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2017年2月9日木曜日

sycophant

"sycophant"という単語をご存知でしょうか?

おべっかつかい、という日本語訳が辞書に載っています。目上の人間にへつらいながら、見下している人間には尊大にふるまう野郎のことです。

この"sycophant"については語源に諸説あるということを最近知りました。

そもそも"sycophant"なる単語はギリシャ語から来ているそうなのですが、syco-とはfig(いちぢくのこと)、phan-の部分はギリシャ語のphanein(to show)、つまり、見せるという意味なのだそうです。

従って、いちぢくを見せる、という意味が"sycophant"の元々の意味になるのですが、それが何故「おべっかつかい」に変化したのでしょうか?

Merriam-Websterの語源解説では下記のようにあります。


How did fig revealers become slanderers? One theory has to do with the taxes Greek farmers were required to pay on the figs they brought to market. Apparently, the farmers would sometimes try to avoid making the payments, but squealers—fig revealers—would fink on them, and they would be forced to pay.
(Merriam-Webster Dictionary)


古代ギリシャではいちぢくは貴重だったのでしょうか、市場では特別な税金がかけられていたそうですが、それを免れるために密輸のいちぢくが横行していたようです。ところが、そのような密輸を密告する人たちもいたそうで、「いちぢくを見せる」というのは密告の意味だったという説です。

もう1つの説は同じくMerriam-Websterの解説からですが、読者もご存知のように、握り拳から親指を突き出す軽蔑のジェスチャーがありますね。そのジェスチャーに由来するという説です。


Another possible source is a sense of the word fig meaning "a gesture or sign of contempt" (as thrusting a thumb between two fingers).
(ibid.)

これは、おべっかつかいへの軽蔑の念から生まれたということでしょうか。

ところで、密輸を告げ口するという意味での"sycophant"は、英語辞書の総本山であるOED(Oxford English Dictionary)によれば語源としては根拠不十分だそうです。


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