マイクロソフト社のオペレーシングシステム(OS)であるウィンドウズ10を搭載したコンピュータが全世界で3億5,000万台に達したと同社が発表しました。
最近の報道で、ユーザーの意思に関わらず勝手にウィンドウズ10へのアップグレードがされてしまうという苦情が多発し、消費者庁が出てくる騒ぎになっていましたが、果たしてどれくらいが新OSに満足しているんでしょうか?
Microsoft today pegged the number of Windows 10 devices at 350 million, an increase of about 50 million since early May, the last time it publicized the new operating system's uptake.
"We'd like to say a special thank you to each of you who have upgraded to Windows 10," wrote Yusuf Mehdi, the marketing chief of the Windows and devices group, as he announced the new milestone in a post to a company blog.
(Gregg Keizer. Microsoft declares 350M devices now on Windows 10. Computer World. June 29, 2016.)
さて、3億5,000万台という発表について、記事の表現は、
pegged the number of Windows 10 devices at 350 million
となっています。
この、"pegg the number"という表現を初めて見るように思います。構文解析してみると、
peg the number of A at B
という形式になっており、Aがモノ、Bは数値、というようになっています。
Other surveys have pegged the number of people who are chronically homeless at about 4,500.
(Orange County Register. 2015.)
なお、"peg ~"に続く目的語は"the number of ~"に限りません。"price"や"value"、"cost"など、およそ数字に関わるものならば、"peg"の目的語になりえるようです。
The railroad association pegs the cost of needed upgrades at $148 billion.
(Atlanta Journal Constitution. 2008.)
ここで改めて、"peg"の意味を考えてみるのですが、日本語でも「ペグ」とカタカナ書きしますがあまり馴染みがない単語かもしれません。キャンプ用品のペグ、ギターやバイオリンの弦を調節するペグ、くらいでしょうか。
"peg"の語源は低地ドイツ語にまで遡るようですが、目印を付けるためのものであり、測量に用いられるものであったようです。現代の「ペグ」は留めたり、固定したり、支持したりするものというイメージがありますが、昔は「測る」ことを主目的としていたというように考えることができるかも知れません。
このような語源を理解すれば、"peg the number ~ at ~"のような用法が意味するところもすんなり理解できるように思います。
2016年6月30日木曜日
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