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2013年4月22日月曜日

ボストンのテロ容疑者の取調べ ― Mirandize

ボストンマラソンで発生した爆発物テロ事件は世界に衝撃を与えました。容疑者であるチェチェン人の兄弟は、兄が逃走中に警察との銃撃戦の中で死亡、弟は大捕り物の末逮捕され、一応の落着を見ました。

容疑者は重体で病院で治療を受けているようですが、回復次第、取調べが始まり、動機などの解明がなされる予定だということです。当然ですが、マスコミは取り調べの行方に注視しています。様々な記事を読んでいますと、


Mirandize


という見慣れない単語に目が留まりました。動詞のようですが、どのような意味なのでしょうか?


Interrogators wait to query - but not Mirandize - wounded bomb suspect

As the lone surviving suspect in the Boston Marathon bombing lay hospitalized under heavy guard Sunday, the American Civil Liberties Union and a federal public defender raised concerns about investigators' plan to question 19-year-old Dzhokhar Tsarnaev without reading him his Miranda rights.
(CBS News. April 21, 2013.)


"Mirandize"はどうやら上記の引用の後半に出てくる、


reading him his Miranda rights


と関係がありそうです。この"Miranda rights"ですが、英和辞書にもエントリがあり、いわゆる黙秘権のことであることが分かります。黙秘権とだけ言ってしまうと語弊があるかもしれません。正しくは、被疑者に与えられる権利(黙秘権や弁護人と相談する権利)一般を指すようです。

"reading Miranda rights"とは、取調べ開始にあたって捜査関係者が被疑者に対してその権利を説明することを指しています。刑事ものの映画やドラマでよく見るシーンですね。

ところで、大文字でスタートしていますが、"Miranda"というのは人の名前です。法律家や弁護士の名前と思いきや、昔のアメリカで起きた誘拐と婦女暴行事件の被疑者の名前なのだそうです。この事件をきっかけにして、被疑者に与えられる権利を被疑者に事前に示す(警告する)ことが原則とされるようになったということです。

"Miranda warning"と呼ばれることもあるそうです。

黙秘権は英語で言えば、


right to remain silent


などとなりますが、もちろんそのような表現も記事には出てくるのですが、"Mirandize"というような動詞が使われるというのは知っておいて損はなさそうです。


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