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2013年5月27日月曜日

valedictorian

早いもので5月も今週でおしまいです。五月病という言葉がありますが、4月に新入学や新年度をスタートする日本特有のタームですね。考えてみれば、アメリカの教育システムでは9月入学、5月(6月)卒業ですから、この時期は卒業シーズンということになります。

こういう知識がないと、メディアの記事もすっと入ってきません。


She may have lacked a home, but now this teen has top honors.

A 17-year-old student who spent much of high school living bouncing around homeless shelters — and sometimes sleeping in her car — today graduated as valedictorian of her class at Charles Drew High School in Clayton County, Ga., just outside of Atlanta.

Chelsea Fearce, who held a 4.466 GPA and scored 1900 on her SATs despite having to use her cellphone to study after the shelter lights were turned off at night,

“I know I have been made stronger. I was homeless. My family slept on mats on the floor and we were lucky if we got more than one full meal a day. Getting a shower, food and clean clothes was an everyday struggle,” Fearce said in a speech she gave at her graduation ceremony.
(Michael Blaustein. Homeless teen graduates as valedictorian of high school class. New York Post. May 24, 2013.)


"valedictorian"とは、卒業生総代という意味の単語です。総代に選ばれるのは成績が最優秀な学生と決まっており、非常に名誉なことであることは日本もアメリカも一緒です。

"valedictorian"の語源を紐解いてみましょう。

多くの辞書で、ラテン語で別れを意味する"vale-"と、言うという意味の"dicere"が結合した、"valedicere"に由来するという説明があるでしょう。

ところで、"vale-"に別れの意味があるという点が気になったのでもう少し調べてみました。

確かに、"vale"はラテン語で“さようなら”の意味で用いられていますが、American Heritage Dictionaryを見ると同語源の単語には、


valid
valor
value
prevail
wield


などといった単語があり、“別れ”という意味合いとはつながらない単語ばかりです。これはどうしたことでしょう。

これは、"valeo"というラテン語の動詞は元々、力がある、能力がある、健康である、という意味で使われていたのです。その命令形"vale"は、言うなれば、“健康であれ、元気であれ”、ということになり、つまりは人と別れる際の、“ごきげんよう”に通じるという訳です。


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