アメリカ大統領選の争点のひとつには、勿論ですが、経済対策があります。
インフレによる物価高が進み、生活が苦しくなっている庶民の票を獲得せんと、両候補が議論を戦わせていますが、ハリス氏がトランプ氏は企業経営者などの富裕層だけが恩恵を受ける減税しかしてこなかったと批判すると、トランプ氏側は労働者に対する減税措置として、残業代やチップに課税しないという方針を打ち出しました。
米国民ならずとも、本当か?と訝りたくなりますが、民主党側から早速批判的に取り上げられているようです。
Senate Finance Committee Chair Ron Wyden threw shade at Republican presidential nominee Donald Trump on Friday over Trump’s latest campaign promise: to eliminate income taxes on overtime pay.
“Donald Trump is losing, and these tax proposals he’s floating out of desperation are as fake as his tan,” Wyden said in a statement.
The Oregon Democrat who leads the Senate tax writing panel said the former president “knows Republicans in Congress have no intention of passing this stuff.”
“It’s obvious his newfound concern for working people is a fraud,” Wyden argued, “because as president he undermined overtime protections for workers.”
He added, “You can always count on him to treat workers like chumps he can buy off with empty campaign promises here and there.”
(Kevin Breuninger. Trump tax-free overtime plan ‘as fake as his tan,’ Senate finance chair says. CNBC. September 13, 2024.)
曰く、トランプ氏は選挙に負けそうなのでこんな突拍子もないことを言い始めたのだと、非難しています。
treat workers like chumps he can buy off with empty campaign promises
というくだりがありますが、"chump"という単語が出てきます。"champ"(champion)ではありません。
辞書を引くと、丸太の木切れを指すこの単語は、
ばか、うすのろ;騙されやすい「かも」
を意味するとあります。
語源はよく分かっていないようですが、塊を指す"chunk"と"lump"の混成による単語、いわゆるかばん語のようです。
支持率を上げる為ならば出来ないことでもやると口に出す政治家がいるものですが、有権者もバカばかりではありません。
日本では自民党総裁選、立憲民主党の代表選で候補が乱立、様々な主張を戦わせておりますが、果たして実現可能なのか、そもそも実現する気があるのか?
引用した記事でもうひとつ興味深く思った表現ですが、トランプ氏の減税措置を、
as fake as his tan
と切って捨てています。
面白い表現だなあと思い調べてみたのですが、このような慣用表現がある訳では無いようです。文字通り、トランプ氏の主張する主張の内容が同氏の「日焼け」(tan)と同様に嘘っぽい、というような意味になります。
トランプ氏の顔はよく日焼けしており精悍なイメージを与えますが、あの日焼けはフェイクだという噂がかねてからあるようです。
トランプ氏はゴルフをするので、私はそれでよく日焼けしているのだと思っていましたが、日焼けしているように見せる為にクリームを塗ったり、施術したりすることを"fake tan"というそうで、恐らくトランプ氏も「見栄え」を良くするためにそうした処置をしているという見方が専らのようです。これは知りませんでした。
政治家の見た目や上辺だけの皮相な主張に騙されてはいけません。
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