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2011年11月10日木曜日

オリンパス不祥事、上場廃止の可能性 ― delisting

外国人社長解任劇のドタバタから一転、老舗で優良企業と思われていたオリンパスの損失隠しの疑惑が明るみになり、昨日には社長が組織ぐるみの粉飾決算だったことを認めるに至り、一面トップを飾る記事になっています。

海外メディアでも経済関連のトップ記事で取り上げています。

さて、邦紙でも報じられていますが、今回の不正の重大性に株式市場、東証は元より、検察特捜部も関心を寄せているそうで、オリンパス社の上場廃止の可能性が取りざたされています。

ところで、上場廃止は英語で何と言うのでしょうか?

正解は以下の引用中に。


Olympus Corp. (7733)’s admission that it hid losses by overpaying advisers may lead to its delisting by the Tokyo Stock Exchange and is sparking criticism of corporate-governance standards in the world’s third-largest stock market.

Olympus, the world’s biggest maker of endoscopes, earlier this week said it concealed losses by paying $687 million to advisers on a 2008 acquisition. The TSE said it’s considering moving the Tokyo-based company to a watch list for possible delisting because of accounting fraud.
(Olympus Scandal Means ‘Japan Way’ No Longer Excuse. Bloomberg. November 10, 2011.)


答えは、"delisting"でした。辞書を引きますと、動詞"delist"としてエントリがあります。

上場企業の一覧のことを英語で、"a list"と呼びます。リストそのものです。また、上場企業は、"a listed company"と表現されます。"delist"は、分離や離脱を意味する接頭辞の"de-"と、"list"が結合したものです。

さて、おまけでもう1つ。上記の引用の2段目に、"a watch list"という表現が出てきますが、これは何を指しているのでしょうか?

これはいわゆる“監理ポスト”と呼ばれるものです。東証(TSE)では上場廃止の基準を定めていますが、不正の発覚などで即上場廃止になるのではなく、まずは監理ポストというものに当該企業の株式が移されるのだそうです。


Under Tokyo exchange rules, a company found to have falsified earnings statements is first placed under the “watch list” post, where it is kept for a month. During that period, the exchange will review the magnitude of the wrongdoings, including whether the falsification was done in an organized manner.

Should the falsification be considered malicious, the exchange may decide to delist the company. Once that decision is made, a monthlong waiting period commences before the stock is formally delisted.
(ibid.)


上場廃止となるのか行方が注目されますが、オリンパスという企業へのダメージは相当大きいものになると思われます。自業自得と言えばそれまでですが、内視鏡など医療・生命関連の製品をトップシェアに抱える企業だけに、一般への影響も心配ではあります。この点、多くの報道は投資家や株式市場への影響への言及に終始しているように思うのは私だけ?

今日は株式関連の用語の勉強になりました。

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