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2019年6月13日木曜日

crisscross

記事の引用からどうぞ。


When new figures released last week showed a jarring rise in homelessness around Los Angeles, the response throughout Southern California was shock and indignation.

The reaction from the crowded field of Democratic presidential candidates: silence.

While White House hopefuls crisscross the country, making big promises on issues such as college debt relief, climate change and boosting the working and middle classes, they have largely ignored an issue — the soaring number of unsheltered Americans — that has reached a crisis point in communities on the West Coast and elsewhere.
(Homelessness is a crisis in California. Why are 2020 candidates mostly ignoring it? Los Angeles Times. June 10, 2019.)


先進国における貧困の話題です。アメリカではホームレスの人の数が増加しており、特にカリフォルニア州では突出しているそうですが、大統領選に名乗りを上げる政治家達にはこの問題に正面から取り組む様子が見られないとのことです。

今日取り上げる単語は、"crisscross"という単語です。再度引用すると、


White House hopefuls crisscross the country


という部分で"crisscross"は動詞として使われていますが、意味は「縦横に動く、移動する」という意味です。

政治家が遊説のために国中を走り回っている、アメリカだと飛行機で飛び回っているというイメージでしょうか。

単純に"cross"という部分から、十文字、つまり交差のイメージが浮かびます。

ところが興味深いことに、語源としては、"christcross"から来ている、という説明なんですね。"christ-"はキリストのことですね。

American Heritage Dictionaryの語源解説には以下のようにあります。


Alteration of Middle English Cristcrosse, mark of a cross, short for Cristcross (me speed), may Christ's cross (give me success).


解釈すると、"christcross"とは十字架のことで、"may Christ's cross"というお祈りの言葉から来ているんですね。どうかうまく行きますように、という願いです。

昔のアルファベットの教科書には最初に十字架のマークがあって、このお祈りの言葉を唱えてから学習に入ったとか。学業成就の願いが込められていたんですね。

こうしたいきさつは長い月日の中でいつしか失われてしまい、単に十文字のイメージだけが残ってしまったようです。ちなみに、そのスペルからreduplicativeの一種と誤って解釈されてもいます。


1 件のコメント:

  1. 蘭です。
    貧困問題は世界中のどの国でも目立つ問題になっていくようです。科学技術によって、人間の生産能力が高めていく一方、貧しい人の数が一層高まってしまいました。国としては社会が創出する富を市場で分配し、国によって再分配するべきですが、なかなかその役割を果たしてきていないような気がします。
    crisscrossといえば、表参道のテラスカフェを思い出してしまいます。もう一度、家族連れて日本旅行したくなりました。

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