唐突ですが、"on the fritz"というフレーズをご存知でしょうか?答えを先に言ってしまうと、壊れている、役に立っていない、という意味です。辞書を引くと下のような例文が載っています。
Our television is on the fritz. (American Heritage Dictionary)
初めて見る表現でした。アメリカ英語の俗語表現(スラング)という解説ですが、ニュース記事でも結構使われているようです。
John Schuller returned home after graduating from Illinois State University in December in order to save money. He started working at a Chicago immigration firm in February and pays for expenses including a gym membership and motorcycle registration and insurance. He will soon start making student-loan payments as well.
Working young adults also should contribute to the household budget in some fashion. Mr. Schuller, 22, says he puts gas in the family car and fixes household appliances that are on the fritz. At a recent family outing for breakfast near his home in Darien, Ill., he picked up the tab.
(Lindsay Gellman. The Benefits of Moving Back Home. The Wall Street Journal. March 31, 2013.)
この表現の由来が気になったので色々な辞書を見てみたのですが、American Heritage Dictionary、Merriam Webster共に、"Origin unknown."、つまり語源不詳となっています。
ところが、ランダムハウス英和によると、"fritz"というのは、"Friedrich"(フリードリッヒ)というドイツ人のごく一般的なファーストネームの短縮形のことであり、言ってみればドイツ人を指す呼称のようなものだということです。ただし、それは蔑称の響きがあり、つまりは日本人をJapとか言うのと同じようなもののようです。
"on the fritz"がなぜ“壊れている”の意味になるのかというと、“第一次大戦以前にアメリカ向けに輸出されていた安価なドイツ製品を暗に指して”、そのような意味に発展した、ということらしいのです。これはランダムハウス英和辞書の解説です。
なるほど面白い語源ではありますが、American HeritageやMerriam Websterで語源不詳となっていることを考えると、この説はやや眉唾的なところがあるのでしょうか。研究社の大英和もチェックしましたが、語源不詳ということです。
ちなみにOnline Etymology Dictionaryによれば、"fritz"がドイツ人名のFriedrichに由来することは説明にありますが、なぜこのような意味の発展を遂げたかについてはやはり"unknown"としています。
2013年4月30日火曜日
2013年4月29日月曜日
“振袖”!? ― batwing
アメリカにおける美容整形のトレンドは顔面や下半身を対象としたものではなく、上腕部を対象にした"brachioplasty"と呼ばれる分野なのだそうです。
上腕部の何が問題なのか、一体どうしたいというのかと思って記事を読んでみますと、いわゆる二の腕部分のたるみを取りたいというのが最近の女性の願望なのだとか。
The fastest-growing area for plastic surgery isn't on the face or below the belt. The arms have it, according to a report released Monday by the American Society of Plastic Surgeons, which found upper-arm lifts have jumped a staggering 4,378% in the past decade.
(中略)
Upper-arm lifts, known as brachioplasty, involve trimming loose skin from a saggy underarm area — those dreaded "batwings" — and may also incorporate liposuction to remove excess fat. Patients are put to sleep for the procedure, but can go home the same day.
(Tracy Miller. Plastic surgery for toned arms: Upper-arm lifts surge more than 4,000% in a decade. New York Daily News. April 29, 2013.)
さて、二の腕のたるみのことを、
batwing
と表現しています。これは字義通りにはコウモリの翼のことを指していますが、二の腕のたるみを表現するのに言い得て妙ではないでしょうか。
そう言えば、日本語では二の腕のたるみを“振袖”などというそうですが、これもまた面白い表現だと思ったことがあります。
英語の"batwing"は、"batwing sleeves"と呼ばれる、服飾において特徴的な袖(袖ぐりが深く、手首部分ですぼまるようになったもの)のことも指すようです。そういえば振袖も服飾の用語ですね。
上腕部の何が問題なのか、一体どうしたいというのかと思って記事を読んでみますと、いわゆる二の腕部分のたるみを取りたいというのが最近の女性の願望なのだとか。
The fastest-growing area for plastic surgery isn't on the face or below the belt. The arms have it, according to a report released Monday by the American Society of Plastic Surgeons, which found upper-arm lifts have jumped a staggering 4,378% in the past decade.
