"feet of clay"という表現をご存知でしょうか。
欠点、弱点、という意味ですが、特に尊敬される人や高い地位にある人に認められる隠れた弱み、欠点という含みがある表現です。
"clay feet"とも言います。
いくつか用例を。
Leaders disappoint. They always do. Even the greatest have clay feet.
(John Podhoretz. Andrew Cuomo’s fall is a reminder NEVER to idolize politicians. New York Post. August 11, 2021.)
Many of the great founders of the American republic had feet of clay - Thomas Jefferson and Daniel Webster, for example - yet remain high in public esteem.
(Christian Science Monitor, 1990)
さて、"clay"とは粘土、土のことです。
"feet of clay"は、土で出来た足、ということなのですが、この表現は旧約聖書のダニエル書から来ているとほとんどの辞書に載っています。
ダニエル書の該当箇所を手元にある聖書で読んでみました。
巨大な像の夢を見た王が、占い師や賢者らにその夢の解釈をさせるという話から始まるのですが、誰にもそれができないでいたところ、預言者のダニエルが登場します。
ダニエルは王の見た夢の内容とその解釈をするのですが、巨大な像については「頭が純金、胸と腕が銀、腹と腿が青銅、すねが鉄、足は一部が鉄、一部が陶土」(新共同訳)で出来た像であると言います。この「一部が鉄、一部が陶土」である足、という箇所が"feet of clay"に相当する箇所です。
そして、一つの石が、この像の鉄と陶土の足を打ち砕いた、とあります。像は倒れ、金も銀も青銅も、皆跡形もなくなった、と続きます。
足の一部を構成してる陶土(clay)は脆いものの象徴であり、夢の内容はいずれ起こるであろう国の分裂と崩壊を予言するものである、というのがダニエルの解釈となっています。
0 件のコメント:
コメントを投稿