新聞の政治欄を読む方ならば、“キャスティングボート”という単語に一度ならずとも出くわしたことがあるのではないでしょうか?
ある懸案事項に対する賛成と反対について、それぞれの立場をとる勢力がほぼ均衡に近いような場合、どちらかと言えば第三者的な立場にある人の意見が決定的となることがあり、そのような人のことを、“キャスティングボートを握っている”と表現します。
記事に書かれている分には、“キャスティングボート”で明確なのですが、テレビやラジオで音声で伝えられると、“ボート”を“ボード”と間違って解釈してしまうことがあるようです。
これは何故なのでしょう?私自身がそうだったのですが、"casting"(配役)を示す"board"(黒板、あるいはそれに類する掲示板のようなもの)ということで、"board"を握っている、とは、“(演劇や映画などで)配役を決定する力を持っている”というような連想をついついしてしまい、勝手に頭で結びつけるためだと思われます。
正しくは、“ボート”(vote)であり、投票のことです。
A decision on whether to wind up the Universities Superannuation Scheme's final-salary pensions could be made this week - but talks between employers' and members' representatives are so far deadlocked.
(中略)
There is a chance that Sir Andrew Cubie, the joint negotiating committee's independent chair, could use his casting vote to decide whether members end up with final-salary or career-average pensions.
(John Morgan. Talks deadlocked over scrapping of final-salary pensions for academics. Times Higher Education. April 29, 2010)
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