最近30日間のアクセス数トップ3記事

2021年2月3日水曜日

覚えられない単語 ― precarious

お待たせしました、「覚えられない単語」のシリーズです。

以前に"vicarious"を取り上げた際に予告しましたが、その"vicarious"とスペルがよく似ている、


precarious


が今日の単語です。

予告の際にも申し上げましたように、スペルは似ていますが、その意味や語源は全く関係がありません。

まず、意味のレビューから始めますと、"precarious"とは、


成り行き任せの; 不安定な、当てにならない
(ランダムハウス英和辞書)


という意味で使われる形容詞です。

例えば、


a precarious livelihood(心許無い生計)
(研究社新英和大辞典)


といった具合です。

語源に目を向けると、この単語はラテン語でprexという名詞に由来します。このラテン語名詞の意味は「懇願」、「祈り」(つまりprayer)です。

このラテン語prexが格変化して、属格(所有の意味合い)ではprecisとなり、さらに副詞ではprecariusというラテン語になります。

従って、"precarious"の原義は、(他人へ)懇願することによって得られる、という意味です。

他人次第なので、当てにならない、という意味になり、不安定な、とか成り行き任せ、という意味に発展したのです。


Dr Som Sarkar is the clinical leader for critical care at Sherwood Forest Hospitals says the hospital is at a stage where "the provision of safe services may be compromised".

Patients sometimes have to be transferred further afield, something that rarely happens in non-pandemic times and which adds a significant burden - not least for families whose loved ones may be treated hundreds of miles away.

Dr Sarkar says they "continue to cope but it is very precarious."
(Hugh Pym. 'We're coping - but it's precarious'. BBC News. January 26, 2021.)


「神頼み」といっても良いかもしれません。


0 件のコメント:

コメントを投稿