そういうわけで、日本語にすると、“○○屋さん”、あるいは“ナントカ屋”ということになりますが、この“ナントカ屋”という表記には多少の蔑みがあるということもできるでしょう。よく新聞記者のことを、“ブンヤ”などと言いますが、新聞記者を生業としているその人自身が言う場合にはややへりくだった表現として、他人が相手の職業について言う場合には多少の揶揄が含まれていると考えられます。
"monger"も恐らくはこのようなコンテクストで捉えられる語なのだと思われますが、上で引用したように、"Often used in combination"ということで、下記のような例があります。
costermonger
fashionmonger
fishmonger
gossipmonger
ironmonger
newsmonger
phrasemonger
rumormonger
scandalmonger
scaremonger
warmonger
whoremonger
"newsmonger"は上で言う"ブンヤ"かと思いきや、"ニュース(うわさ)を広めたがる人"のことを言うようです。その意味では、rumormongerと同義です。
上記はあくまで辞書のエントリにあるというだけのことで、実際にはもっと多くの実例が存在します。また、言葉は生き物ですから、"monger"との組み合わせはある意味無限です。興味深いのは、この表現は、"fishmonger"のように、純粋に“魚売りを生業にする人”から、多少の侮蔑を含んだ“~屋”といった意味、さらに、“(デマなどを)言いふらす人”、といったように、蔑みの程度がだんだんと強調されているように思われる点です。
日本語でも思い当たるかと思いますが、話者とコンテクストによっては、下記のような表現は非常にironicalに響きます。
~先生
~家
~論者
上のような表現を使いながら、その実意味しているのは下記の表現かも知れません。
~野郎
~マニア
~オタク
~ゴロ
~キチガイ
と、ここまで色々検索などしておりましたら、“キチガイ”は差別語とありましたので、この辺で止めておきます。
mongerで検索してたらこのブログをみつけました。
返信削除とてもわかりやすくて、勉強になりました。
ありがとう!