南極のPine Island Glacier (PIG)という、南極大陸でも最大級の突出部に約30 kmに渡るひび割れが観測され、巨大氷山が形成されることになりそうだと報道されています。
Major berg forming in Antarctica
A rift has formed in the shelf of floating ice in front of the Pine Island Glacier (PIG).
The surface crack in the PIG runs for almost 30km (20 miles), is 60m (200ft) deep and is growing every day.
US space agency (Nasa) researchers expect the eventual berg to cover about 880 sq km - an area the size of Berlin. It should break away towards the end of the year or early in 2012.
Pine Island Glacier is one of the largest and fastest-moving tongues of ice on the White Continent and drains something like 10% of all the ice flowing out of the West Antarctic Ice Sheet into the ocean.
(Jonathan Amos. Major berg forming in Antarctica. BBC News. November 3, 2011.)
ひび割れ=亀裂(rift)は時間と共に大きくなってきており、今年末か年明けの2012年初めまでには巨大な氷山が生まれると予測されています。そしてその巨大氷山の大きさはドイツの都市であるベルリンほどのサイズ(!)と言いますから、スケールの大きな話です。
さて、今日は"berg"という単語を取り上げました。カタカナにすると“バーグ”かも知れませんが、ハンバーグのことではありませんよ!?これはつまり、"iceberg"(氷山)のことです。辞書を引くと、"berg" = "icerberg"とありますのでそれまでですが、語源に目を向けると興味深いものがあります。
"iceberg"という単語は、オランダ語である、"ijsberg"(ijs=氷、berg=山)という単語に由来するものです。ドイツ語では、"Eisberg"であり、同様に”氷”+”山”です。
なぜか英語では、前半の"ijs-"(もしくは"Eis-")は自国語の"ice"に翻訳し、後半の"-berg"は借用して、"iceberg"としました。
これは面白い現象です。しかも、記事の引用にもありますように、もとはオランダ語、ドイツ語そのままである、"berg"のみを用いている点も興味深いものがあります。
同様の現象が見られる単語に、
smearcase(ドイツ語"Schmierkase"の前半は英語化して"smear-"、後半は借用"-case")
sitzbath(ドイツ語"Sitzbad"の前半"sitz-"は借用、後半は英語化して"-bath")
などがあります。
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