十年以上の禁固刑に処せられることになり、生涯を塀の中で過ごすことになるという記事を読んだ記憶があります。

このスキャンダルで、責任は当のチーム監督に留まらず、州知事にまで及ぶ事態となっているらしく、またまたトップニュースの扱いになっています。

今日の記事を引用します。


HARRISBURG, Pa. — The "conspiracy of silence" that protected Jerry Sandusky extended all the way to the top at Penn State, prosecutors said Thursday as they charged former university president Graham Spanier with hushing up child sexual-abuse allegations against the former assistant football coach.

Prosecutors also added counts against two of Spanier's former underlings, Tim Curley and Gary Schultz, who were already charged with lying to a grand jury.

"This was not a mistake by these men. This was not an oversight. It was not misjudgment on their part," said Linda Kelly, the state attorney general. "This was a conspiracy of silence by top officials to actively conceal the truth."
(Former Penn St. president faces cover-up charges. The Seattle Times. November 1, 2012.)


どんな責任を問われているのかということですが、冒頭、"conspiracy of silence"(沈黙という共謀)と書かれています。

そして、その文に続けて、


they (=prosecutors) charged former university president Graham Spanier with hushing up...


とあります。"hush(ing) up"とは”口止め、揉み消し”という意味です。チームの監督の虐待疑惑はまずは大学の学長による揉み消しの疑惑へ、さらには州知事までもその揉み消しに関与していた可能性を問われる事態になっているということです。

"hush"は、”静かに!”という時に、”シッ!”と言いますが、そのように使われる間投詞(interjection)でもあります。

恐らく擬音(声)語だと思いますが、語源欄を参照すると、中期英語で"silent"を意味する、"husht"という単語からの逆成であるという解説がありました。"husht"の語尾の"t"が過去分詞形を示す接尾辞と誤解されて、"hush"という単語になったのだということです。


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