仕事でオフィスのレイアウト関係の資料を見ていたら、"wordrobe"と図面に入っていました。“ワードローブ”と読んで、ああ、コートをかけるラックのことね、と分かったのですが、あれ、スペルがなんかおかしい、と気づくのに少し間がありました。
賢明な読者の皆さんはすぐにお判りでしょう。正しくは、"wardrobe"です。
改めて、"wardrobe"を辞書で引くと、
洋服ダンス、衣装戸棚
という現代の意味の他に、“持ち衣装”という意味が載っています。Merriam Websterの定義に
a collection of clothes that a person owns or wears
とありますが、元々は衣装をしまっておく場所ではなく、衣装そのもの、持ち衣装を意味していたようで、持ち衣装をしまうタンスや部屋、トランクなどを指すようになったのはそれ以降からのようです。
"wardrobe"の"ward-"を"word-"と勘違いしているのは日本人によくありがちな、単純なスペルミスと言ってしまえばそれまでですが、語源に目を向ければこのような間違いもないでしょう。
"ward-"は、守る、保護する、という意味の動詞warderに由来しており、現代英語でも"ward"という動詞があります。動詞"ward"は“(敵の攻撃を)避ける、かわす”という意味で用いられますが、古くは守る、保護する、という意味で用いられていました。
"robe"とは衣服のことであり、"wardrobe"とは即ち、衣服を守るもの、ということになります。今日的な、“ワードローブ”の意味に合致しますね。
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