"sabotage"という単語はご存じだと思います。日本語でもサボタージュとカタカナ書きしますが、フランス語をかじったことのある方ならその発音がフランス語的なことにもお気づきでしょう。
実際この単語はフランス語起源で、工場労働者が"sabot"と呼ばれる木靴を工場の機械に突っ込んで壊し、働かなかった、というのが由来だとも言われているようです。
このことから、"sabotage"は破壊行為という訳語が当てられています。日本語の“サボる”も“サボタージュ”から来ているとされますが、日本語の“サボる”は“怠ける”に近い意味があり、欧米で言う"sabotage"の”破壊行為”とはやや異なる、というのが大抵の辞書で解説されています。
さて、この"sabotage"と見てくれもよく似た単語"saboteur"が今日の単語ですが、これは"sabotage"という単語に"-eur"という、動作主を示す接尾辞がついたものです。従って、“破壊行為を行う人”ということになります。
(ちなみに、動作主を表す接尾辞である"-eur"もフランス語の形なのですが、女性形は"-euse"であり、"saboteuse"となります。)
Qld strawberry saboteur strikes again
A saboteur has tried to poison a strawberry crop on Queensland's Sunshine Coast.
It's the second sabotage attack on Gowinta Farms at Beerwah, which was also targeted in 2009. Police were alerted on Thursday.
Farm spokesman James Ashby said the latest attempt to poison a large strawberry crop was foiled as a result of security measures put in place after the 2009 incident.
(Qld strawberry saboteur strikes again. The Sydney Morning Herald. May 20, 2011.)
記事によりますと、イチゴなどの農作物への破壊行為がオーストラリア・クイーンズランド州で相次いでいるそうなのですが、灌水設備に化学物質を混入させて大量の農作物と農場に損害を与えるなど深刻な被害になっているようです。関連記事をざっと読みましたが、誰が何のためにしたのかということについては確定的なことはおろか、推測についても触れられておらず、何だかよく分からないという気がします。
英語の話に戻りますと、"saboteur"は男性形ということになりますので、犯人は女性ではなく男性、というところまでは推測がついている!?のでしょうか。
2011年5月20日金曜日
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