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2011年5月6日金曜日

コードネーム”ジェロニモ”に非難続出 ― cry foul

米政府によるオサマ・ビンラディン氏の暗殺計画で使われたコードネーム”ジェロニモ”(Geronimo)に非難が続出しています。

非難しているのはアメリカ先住民であるインディアンの子孫にあたる人々ですが、彼らにとっての偉大なリーダーであり、英雄である”Geronimo”をテロリストのビンラディン氏を指す目的で使ったのは遺憾だというものです。

問題となったコードネームについては邦紙でも詳しく報じられていますが、極秘で進められた暗殺作戦では、コードネーム”ジェロニモ”が使われていたといいいます。軍事作戦が展開される様子はホワイトハウスのシチュエーションルーム(the Situation Room)に逐一報告され、目的完遂時、つまりターゲットであるビンラディンを射殺した時点で、


"Geronimo EKIA."


と特殊戦闘部隊員から発せられ、続いてオバマ米大統領が、


"We got him."


とつぶやいたといいます。

触れましたように、”Geronimo”はビンラディン氏を指し、”EKIA”は”Enemy killed in action”の略称(つまり戦闘中に殺害した)であるとされています。

アメリカ史では、先住民のリーダーであるジェロニモは白人の開拓者に最後まで抵抗したということですが、そうした背景もあって今回のコードネームを選んだのでしょうか?それとも単に配慮が足りなかったのでしょうか?


Indian leaders cry foul over bin Laden 'Geronimo' nickname

WASHINGTON — The great-grandson of Geronimo is joining a growing chorus of American Indians outraged that the U.S. military used the name of the legendary Apache leader in connection with the recent operation to kill Osama bin Laden.

"Obviously, to equate Geronimo with Osama bin Laden is an unpardonable slander of Native America and its most famous leader in history," Harlyn Geronimo said in a statement to the Senate Committee on Indian Affairs.

The panel met Thursday in a session scheduled weeks ago to discuss how racial stereotypes — mainly in the form of team mascots' nicknames — were offensive to Indians. But the issue quickly pivoted to the code name the military had given to the sponsor of the Sept. 11 terrorist attacks.

"This victory has otherwise united our country," Indian Affairs Chairman Daniel Akaka, D-Hawaii, said of bin Laden's killing. "It is unfortunate that this code name was chosen."
(Ledyard King. Indian leaders cry foul over bin Laden 'Geronimo' nickname. USA Today. May 5, 2011.)


今日の表現、"cry foul"は”非難する”という意味で使われています。"foul"は野球で言うファウルと同じですが、名詞で”反則”、”違反”という意味でも用いられます。

今回の件について言えば、先住民リーダーの名前を不適切に用いた米政府に対して、異を唱えているということです。

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