ビジネスユーザー向けのスマートフォンであるブラックベリー(BlackBerry)の凋落振りは激しいですが、アメリカのオバマ大統領はiPhoneではなく、いまだにブラックベリーを愛用しているそうです。(記事)
何でも、iPhoneはセキュリティの問題があるからというのが理由だそうですが、大統領自身が主導(?)した盗聴の対象にアップルも含まれていた訳で・・・。
ところで上述した記事の中に気になる表現を見つけました。
BlackBerry, a Canadian company formerly known as Research In Motion Ltd, virtually invented the idea of on-the-go email, but lost its market stranglehold as rivals brought out more consumer-friendly devices, like Apple's iPhone and phones using Google's (GOOG.O) Android software.
(Obama says he's not allowed iPhone for 'security reasons'. Reuters. December 5, 2013.)
(BlackBerry) lost its market stranglehold...
とあるくだりなのですが、"stranglehold"は、"stronghold"の間違いではないのかと思うのです。
"stranglehold"を辞書で引くと、
レスリングにおける相手の喉を締める反則技; 自由な行動を阻む力、締め付け
などの意味が載っています。"strangle"とは首を絞める行為のことですから、なるほどこれらの意味は納得です。しかし、ブラックベリーがアップルやグーグルなどの競合他社の台頭により、徐々に魅力を欠いてゆき、マーケットを失うに至った、という文脈で、
lost its market stranglehold
とあるのは、おかしい感じがします。拠点、砦、拠り所、といった意味のある、"stronghold"のほうがぴったりくると思うのです。
文脈では、外出先で使える電子メール(on-the-go email)を最初に実現したのがブラックベリーであるというようなことが書かれていますが、そういったイノベーションが競合他社を圧倒するような力、他社の発展を阻む程の圧倒的な存在として認識されていた、あるいは“反則技”というように思われていた、という意味で"stranglehold"という表現を用いているのでしょうか?
記事はロイターIndiaからのもので、ライターがネイティヴではないのかもしれないとも考えたのですが、校閲(Editing)も入っています。天下のロイターの記事で表現の誤用とも考えにくいですが・・・。
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