(中略)
Upper-arm lifts, known as brachioplasty, involve trimming loose skin from a saggy underarm area — those dreaded "batwings" — and may also incorporate liposuction to remove excess fat. Patients are put to sleep for the procedure, but can go home the same day.
(Tracy Miller. Plastic surgery for toned arms: Upper-arm lifts surge more than 4,000% in a decade. New York Daily News. April 29, 2013.)
さて、二の腕のたるみのことを、
batwing
と表現しています。これは字義通りにはコウモリの翼のことを指していますが、二の腕のたるみを表現するのに言い得て妙ではないでしょうか。
そう言えば、日本語では二の腕のたるみを“振袖”などというそうですが、これもまた面白い表現だと思ったことがあります。
英語の"batwing"は、"batwing sleeves"と呼ばれる、服飾において特徴的な袖(袖ぐりが深く、手首部分ですぼまるようになったもの)のことも指すようです。そういえば振袖も服飾の用語ですね。
2013年4月26日金曜日
Glassに賭けるグーグル ― bet the house
スマホ全盛時代です。電車に乗るとスマホを触っている人ばかりのように見えます。スマホはコモディティ(日用品)化した感すらあります。
一方、スマホの火付け役であるアップルは株価が低迷しているという報道がされています。同社の今後のイノベーションや経営スピードに市場が懐疑心をもっていることの表れだとか。びっくりするような新製品を開発中だと同社のCEOはぶち上げたそうですが、詳細は不明だとも言われています。
こうした中、次世代のウェアラブルコンピュータが注目されています。最も話題なのはGoogle Glassというメガネでしょうか。
By the time the next presidential election rolls around in the United States, millions of us could be watching the results on our Google Glass. That might not seem crazy, being that the election will be only months after the 2016 Summer Olympics in Brazil, which will be broadcast, viewed, and shared by many via Glass.
This is only a snippet of what the near future could hold if predictions made by research firm IMS come true.
IMS' most optimistic forecast finds that shipments of "smart glasses" -- including Glass and similar products from competitors -- could total almost 10 million worldwide over the next four years. The firm's projections show big jumps in shipments, from 434,000 units next year to more than 2 million in 2015 and 6.6 million in 2016.
(Eric Mac. Imagining a 'Google Glass is half full' world in 2016. CNET News. April 24, 2013.)
IMSという調査会社の報告によれば、今後4年間でGoogle Glassのようなウェアラブルコンピュータの出荷数は世界中で1,000万に達するということです。
尤もこれはやや楽観的な観測で、Google Glassのようなウェアラブルコンピュータのハードウェアそのものよりも、そのハードウェア上で動作するアプリケーションがどれくらい開発されるかにかかっているという但し書きつきです。
"In fact, the hardware is much less relevant to the growth of Google Glass than for any other personal communications device in recent history," wrote Theo Ahadome, senior analyst at IMS, in an email. "This is because the utility of Google Glass is not readily apparent, so everything will depend on the appeal of the apps. ... Google is betting the house that developers will produce some compelling applications for Glass."
(ibid.)
グーグルはウェアラブルコンピュータで競合に先駆けたい思惑があるのでしょう、自社のハードウェアに基づいたアプリケーションが開発されることに賭けている、というのがこの調査会社の見方のようです。
さて、その“賭けている”、というのを表現するのに、
bet(ting) the house
という表現を使っています。これは初めて見る表現でした。辞書を引くと、この表現にはいくつかバリエーションがあるようで、
bet the ranch
bet the farm
などとも表現するようです。つまり、"bet"の目的語になっているのは、家だったり畑や牧場などの土地だったりという訳ですが、言うなれば賭けに負ければかなりの損失になる、ということで、“一か八の”賭けであるということです。
ところで引用記事のタイトルにしゃれが利いているのにお気づきでしょうか?そうです、以前取り上げた、楽観的な態度を意味する"glass is half full"という成句と、Google Glassの"glass"(メガネ)をかけているんですね。
ウェアラブルコンピュータのこれからの行方が注目されます。
一方、スマホの火付け役であるアップルは株価が低迷しているという報道がされています。同社の今後のイノベーションや経営スピードに市場が懐疑心をもっていることの表れだとか。びっくりするような新製品を開発中だと同社のCEOはぶち上げたそうですが、詳細は不明だとも言われています。
こうした中、次世代のウェアラブルコンピュータが注目されています。最も話題なのはGoogle Glassというメガネでしょうか。
By the time the next presidential election rolls around in the United States, millions of us could be watching the results on our Google Glass. That might not seem crazy, being that the election will be only months after the 2016 Summer Olympics in Brazil, which will be broadcast, viewed, and shared by many via Glass.
