「骨なし」チキン(boneless chicken wings)を食べた男性が骨を喉に詰まらせ治療が必要になった、とレストランを訴えた裁判の判決に関するニュースを読みました。
訴訟社会と言われるアメリカでは時々びっくりするような訴えが起こされますが、今回の件はリーズナブルな訴えのように個人的には思われます。訴えた男性は「骨なし」チキンに含まれていた5センチの骨が喉に刺さったというのですから。
ところが判決は男性の訴えを退けたというのです。
“A diner reading ‘boneless wings’ on a menu would no more believe that the restaurant was warranting the absence of bones in the items than believe that the items were made from chicken wings, just as a person eating ‘chicken fingers’ would know that he had not been served fingers,” Justice Joseph T. Deters wrote for the majority.
The dissenting justices called Deters’ reasoning “utter jabberwocky,” and said a jury should’ve been allowed to decide whether the restaurant was negligent in serving Berkheimer a piece of chicken that was advertised as boneless.
“The question must be asked: Does anyone really believe that the parents in this country who feed their young children boneless wings or chicken tenders or chicken nuggets or chicken fingers expect bones to be in the chicken? Of course they don’t,” Justice Michael P. Donnelly wrote in dissent. “When they read the word ‘boneless,’ they think that it means ‘without bones,’ as do all sensible people.”
(Michael Rubinkam. Chicken wings advertised as ‘boneless’ can have bones, Ohio Supreme Court decides. The Associated Press. July 26, 2024.)
判決要旨と思われる箇所を引用しました。曰く、「骨なし」とメニューにあっても骨が含まれているかも知れないと予想するのが普通、ということのようです。つまり、「骨なし」というメニュー表記は100パーセント骨が無いということを保証するものではない、ということです。
この判決に対して、
utter jabberwocky
という批判があると中段にありますが、"jabberwocky"という一風変わった単語を取り上げましょう。
"jabberwocky"とは、訳がわからない、ちんぷんかんぷん、意味不明、という意味です。
ルイス・キャロルによる造語と辞書にありますが、「鏡の国のアリス」中の詩の題名ということです。
この詩では"jabberwock"という架空の怪物が出てきます。
訳の分からないことを早口に喋るという意味の"jabber"に関連するようですが、名付けたルイス・キャロルの真意はよく分かっていないということです。
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