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2024年5月29日水曜日

faggot

ローマ教皇フランシスコが発言の中で同性愛者を指す蔑称を使ったと報じられています。

その「蔑称」が何だったのか明示していないメディアもありますが、ロイターの記事によれば、それがイタリア語の"frociaggine"だったとあります。

英語では、"faggottness"に相当するとあります。


VATICAN CITY (Reuters) - Pope Francis used a highly derogatory term towards the LGBT community as he reiterated in a closed-door meeting with Italian bishops that gay people should not be allowed to become priests, Italian media reported on Monday.

La Repubblica and Corriere della Sera, Italy's largest circulation dailies, both quoted the pope as saying seminaries, or priesthood colleges, are already too full of "frociaggine", a vulgar Italian term roughly translating as "faggottness".
(Pope used vulgar Italian word to refer to LGBT people, Italian newspapers report. Reuters. May 28, 2024.)


英語で"faggot"(fagotというスペルもあります)は同性愛者、特に「男性のホモ」を指す俗語の意味が辞書にも載っています。

"faggot"というのは薪の束を指す単語で、辞書にもまず最初にその意味が載っています。その単語が同性愛者を意味する蔑称になった経緯はよく分からないものがあります。

"faggot"には老婆、不愉快な女、という意味もありますが、これがいつからか男性の同性愛者をも意味するように拡張したという説があるようです。

手元にあるOxford Dictionary of Euphemismでは、"faggot"を約めた"fag"は紙巻タバコ(cigarette)を指し、紙巻タバコを吸う男性はパイプや葉巻のスモーカーに比して柔弱、女々しいと見做される時代があった、と解説しています。柔弱で女々しい男性、これが男性の同性愛者の意味になったとしています。

また、"faggot"に薪の束という原義は、薪と火による火あぶりの刑罰という象徴的な意味にも発展しています。これは昔、異端者、異教徒が火あぶりに処されたことによるものです。同性愛者も公開処刑をされた歴史もあることから、"faggot"の同性愛者の意味はこの火あぶりと関係があるという説もあるそうですが、都市伝説の域を出ないそうです。いずれにしても、現代ではとても考えられないことではあります。

最後に、"faggot"と聞くと私は楽器のファゴットを思い浮かべます。語源は同じようですが、楽器のファゴットとはイタリア語faggottoであり、英語名称はバスーン(bassoon)です。


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