This is only a snippet of what the near future could hold if predictions made by research firm IMS come true.
IMS' most optimistic forecast finds that shipments of "smart glasses" -- including Glass and similar products from competitors -- could total almost 10 million worldwide over the next four years. The firm's projections show big jumps in shipments, from 434,000 units next year to more than 2 million in 2015 and 6.6 million in 2016.
(Eric Mac. Imagining a 'Google Glass is half full' world in 2016. CNET News. April 24, 2013.)
IMSという調査会社の報告によれば、今後4年間でGoogle Glassのようなウェアラブルコンピュータの出荷数は世界中で1,000万に達するということです。
尤もこれはやや楽観的な観測で、Google Glassのようなウェアラブルコンピュータのハードウェアそのものよりも、そのハードウェア上で動作するアプリケーションがどれくらい開発されるかにかかっているという但し書きつきです。
"In fact, the hardware is much less relevant to the growth of Google Glass than for any other personal communications device in recent history," wrote Theo Ahadome, senior analyst at IMS, in an email. "This is because the utility of Google Glass is not readily apparent, so everything will depend on the appeal of the apps. ... Google is betting the house that developers will produce some compelling applications for Glass."
(ibid.)
グーグルはウェアラブルコンピュータで競合に先駆けたい思惑があるのでしょう、自社のハードウェアに基づいたアプリケーションが開発されることに賭けている、というのがこの調査会社の見方のようです。
さて、その“賭けている”、というのを表現するのに、
bet(ting) the house
という表現を使っています。これは初めて見る表現でした。辞書を引くと、この表現にはいくつかバリエーションがあるようで、
bet the ranch
bet the farm
などとも表現するようです。つまり、"bet"の目的語になっているのは、家だったり畑や牧場などの土地だったりという訳ですが、言うなれば賭けに負ければかなりの損失になる、ということで、“一か八の”賭けであるということです。
ところで引用記事のタイトルにしゃれが利いているのにお気づきでしょうか?そうです、以前取り上げた、楽観的な態度を意味する"glass is half full"という成句と、Google Glassの"glass"(メガネ)をかけているんですね。
ウェアラブルコンピュータのこれからの行方が注目されます。
2013年4月25日木曜日
PVって何のこと? ― photovoltaic
Googleニュースの見出しを眺めていたら、
US Embassy in Tokyo turns to PV
という見出しが目に留まりました。東京のアメリカ大使館が“PV ”に転換、と読めますが、このPVって一体何のことでしょうか?リードが下記のように続きます。
The US Embassy in Tokyo will deploy rooftop PV in a bid to help its host nation’s shift to renewable energy – and tap into its generous feed-in tariff (FIT).
(US Embassy in Tokyo turns to PV. Recharge News. April 23, 2013.)
"rooftop PV"、"renewable energy"などのキーワードに着目すれば、太陽光発電の話だと想像がつきます。PVは略語のようですが、何のことなのか依然分からず、辞書を引きますが載っていません。
仕方ないので、"rooftop PV"というキーワードでネット検索すると、PVは当たり前のように使われていることが分かります。そしてPVとは、
photovoltaic
の略でした。"photovoltaic"のエントリは辞書にあり、“光起電の”という意味の形容詞です。
いわゆる太陽光発電のためのソーラーパネルのことは、"photovoltaic panel"とも表現されています。
英語で、"solar panel"という代わりに、"photovoltaic panel"と言ったら、尊敬されるかも(!?)
US Embassy in Tokyo turns to PV
という見出しが目に留まりました。東京のアメリカ大使館が“PV ”に転換、と読めますが、このPVって一体何のことでしょうか?リードが下記のように続きます。
The US Embassy in Tokyo will deploy rooftop PV in a bid to help its host nation’s shift to renewable energy – and tap into its generous feed-in tariff (FIT).
