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2014年2月5日水曜日

マイクロソフトは“安全運転”!? ― play it safe

米・マイクロソフト社の新しいCEOが誕生しました。

現職のSteve Ballmer氏が退任の以降を示して以来、後任のCEOが誰になるのか業界では様々な憶測が飛び交い騒がしかったようですが、最終的に同社クラウド事業のトップを務めていたSatya Nadella氏が選出されるに至ったようです。


SAN FRANCISCO — After compiling a list of more than 100 CEO candidates, Microsoft settled on Satya Nadella a home-grown leader who joined the software maker in the early 1990s. That’s back when Google’s founders were teenagers and Facebook CEO Mark Zuckerberg was in elementary school.

Tuesday’s hiring of Nadella as Microsoft’s CEO after a five-month search is a safe move that’s likely to be greeted with sighs of relief around the company’s Redmond, Wash. headquarters, industry analysts say. But the methodical, almost predictable decision is likely to reinforce perceptions that Microsoft Corp. is a plodding company reluctant to take risks as it competes against younger rivals who relish going out on a limb.
(Was Microsoft smart to play it safe with CEO pick? The Washington Post. February 5, 2014.)


このニュースはトップで報じられていますが、上記はその1つでワシントンポスト紙からの引用です。

記事のタイトルに注目しましょう。

"play it safe"という表現を取り上げたいと思います。辞書を引くと、


安全第一にする;安全策を取る


などといった訳が載っています。文字通りの訳であり、わざわざ取り上げるほどでもないように思われますが、この表現(成句)にはある種のアイロニーが込められていると思います。

新聞記事などによく、“安全運転”なる表現が見られることがあります。例えば、


○×内閣は安全運転内閣


といった感じで使われますが、ここにおける“安全運転”は本来褒められてしかるべき“安全運転”というよりも、リスクを避け、揚げ足を取られることを警戒し・・・、といった、慎重すぎるやり方に対する批判という言外の意味を読み取ることができるでしょう。

MS社に関する記事における"play it safe with CEO pick"も同様で、競合しているGoogleやFacebookのCEOに比べるとやや精彩に欠ける(!?)今回の人事に疑問を投げかける論調ではないかと思われます。

Collins Cobuild Dictionary of Idiomsでは下記のように定義されています。


If you play safe or play it safe, you do not take any risks.


皮肉としての“安全運転”です。


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