街中で、スマホを使って写真やビデオを撮っている光景は珍しくもなくなりました。先日、久しぶりに美術館に出かけたのですが、展示には撮影可のマークが表示されているものと、撮影不可となっているものとがあり、撮影可の展示前では展示を写真に収めようとする人たちで混雑し、やや閉口しました。
撮影可と不可の区別はあるものの、それらの表示に強制力はありません。美術館の職員が傍に立って監視しているのがせいぜい抑止力になるくらいでしょうか。
ところが、技術的に撮影不可を強制することが可能になる日も近いようです。
アイフォーンを製造するアップル社がそのような技術の特許を出願したそうです。
If you’ve ever sheepishly held up your iPhone at a concert to record a video of your favorite band playing your favorite song, the day is likely coming soon when hitting record will result in nothing getting recorded. Why? Because Apple just patented a method to use invisible infrared signals to tell your phone that recording is a no-no at the big show. Or the movie theater. Or during your tour of Area 51.
The system works by using infrared light emitters that hit your phone’s camera system when you try to record something.
(中略)
When this tech might show up in your phone is still unknown, but when it does, it looks like it’s back to stuffing a camcorder down your pants to get that Dave Matthews Band bootleg.
(Caleb Denison. Apple wants to bust your bootlegs by blocking iPhone video recording at concerts. Digital Trends. June 30,2016.)
その技術と言うのは赤外線を利用したものだそうですが、アイフォーンのカメラ機能に作用して、撮影・録画機能を無効にすることができるそうです。
さて、引用した記事のタイトル、文中に、"bootleg"と出てきます。
"bootleg"というのは面白い表現で、昔アメリカで酒を密輸する際に、酒瓶をブーツに隠して運んだことに因むそうです。
密造酒、などと辞書に載っていますが、Merriam-Webster Dictionaryの定義には下記のようにあり、
an illegal copy of a video, CD, etc., or an illegal recording of a live performance
引用した記事での意味合いは「海賊版」とでもなりましょうか。
アップルが特許出願した技術は映画館やコンサートでの適用が考えられるそうです。尤も、これを回避するような抜け穴的技術が出てきたりしていたちごっこを繰り返すのでしょうけど。
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