銃による悲劇が絶えないアメリカ。つい昨日のニュースでは、銃規制を求める議員らが議会で座り込みを強行したことが報じられていました。同性愛者が集うバーが襲撃され、50名以上が亡くなった事件を受けたものですが、Sandy Hook Elementary Schoolの事件など、幼い命が奪われた事件も記憶に新しいところです。
A Michigan mum has called for gun control after finding her three-year-old daughter standing on a toilet.
Stacey Wehrman Feeley first thought it was a funny photo to send to her husband - her "mischievous" preschooler standing on the toilet seat.
But she "broke down" when her daughter told her she was practicing for a lockdown drill at her preschool and what you should do if you are stuck in a bathroom when there's an attacker.
(Mum 'broke down' when she found out why her little girl was standing on the toilet. Stuff.co.nz. June 24, 2016.)
引用した記事ですが、トイレの便座に立つ3歳の娘を撮影した写真がSNSに投稿されたことを取り上げたものです。
何をしているのか、と誰でも思います。母親も最初は分からなかったようです。しかし、それが"lockdown drill"の一環であると知り衝撃を受けます。
"lockdown drill"とは何でしょうか?
"lockdown"を辞書で引くと、(囚人の)監禁という意味が載っていたりするのですが、これは引用した記事のコンテクストにおける"lockdown"の説明になっていません。(なお、研究社大英和には、"lockdown"というエントリ自体がありません。)
American Heritage Dictionaryでは下記のような定義が見えます。
A protocol followed in an emergency that involves confining people in a secure place, such as the confinement of prison inmates in cells after a disturbance, or the locking of students and teachers in classrooms after a violent attack.
これはつまり、学校現場が不審者等に襲撃された場合に、学生・生徒らの安全を確保するために取られる措置のことを言っています。みだりに逃げまどうのではなく、安全が確認されるまで校内の安全な場所に留まるということを指しています。
3歳児が実践したのはその訓練でした。
トイレの便座に立つのが何で"lockdown drill"になるのか、最初よく分からないでいましたが、しばらく考えていて合点が行きました。
アメリカを旅行されたことのあるかたはトイレのドアを思い出されると分かると思います。日本のそれと違って、トイレ個室の扉は下半分は大きく空いていて、中に人が居るかどうか、容易に分かるようになっています。脚が見えるからです。
便座に立つことで脚は見えず、自分を隠すことができます。便座に立つというのは、襲撃者から身を守るための知恵なのです。
つい先週、小学校に通う娘の引き渡し訓練というものに参加しました。主に大震災を想定し、親が学校で子供を引き取る際の手順を確認するための訓練です。不審者や凶悪犯という想定もあるようですが、子供が凶悪犯から自分の身を守るためのインストラクションまではありません。
そんな訓練内容でなくて良かったと思います。ある意味、日本が如何に安全な国であるかを思い起こさせてくれます。
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