(US Embassy in Tokyo turns to PV. Recharge News. April 23, 2013.)
"rooftop PV"、"renewable energy"などのキーワードに着目すれば、太陽光発電の話だと想像がつきます。PVは略語のようですが、何のことなのか依然分からず、辞書を引きますが載っていません。
仕方ないので、"rooftop PV"というキーワードでネット検索すると、PVは当たり前のように使われていることが分かります。そしてPVとは、
photovoltaic
の略でした。"photovoltaic"のエントリは辞書にあり、“光起電の”という意味の形容詞です。
いわゆる太陽光発電のためのソーラーパネルのことは、"photovoltaic panel"とも表現されています。
英語で、"solar panel"という代わりに、"photovoltaic panel"と言ったら、尊敬されるかも(!?)
2013年4月24日水曜日
英国発:紅茶人気は健在 ― cuppa
唐突ですが、あなたはコーヒー派ですか?それとも紅茶派?
私はどちらかと言えばコーヒー派で、今朝もコーヒーを飲んでから出かけましたが、紅茶も嫌いではありません。レストランで食後にコーヒーか紅茶かを聞かれると、やはり大抵はコーヒー、またはエスプレッソなどと答えますが、まれに紅茶を選択します。
さて、紅茶を選択すると次の質問が、レモンですか、ミルクですか、というものですが、そこではレモンにします。理由は、家で紅茶を飲むときわざわざレモンのスライスを準備したりするのは面倒なので、大抵ストレートからミルクを入れることになるからです。要は面倒くさい(笑)、ということです。
さて、コーヒーチェーンは世界の街の至る所にありますが、不思議と紅茶のお店、それもチェーンとなるとあまり聞いたことがありません。
英国でもコーヒーショップにおされ気味のきらいもあるようですが、それでも紅茶人気は健在のようです。
ところで今日の1語、"cuppa"は、"cup of tea"の略で、一杯のお茶、つまり紅茶のことを指します。
With coffee shops springing up across the country, it seemed Britain’s reputation as a nation of tea drinkers was under strain.
But a study has revealed that our love affair with the cuppa is still as strong as ever.
We typically brew up three-and-a-half times a day, although one in four thirsty Britons will get through five cups or more.
(So how do YOU like your cup of tea? Britain divided on how much milk to put in your cuppa. The Daily Mail. April 23, 2013.)
紅茶と言えばイギリス、イギリスと言えば(コーヒーではなくて)紅茶、したがって、"cuppa"もイギリス英語での表現です。
私はどちらかと言えばコーヒー派で、今朝もコーヒーを飲んでから出かけましたが、紅茶も嫌いではありません。レストランで食後にコーヒーか紅茶かを聞かれると、やはり大抵はコーヒー、またはエスプレッソなどと答えますが、まれに紅茶を選択します。
さて、紅茶を選択すると次の質問が、レモンですか、ミルクですか、というものですが、そこではレモンにします。理由は、家で紅茶を飲むときわざわざレモンのスライスを準備したりするのは面倒なので、大抵ストレートからミルクを入れることになるからです。要は面倒くさい(笑)、ということです。
さて、コーヒーチェーンは世界の街の至る所にありますが、不思議と紅茶のお店、それもチェーンとなるとあまり聞いたことがありません。
英国でもコーヒーショップにおされ気味のきらいもあるようですが、それでも紅茶人気は健在のようです。
ところで今日の1語、"cuppa"は、"cup of tea"の略で、一杯のお茶、つまり紅茶のことを指します。
With coffee shops springing up across the country, it seemed Britain’s reputation as a nation of tea drinkers was under strain.
But a study has revealed that our love affair with the cuppa is still as strong as ever.
We typically brew up three-and-a-half times a day, although one in four thirsty Britons will get through five cups or more.
(So how do YOU like your cup of tea? Britain divided on how much milk to put in your cuppa. The Daily Mail. April 23, 2013.)
紅茶と言えばイギリス、イギリスと言えば(コーヒーではなくて)紅茶、したがって、"cuppa"もイギリス英語での表現です。
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