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2020年11月26日木曜日

up to snuff

 先日は新型コロナウィルスワクチンに関する記事を取り上げましたが、今日もワクチンに関する記事が目に留まりました。

今日引用する記事のワクチンは、先日取り上げた記事のものとはまた別の製薬会社によるものです。

さて、今日取り上げる記事では以下のようなタイトルからスタートします。


The AstraZeneca Covid Vaccine Data Isn't Up to Snuff


ここで使われている、“up to snuff”という表現が分からなかったのです。

辞書を引けばすぐに解決します。

研究社の新英和大辞典に拠れば、


(健康・品質などが)申し分ない、良好で


とあります。

記事を読んでみます。


Sounds like great news, right? Monday’s press release from AstraZeneca presents “convincing evidence that [the vaccine] works,” said Science. But not everyone has been convinced. The price of AstraZeneca’s shares actually dropped on the news, and an analysis from an investment bank concluded, “We believe that this product will never be licensed in the US.” Over at STAT News, Anthony Fauci cautioned that we’ll need to see more data before coming to a conclusion. The skeptics have strong reasons to be concerned: This week’s “promising” results are nothing like the others that we’ve been hearing about in November—and the claims that have been drawn from them are based on very shaky science.
(The AstraZeneca Covid Vaccine Data Isn't Up to Snuff. WIRED. November 25, 2020.)


ワクチンの開発のニュースが製薬会社の株価を左右する時代ですが、アストラゼネカ社のワクチンに関してはどうやら効果には疑問符が付くということのようです。

従って、タイトルの“up to snuff”が意味するところ、つまり件のワクチンが一定品質に達していない、ということを言わんとしているのだな、としっくりとくる訳です。

ところで、“up to snuff”が何故このような意味になるのだろうかと思い調べてみますと、興味深い背景があるようです。

“snuff”には鼻で吸う、嗅ぐという動詞の意味があり、特に嗅ぎタバコを吸うという意味があります。

時は17世紀後半まで遡るそうですが、ちょうどこの頃、嗅ぎタバコというものが流行したそうです。

嗅ぎタバコというのは普通のタバコに比べて刺激が強いらしく、頭をスッキリさせたのでしょうか、頭脳明晰とか鋭敏さを意味するようになったようです。

また、流行の嗅ぎタバコに因んでか、“up to snuff”とは時代の先端(流行)に通じている、というような意味で使われたようです。

これらの意味が少しずつ変容し、ある一定基準に達している、というような意味になったそうですが、タバコに関連して生まれた表現とは意外ですね。



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