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2016年12月30日金曜日

glass cliff

2016年最後の投稿となります。本年もご愛読、誠にありがとうございました。

さて、1年を締めくくるのに相応しい単語・表現を、などと力んでしましますが、今日は"glass cliff"という表現を取り上げたいと思います。


For many women working in the U.S., 2016 was a year of disappointment. Women's health organization Planned Parenthood suddenly became endangered; Yahoo CEO Marissa Meyer (sic) fell off the glass cliff; the "female Steve Jobs" turned out to be a hoax; and American voters elected a man who bragged about groping women as their president.

But instead of dwelling on the past, let's look to the future, and in particular workplace policies. There's actually quite a bit for women—and workers in general—to be excited for in 2017.
(Valentina Zaria. Here’s What Working Parents Have to Look Forward to in 2017. Fortune. December 29, 2016.)


女性の活躍、社会進出ということは常に話題であり、多くの企業、また政治の場においても課題となっています。ですが、今年は女性初の米国大統領を目指したヒラリー・クリントン氏がトランプ候補に破れ、やはりガラスの天井(glass ceiling)を突き抜けることが叶いませんでした。

また、記事にも出てきますが、インターネット検索大手のYahoo!の女性CEOであるMarissa Mayer氏はCEOという重責に任命された直後に出産をし、ワーキングマザーとしてすぐに職場復帰したことで話題になりましたが、同社の業績は低迷し、最近では個人情報流出事件なども相次ぎ、活躍や成功といったイメージからは隔たりがあると言わざるを得ません。

そのMayer氏について、



fell off the glass cliff


と表現しています。

この"glass cliff "という表現は2016年のWord of the Yearにノミネートされた単語の1つです。

Oxfordのウェブサイトで紹介されている定義は下記のようになっています。


glass cliff, n. used with reference to a situation in which a woman or member of a minority group ascends to a leadership position in challenging circumstances where the risk of failure is high.


この表現の誕生についての考察はこのウェブサイトに詳しいですが、女性がせっかく上級管理職のイスを得たとしても、そのポジションが如何に脆いものであるか、を表現したものであるということです。

Mayer氏のケースでも、すでに同社の業績が低迷期にあった時期に同氏がCEOとして迎えられたという背景があります。勿論、女性ならではのリーダーシップや手腕を期待されてのことだった訳ですが、うまく行かないとなると、やはり女性は・・・、という見方をされてしまいます。

"glass ceiling"における、"glass"は存在するけれども見えない(女性の社会進出を阻む壁)という比喩ですが、"glass cliff"における"glass"は「脆さ」や「不安定さ」の比喩です。


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