昨日の記事で、"starkers"という単語を取り上げました。"starkers"という単語はごく最近生まれたものらしく、ランダムハウスやMerriam-Websterによると初出が1923年頃とあります。
そして、この単語の由来については、"stark-naked"という単語から"stark"と言う部分を取ってきたものであるという解説が見られます。
"stark-naked"も”素っ裸の”という意味の形容詞ですが、こちらは初出が1530年とありますので、"starkers"よりも古いのは確かです。
では、"stark-naked"の"stark"とはどういう意味なのでしょうか?
ここで、ドイツ語を学んだことのある人、ドイツ語に詳しい人は、強いという意味の"stark"というドイツ語の単語を想起するかもしれません。私もそうでした。
ややこしいのですが、"stark"という英語の形容詞にも、"naked"(裸の)と同じ意味があるため、ドイツ語かと思ってしまうのですが、この形容詞の意味も、"stark-naked"という単語に由来するものであり、"stark-naked"の"stark"という部分を説明するものではありません。
では、"stark-naked"の"stark"とはいったい何でしょうか?
American Heritage Dictionaryや研究社の大英和の語源欄で確認できますが、"stark-naked"とは元々、"start-naked"でしたが、(恐らくドイツ語の"stark"の影響を受けて)"stark-naked"となったものだそうです。
で、この"start(-naked)"は何かというと、“尾”(tail)のことなのです。(古英語では、steortというスペルでした。ちなみに、現代英語の"start"という単語とは関係がありません。)
"stark-naked"="start-naked"とはつまり、"naked to the tail"(尾に至るまで裸である、何も身に着けていない)という意味だったのです。
裸であるかどうかを気にするのは生きとし生けるものの中では人間だけなのに、人間にはない尾を取り上げて“尾に至るまで”というのはおかしい感じがしますが、要は“頭のてっぺんから爪先まで”という意味合いと解釈すべきでしょう。
ちなみに、尾を意味するsteort(start)がスペルに残っている単語として、鳥の名前である、"redstart"(ジョウビタキ)という単語があります。言うまでもありませんが、この単語の"start"も現代英語の"start"とは無関係です。
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