Chrome OSをハッキングできた人に賞金総額$3.14159 Millionを支払う、というとんでもないコンテストがグーグルから発表されました。
ちなみに、$3.14159 Millionというと314万1,590ドルということになりますが、今日の為替レート(1ドル90円89銭)で計算すると、約2億8千万円でした。
Google has never been stingy when it comes to paying for information about security vulnerabilities in its products. Now it’s offering an especially large–and especially nerdy–sum of money.
At its third Pwnium hacking competition in Vancouver in March, the company is ponying up a total of $3.14159 million in prizes for hackers who can demonstrate critical security vulnerabilities in its Chrome OS operating system running on a Samsung Series 5 550 Chromebook, according to a notice posted Monday on its Chromium blog. Any participant who can take over a Chromebook user’s browser or entire computer via a malicious Web page can earn a $110,000 payout. And if the hacker can maintain persistent control over the system between reboots of the machine, he or she can win $150,000.
(Andy Greenberg. Google Offers $3.14159 Million In Total Rewards For Chrome OS Hacking Contest. Forbes. January 28, 2013.)
引用の中で、"pony up"というフレーズが出てきますが、目的語が"$3.14159 million"ということで、"pay"の意味で使われていることは分かると思います。
"pony"とは“ポニー”、つまり仔馬のことですが、"pony up"が"pay"の意味で用いられるようになった経緯はどのようなものがあるのでしょうか?
American Heritage Dictionary、Merriam-Websterによると、スラングとしてエントリにはありますが、語源の説明は見当たりません。Merriam-Websterでは、"origin unknown"(語源不詳)となっています。
ネットなどで調べてみると、"pony"がイギリスでは25ポンドを意味する俗語であることに由来する、とか、昔々支払いや寄付の手段としての仔馬に由来する、など諸説あるようです。
また、ラテン語のフレーズ"legem pone"に由来するという説もあるそうです。"legem pone"とは3月25日の朝の礼拝で歌われる聖書の詩篇第119篇の賛美歌に出てくるフレーズだそうですが、3月25日というのは今で言うところの第一四半期の“締め日”であり、借りているお金を返す日、支払日を意味するということで、この日に歌われる賛美歌の中のフレーズ"legem pone"が支払いとリンクされるようになったという説です。(以上、The Phrase Finderというサイトを参考)
ところで、なぜ"$3.14159 million"、つまり円周率の数字なのでしょうか?これはグーグルならではの、人目を引くやり方(a marketing gimmick)だということです。また、"$3.14159 million"は総額であり、セキュリティの脆弱性を指摘した人一人に支払われる金額ではないようです。また、当然でしょうが、脆弱性の指摘の内容はグーグルが審査を行い、賞金は内容次第だということです。詳しくは記事でも紹介されていますが、Chrome OSのウェブサイトに告知されています。
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