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2016年5月24日火曜日

grow teeth

フィットビット(Fitbit)というウェアラブル端末をご存知でしょうか?腕時計のように手に装着し、血圧や心拍数などを記録することができる、近頃流行りのデバイスのようです。

私は使ったことも無く、また買おうとも思いませんが、その理由としてはこうしたデバイスにあまり信頼を置いていないというのがあります。GPSウォッチなんかもそうですが、その手のデバイスが計測してくれる距離や血圧って本当に正確なの?と思うわけです。

訴訟社会と言われるアメリカでは、正確でない測定には物申す、ということでしょうか、製造販売元に対する集団訴訟が起きているそうです。


A class action lawsuit against Fitbit may have grown teeth following the release of a new study which claims the company's popular heart rate trackers are "highly inaccurate."

Researchers at the California State Polytechnic University, Pomona tested the heart rates of 43 healthy adults with Fitbit's PurePulse heart rate monitors, using the company's Surge watches and Charge HR bands on each wrist.

Subjects were then hooked up to a BioHarness device that produced an electrocardiogram (ECG), to record the heart's rhythm against the data being produced by Fitbit's devices.

Comparative results from rest and exercise, including jump rope, treadmills, outdoor jogging and stair climbing, showed that the Fitbit devices miscalculated heart rates by up to 20 beats per minute on average during more intensive workouts.
(Kalyeena Makortoff. Study claims Fitbit trackers are 'highly inaccurate.' CNBC. May 24, 2016.)


記事によりますと、調査の結果、Fitbitで計測される心拍数は実測値と平均20程度の差異が認められたということです。

さて、引用した上記の部分の冒頭に出てくる、


have grown teeth


という表現が引っかかりました。

主語は"a class action lawsuit"ですから、「集団訴訟がその攻勢を強めている」というくらいの解釈になるのだろうと思いますが、果たしてそのような意味で用いられる成句なのかと思って辞書を引いてみましたが、それらしき表現が見当たりませんでした。

コーパスなどでも用例は見当たらず、特殊な用法のようにも思われますが、「歯、牙」(tooth)は日本語でも実効性や勢いを殺がれた状態を表現するのに「牙を抜かれた」と言うように、単なる体の一部を指す名詞以外の意味を持っています。

Merriam-Webster Dictionaryによれば、複数形としての"teeth"の意味として、


the power that makes something effective


という説明を挙げています。

"grow teeth"は単にこの意味での"teeth"を目的語に据えた表現なのかも知れませんが、用法として気になるところです。


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