インターネットに日々アクセスする人のうち、グーグルマップを利用したことのないという人はまずいないと思いますが、今や出張の経路確認や出かける前の渋滞情報も含めて、欠かせないサービスの1つと言えます。
中でも2次元的な地図に留まらず、実際にその場所を歩いているような気にさせてくれるストリートビューはプライバシー上の懸念などから大変な物議を醸しましたが、これまたお世話になっている人も多いのではないでしょうか。テクノロジーの進歩というのは本当に驚くべきものです。
そのグーグルが、ストリートビューをさらに進歩させるべく、自動車ではアクセスできないような地まで、その映像を取り込むプロジェクトをスタートしたようです。車でアクセスできない場所ですから、徒歩でアクセスすることになりますが、トレッキングなどを専門にする人たちに呼びかけているようです。
Google is petitioning explorers to help it take Google Maps to where no roads go -- through South American jungles, into Africa's canyonlands, among Asia's thousands of islands, across Hawaiian lava fields, and more.
The tech giant announced Thursday that it's asking third-party organizations to strap on its Street View Trekker back-pack and contribute imagery to help the company "build the very best map of the world."
(中略)
Google Maps has increasingly brought armchair travelers to some of the most difficult places to reach on Earth. In March, the Web giant released a way to visit the mammoth peaks of Mount Everest, Kilimanjaro, Aconcagua, and Mount Elbrus. And, over the past year, it has explored a remote region of Brazil's Amazon, swam underwater in Australia's Great Barrier Reef, and ventured out to hard-to-reach areas near the South Pole and the North Pole. It even brought Street View to Japan's Fukushima nuclear no-go zone.
(Dara Kerr. Google loans out Street View Trekker for global exploration. CNET. June 27, 2013.)
今日は"armchair traveler"という表現を取り上げたいと思います。
言わんとするところは何となく分かるかと思います。"armchair"とは肘掛け椅子のことですが、辞書を引くと、
実際の経験を持たない、実務経験を持たない
間接的に経験[参加]する
という意味があることが分かります。
armchair critics
armchair analysts
などの表現に見られる"armchair"という形容には何となく蔑みの響きがあります。口だけ、知識だけ、という訳です。
"armchair traveler"についてはどうでしょうか。実際に旅に出かけることなく、グーグルマップやストリートビューを通して旅行した気分に浸る人のことであると解釈できます。批判的に捉えることもできれば、単に旅行雑誌やガイド、地図の類を愛読する人のことを指すのにも使われそうです。ランダムハウス英和では、“紙上旅行者”という訳が載っていました。
グーグルマップやストリートビューが世に出てくるずっと前からこの表現はあったものですが、自宅の肘掛け椅子に座っていても、マウス操作1つで(あるいは、指先1つで)そう簡単にはアクセスできないような辺境の地のイメージを見ることができるという意味では、現代のイメージに何とぴったりくる表現ではないでしょうか。
2013年6月28日金曜日
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