先日から報道を賑わせているトピックにタックスヘイブンの問題があります。パナマの法律事務所から流出した文書から、各国の政治家や有名人が英領バージン諸島やケイマン諸島などの租税回避地(タックスヘイブン)に架空会社を設立し、税金逃れをしていることが分かったというものです。
租税回避者のリストにアイスランドの現職首相が含まれていることが分かったそうなのですが、国民からの猛烈な批難を浴び、辞任しました。
Iceland's Prime Minister Sigmundur David Gunnlaugsson resigned on Tuesday, becoming the first casualty of leaked documents from a Panamanian law firm which have shone a spotlight on the offshore wealth of politicians and public figures worldwide.
The Panama Papers showed the premier's wife owned an offshore company with big claims on Iceland's banks, a undeclared conflict of interest for Gunnlaugsson, infuriating many who hurled eggs and bananas in street protests calling for him to step down.
(Iceland's leader resigns, first casualty of Panama Papers. Reuters. April 5, 2016.)
さて、カタカナで「タックスヘイブン」と書かれますが、租税回避地と和訳されるこの単語の英語でのスペルは、
tax haven
です。"heaven"(ヘブン;天国)ではありません。勘違いされやすいのですが、"heaven"と"haven"はまったく別の単語です。(媒体によっては、「タックスヘブン」と表記しているものもあるようですが、両者の違いを意識してか、「ヘイブン」がもっぱら多いです。)
さて、この"haven"という単語は語源を辿るとゲルマン語系なのですが、英単語では"have"や"hold"の意味が元々あり、船舶が停泊する港(つまり"place that holds ships")の意味でした。荒れる航海から安息の地である港(harbor)に戻ってくることに喩えて、安息の地、避難所、といった比喩的な意味で用いられるようになったものです。
税金を免れることができる安息の地(haven)はある意味、当事者にとっての天国(heaven)には違い無いかもしれませんが・・・。
以前取り上げた、"inversion"もご覧ください。
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