日本語でも”トレース”というカタカナ語が定着しています。”追跡する”という日本語訳には異論はないと思います。トレーサビリティ(追跡可能性)というカタカナ語も、食肉の分野の不祥事などですっかり定着しているのではないでしょうか。
トレースする目的は源流にたどり着くことであることは言うまでもないと思いますが、”追跡する”という日本語では、行為そのものに焦点が当てられていて、さてたどり着いた先が何であったかまではあまり重要視していないという感じもします。
英語の動詞traceには、追跡する、という行為を示す意味が勿論ありますが、
”(追跡で遡った結果)(起源、原因が)~に由来すると(結論付ける)”
という意味もあるようです。”あるようです”と歯切れが悪いのは、このような用法が確立されたものなのか否か、辞書からははっきりしないからです。この場合の"trace"は他動詞であり目的語を取りますが、前置詞toを伴い、
trace A to B
のような形式で、
Aの原因をBに帰する
AがBに由来するとする
というような意味を持っていると思われます。その意味では、動詞”attribute"に近いものがあるように思われます。
A Rhode Island company, Daniele Inc., recalls 1.24 million pounds of pepper-crusted salami after officials trace the outbreak to its product, based on a comparison of shopping receipts.
Burrillville, R.I. - A Rhode Island meat company recalled 1.24 million pounds of pepper-coated salami Saturday, after officials conducting a months-long, multistate investigation of a salmonella outbreak compared shopping receipts of those who got sick.
(Salami recalled in multistate salmonella outbreak. The Los Angels Times. January 24, 2010.)
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