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2012年4月3日火曜日

crystal ball

"crystal ball"(水晶球)と聞いて何を思い浮かべますか?ずばり、占い師、預言者ですね。

預言者が水晶球を覗いて、近い将来のことを予言するというイメージは子供向け漫画からハリーポッター(?)に至るまで、ほぼ定着したイメージではないでしょうか。

こうした連想から、"crystal ball"は預言(者)の持つ能力、予見可能性、といった概念を意味するメタファーとして使われます。

下記の引用をご覧ください。


A new study warns that scientists can't predict most diseases for most people by mapping their genomes, raising a flag about a nascent technology that has been expected to ring in an era of tailored treatments.

Mapping a person's genome, or genetic blueprint, "is not a crystal ball," said Bert Vogelstein, co-author of the study and professor of oncology at Johns Hopkins Kimmel Cancer Center. "And this is a reality check."
(Gautam Naik. Gene Maps Are No Cure-All. The Wall Street Journal. April 2, 2012.)


遺伝子マッピングが実用化され、テーラーメード医療などへの期待が高まっていますが、将来罹るであろう疾患の予測の精度においてはまだまだだということです。

記事によりますと、ゲノム解析は単一の遺伝子異常によって引き起こされる希少疾患の予測には有用なものの、多くの遺伝子が複雑に絡む一般的な疾患においては分からないのだそうです。例えば、卵巣ガンについて言えば、全米の220万人くらいの女性が罹患すると言われていますが、ゲノム解析により罹患が予測できるのは、仮に220万人全員にゲノム解析を行ったとしても、10万人程度にとどまる(つまり5%程度の精度)ということです。

つまり、これらの技術はまだ完璧な物ではないという研究成果なのですが、記事タイトルの、"Gene Maps Are No Cure-All"(遺伝子マッピングは万能薬ならず)にしても、"not a crystal ball"にしても、そのことを指しています。

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