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2013年5月29日水曜日

米最大のスペル競技会が始まる ― spelling bee

"Spelling Bee"という競技をご存知でしょうか?英単語のスペルの正確さを競う競技のことです。最も多くの単語を正確にスペルする(綴る)ことができた人にチャンピオンの栄誉が送られます。

今日(5月29日)から30日にかけて、アメリカで最大のSpelling Beeである、Scripps National Spelling Bee 2013が開催されるということで、各メディアが報じています。


It's National Spelling Bee time!

That means nearly 300 spellers are coming together this week at the 2013 Scripps National Spelling Bee in a battle over words.

Whether it's "receive" or "conscience," we want to know the words that you don't always get right (not rite or write)!
(Desair Brown. What word do you frequently misspell? USA Today. May 28, 2013.)


ところで、なぜ"spelling bee"と呼ぶのでしょうか?

"bee"とはハチ(蜂)のことですが、"bee"のエントリをよく見てみると、


(仕事・競技などの)会、会合、寄り合い、集まり


という意味があることが分かります。American Heritage Dictionaryでは、


A social gathering where people combine work, competition, and amusement


とあり、"husking bee"(トウモロコシの皮むきのために農家などの近所が寄り合う集い)、"quilting bee"(キルトを作る社交的な集まり)など、同様の表現が他にもあります。なるほど"spelling bee"についても納得です。

ところで、Scripps National Spelling Beeの公式サイトには、"spelling bee"という単語の語源に関して興味深い解説をしています。

読んでいただくと分かりますが、"bee"はハチ(蜂)のことではなく、中英語のbene("prayer"、"a favor"の意味)に由来するという説です。この中英語はイギリス方言で、"been"、もしくは"bean"というスペルの単語になり、"voluntary help given by neighbors toward the accomplishment of a particular task"、つまりトウモロコシの皮むきやキルト作りなどの労働や作業のために各々が集まり協力すること、を指す意味で使われていたのだそうです。"spelling bee"の"bee"はこのイギリス方言の"been"が短くなったもの、ということなのです。

働き蜂が集団で行動したり巣を作る習性を考えると"bee"のこのような意味がイメージではうまくつながるのですが、上記のような語源の説もあるというのは発見でした。

ところで、私はこの"spelling bee"という競技の具体的な競技内容やルールなどについては実はあまり知らなかったのですが、今日この単語を取り上げたきっかけで公式サイトを調べたおかげで色々と分かりました。

まず、競技に参加できるのは、8th grade(13~14歳)までの子供だということです。

Scripps National Spelling Beeでは、競技は予選(Preliminaries)、準決勝(Semifinals)、決勝(Championship Finals)の3部からなり、予選や準決勝ではコンピュータでの選択式設問によるテストと口頭でのテストが、決勝ではPronouncerと呼ばれる出題者が単語を発音し、それを参加者であるSpellersが口頭でアルファベットを答え、正しくスペルできるか否かの“口頭試問”がメインになるそうです。

当然ですが、予選、準決勝と進む中で得点順にふるい落とされ、決勝ではスペルを間違った時点で失格となるようです。

“口頭試問”において、Spellersは求められている単語に関して、その定義や語源、品詞などを質問することもできるそうです。

優勝者には何と3万ドルもの賞金が送られるということで、盛り上がるのも無理はなさそうです。

ちなみに、Scripps National Spelling Beeのサイトでサンプルテストがあったので試しに受けてみましたが、かなり難しく、回答を見ても見たこともないような単語が並んでいました。恐るべし・・・。


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